［ロシアワールドカップ・アジア最終予選］日本 ２-０ オーストラリア／８月31日／埼玉
 
　ホームで宿敵オーストラリアを２-０で撃破し、ワールドカップ出場を確定させた日本代表。会見場に集まった記者陣は拍手でヴァイッド・ハリルホジッチ監督を迎え、指揮官も言葉滑らかに話し始めた。
 
「みなさん、温かい歓迎をありがとうございます。昨日も言いましたが、この試合は日本国民全員にとって重要な試合でした。そして、この勝利は全員で掴み取った勝利だと思っています。
 
　ジャーナリストのみなさんのなかには、私が早く代表監督の座からいなくなってほしいと望んでいる方々もいたかもしれません。
 
　もしかしたら残るかもしれない、もしかしたら残らないかもしれない。いずれにしても、私はこのチームを讃えたいですし、今日の試合で見せた姿に誇りを感じています」
 
　そう語ると、ともに戦った人々へのリスペクトを口にした。
 
「若手を信頼して起用するべきだと思っていますけれども、それが正しいことなんだと見せられたと思っていますし、日本サッカーにとっても良いことだったのではないでしょうか。
 
　選手だけでなく、スタッフも讃えたいです。コーチ陣、メディカルスタッフ、みなさんと接していた方もたくさんいました。多くのスタッフが長い間、努力を続けてきました。そして、田嶋幸三会長と西野朗技術委員長にも感謝したい。
 
　全員がホッとしていると思います。この勝利を日本国民全員に捧げたいです」
 
　そう大きな１勝について話すと、少し雰囲気が変わった。そして、“ある問題”を抱えていることを吐露したのだ。
 
「実はプライベートで大きな問題を抱えています。それがあることで、この試合の前に帰国を考えていました。それほど大きなものだったのです。
 
　しかし、私にはこのチームを応援してくれている方々に対する責任があります。批判があった時も私はより力強くやってきましたし、それが私の性格なのです。
 
　プライベートの問題により、この時点でみなさんの質問にお答えできないことを申し訳なく思います。ただ、書くべき選手たちがたくさんいます。選手たちのことを記事にしてあげてください。
 
　本日、みなさんから拍手で迎えていただきましたけれども、忘れることはないでしょう。たくさんのことが消えていくかもしれませんが、このことは忘れません」
 
　ハリルホジッチ監督はそう言うと、「スミマセン、アリガトウゴザイマシタ」と締めて、再びの記者陣の拍手を背に会見場を立ち去った。

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