【番記者通信】「気が抜けた」2連敗は危険な兆候?|バイエルン

カテゴリ:メガクラブ

パトリック・シュトラッサー

2014年04月16日

「優勝を決めてからリズムを失っている」とグアルディオラ。

ドルトムントに敗れ、2シーズンぶりの連敗を喫したバイエルン。消化試合とはいえ、気になるところだ。 (C) Getty Images

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 すっかり変わってしまった。ドルトムントは、もはやバイエルンにとって取るに足らない相手になってしまったのだ。昨シーズンまでは、そうではなかった。2011年と12年の王者は、チャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を戦った強敵であり、ブンデスリーガの宿敵だった。

 それが、今回のドルトムント戦(4月12日の30節)は、映画の予告編のようなものでしかなかった。本編はこれから始まる。CL決勝進出をかけた“銀河系”との対決だ。

 だから、バイエルンはドルトムントに負けた。0-3の完敗だった。「リーグ戦は終わった」と指揮官のジョゼップ・グアルディオラは語り、「3月25日、ベルリンで優勝を決めてから、リズムを失っている」ことを認めている。優勝を決めた後、ホッフェンハイムと3-3で引き分け、アウクスブルクには0-1で敗れた。今シーズンの初黒星だ。

 そして、ドルトムントに負けて2連敗。11年11月、これもドルトムントとマインツに敗れて以来の連敗だ。グアルディオラはメンバーを落とし過ぎたのか? 消化試合となったリーグ戦はもはや捨てたかの? 悪い流れのなか迎えるCLで、しっぺ返しがないか? いまの状況は危険で、今シーズンの転換点になるかもしれない。

「リーグではいま、最後の貪欲さに欠ける」というトーマス・ミュラーの言葉は、モチベーションの低下を裏付ける。キャプテンのフィリップ・ラームは、「気が抜けてしまった。その説明はつく」と言う。

 とはいえ、レアル・マドリーとのCL準決勝の話になると、バイエルンの選手たちはクリスマスプレゼントにワクワクする子供たちのような、輝く目になる。アウェーの第1レグは4月23日、ホームの第2レグが翌週の29日だ。

「ともに真のトップチーム。この準決勝は、決勝であってもおかしくない」とラーム。フランク・リベリは、「難しい組み合わせ。世界で最も攻撃力のある2チームの対戦だ。素晴らしい2試合になるだろう。俺たちが決勝に進出できるよう願うけど」と語る。

 その前に、ブラウンシュバイク戦(4月19日)が待っている。残留争い真っただ中のこのチーム。バイエルンがBチームでやってくることを望んでいるだろう。

【記者】
Patrick STRASSER|Abendzeitung
パトリック・シュトラッサー/アーベントツァイトゥング
1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年にアーベントツァイトゥングの記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。今年5月にはバイエルンのCBダンチの自伝を出版予定。

【翻訳】
円賀貴子
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