「まだケツが青い」ひと仕事した大学生Jリーガーに田中隼磨がゲキを飛ばす

カテゴリ:Jリーグ

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2017年09月11日

J1昇格プレーオフ圏を巡る重要な一戦、松本が東京Vを下す。田中は献身的なプレーで貢献。

最近5試合負けなし。松本を支える田中は「自分たちの狙うサッカーをしながら、相手のストロングポイントも消せている」と手応えを得る。(C)SOCCER DIGEST

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[J2 32節]東京V 1-2 松本/9月8日/味スタ
 
 東京ヴェルディの強力アタッカー陣を素早いチェックで食い止めて要所を締め、チャンスでは怒涛のように攻め込み惜しいシュート性のクロスも放った。加えて、チームが苦しい時には長い距離を走ってフォローする献身ぶりも見逃せなかった。

「自分たちの狙うサッカーをしつつ、相手のストロングポイントを消して、いい流れで勝てています。(上位でシーズンを戦っていた)昨年とは立場が違うけど、あとは追い上げるだけです」

 そう振り返る松本山雅の田中隼磨の臨機応変な対応力、そして今何をすべきかを瞬時に見抜く洞察力が光った。35歳のアウトサイダーは、オフザボールの場面を含め全力を貫き、松本に貴重な勝点3をもたらした。

「俺が走らなかったら、松本山雅ではなくなってしまう。(試合終盤には約40メートルを走り抜くプレーを見せたが?)キツイよ、呼吸も、足も。でも、勝ってから休めばいい」

 田中はそんな熱い言葉を残し、そして「若いヤツらにも負けていられない」と語った。

 田中との逆サイドの左ウイングバックとして、90+2分までプレーしたのが22歳の下川陽太だった。国見高出身で大商大に在学中の4年生。特別指定選手ながら、26節の湘南戦で途中出場すると、続く名古屋戦から5試合連続フル出場。すでに来季の松本加入が決まっている。左サイドが主戦場であるが、右利きながら左足からの鋭く強いクロスも放つ。

 この日は59分に左サイドを抜け出してクロスを放ち、一旦DFにクリアされたが、そのこぼれ球を拾った高崎寛之から工藤浩平につなぐ2点目をもたらした。味方と呼吸が合わないシーンも少なくなかったものの、ゴールに絡むビッグプレーを見せたことで自信を深めた。

 ただ、プロ17年目、常に第一線で活躍してきた田中にとって、”プロ入り前”の下川はまだあらゆる面で子供のような存在だ。「刺激を受けたのでは?」と聞くと、「いや、いや、全然ですよ」と返ってきた。

「まだまだ、ケツが青い。ポテンシャルは高いですよ。ただ俺はあの歳の頃にJ1でプレーして優勝している(2004年、横浜で22歳の時にリーグ制覇に貢献)。だからJ1のレベルでも通用するように、もっと厳しく要求していきます。俺も負けられないよ」

  一方、下川は田中について次のように語っていた。
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