「無理するから逆にリズムを作れることもある」
[J1リーグ31節]磐田2-1横浜/10月29日/エコパ
痛恨のミスだった。それは本人も認めている。
「クリアしていれば、1点入っていなかったと思うから。そこは俺のミス。責任転嫁するつもりはない」
1-1の状況で迎えた65分、横浜の守護神・飯倉大樹は、味方の喜田拓也からバックパスが届くと、そのままダイレクトでクリアせず、右足で前に持ち出す。しかし、コントロールしようとしたところをアダイウトンに奪われ、最後はゴール前にいた川又堅碁に決められてしまう。
喜田からのバックパスはスピードと距離がやや足りなかった印象で、飯倉は「急いで出て行ったぶん、ボールが足元に入ってしまった。(プレッシャーをかけに来ていた)川又も前にいて、無理やり蹴るのもリスクがあると思った」と、クリアしなかった理由を語る。
「それでトラップしたけど、そっちのほうがリスクがあった」
クリアしなかったことが裏目に出た形だが、それも結果論。そもそも、足もとの技術には定評があり、磐田戦は豪雨の影響でピッチ状態は極めて悪かったが、この失点の場面をのぞけば、足での処理はほとんど危なげなかった。
クリアしなかった理由はもうひとつある。ゴールを守る最後の砦でありながら、攻撃のことも常に意識しているところに、飯倉というGKの本質が見て取れる。
「流れを考えれば、無理するところではなかったかもしれないけど、無理するから逆にリズムを作れることもある」
自らの信念を曲げるつもりもない。「同じようなシチュエーションがまたあれば、クリアっていう選択はあまりしたくない。自分自身、そういうプレーヤーじゃないし」ときっぱりと言う。
今回のミスで消極的になるわけでもない。むしろ、自分のスタイルを貫いて、より高みを目指そうとする。
「難しい判断、難しい技術のところをもう少し突き詰めていけたら、もっと余裕が持てるかなと思う。そこはまたひとつ積み上げるために、頑張っていきたい」
悔しい失点を喫したが、49分の上原力也の強烈なミドルや63分の大井健太郎の際どい一撃など、決められてもおかしくないシュートを鋭い反応で防ぐファインセーブもあった。残り3節、自分らしくゴールマウスを守る飯倉のプレーに期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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痛恨のミスだった。それは本人も認めている。
「クリアしていれば、1点入っていなかったと思うから。そこは俺のミス。責任転嫁するつもりはない」
1-1の状況で迎えた65分、横浜の守護神・飯倉大樹は、味方の喜田拓也からバックパスが届くと、そのままダイレクトでクリアせず、右足で前に持ち出す。しかし、コントロールしようとしたところをアダイウトンに奪われ、最後はゴール前にいた川又堅碁に決められてしまう。
喜田からのバックパスはスピードと距離がやや足りなかった印象で、飯倉は「急いで出て行ったぶん、ボールが足元に入ってしまった。(プレッシャーをかけに来ていた)川又も前にいて、無理やり蹴るのもリスクがあると思った」と、クリアしなかった理由を語る。
「それでトラップしたけど、そっちのほうがリスクがあった」
クリアしなかったことが裏目に出た形だが、それも結果論。そもそも、足もとの技術には定評があり、磐田戦は豪雨の影響でピッチ状態は極めて悪かったが、この失点の場面をのぞけば、足での処理はほとんど危なげなかった。
クリアしなかった理由はもうひとつある。ゴールを守る最後の砦でありながら、攻撃のことも常に意識しているところに、飯倉というGKの本質が見て取れる。
「流れを考えれば、無理するところではなかったかもしれないけど、無理するから逆にリズムを作れることもある」
自らの信念を曲げるつもりもない。「同じようなシチュエーションがまたあれば、クリアっていう選択はあまりしたくない。自分自身、そういうプレーヤーじゃないし」ときっぱりと言う。
今回のミスで消極的になるわけでもない。むしろ、自分のスタイルを貫いて、より高みを目指そうとする。
「難しい判断、難しい技術のところをもう少し突き詰めていけたら、もっと余裕が持てるかなと思う。そこはまたひとつ積み上げるために、頑張っていきたい」
悔しい失点を喫したが、49分の上原力也の強烈なミドルや63分の大井健太郎の際どい一撃など、決められてもおかしくないシュートを鋭い反応で防ぐファインセーブもあった。残り3節、自分らしくゴールマウスを守る飯倉のプレーに期待したい。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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