監督交代に見る「先見性」――例えば鹿島の、そして浦和のタイミングはどうだったか?

カテゴリ:Jリーグ

加部 究

2017年08月16日

解任の噂が立たないうちに迅速な改革を進めたのは……。

7月5日の川崎戦で辞任を匂わせる発言をしていた浦和のペトロヴィッチ前監督。すでに退陣を覚悟していたのかもしれない。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 ある経験豊富な指導者が言った。
「リスクを負わないことが、時には責任逃れになるものです」
 
 2年前のカナダ・ワールドカップを終えた後だった。なでしこジャパンは、連覇こそ逃したが、粘り抜いて2大会連続の決勝進出を果たしていた。翌年にはリオ五輪も控える状況で、JFAは佐々木則夫監督体制の継続を選択する。一般的には妥当な判断だったと思う。むしろこのタイミングで、これほどの名将を代えれば、批判が殺到したかもしれない。

 
 だが前述の指導者は、佐々木体制の限界を見抜き「代えるべきだった」と明言した。一般のファンとは一線を画すプロならではの慧眼だったと思う。もちろん新体制に移行しても五輪切符が取れた保証はないが、厳しい予選を誰が経験するかで、未来への歩み方が変わってくる。
 
 一方Jリーグで監督交代の判断が水際立っているのは、やはり鹿島だ。クラブ・ワールドカップで決勝進出を果たした石井正忠監督の解任はサプライズだったが、大岩剛新体制への移行で一気に巻き返している。振り返れば、国際的な知名度もクラブへの貢献度も高いトニーニョ・セレーゾから石井体制へのスイッチも同じくサプライズだったわけだが、いずれも解任の噂が立たないうちに迅速な改革を進めてしまった。そこには一切の躊躇がなく、透けて見えるのが常勝クラブならではの「先見性」や「計画性」である。
 
 逆に前代未聞の優柔不断ぶりを晒したのが浦和だった。7月5日、川崎に1-4で完敗した後のミハイロ・ペトロヴィッチ監督の会見は、すでに退陣を覚悟しているかのような内容だった。「前半戦で首位と勝点10ポイント差は、まだ十分に可能性がある。決して下は向いていない」と言いながらも「森保一監督のように3度リーグ制覇をしても辞任をする。過去の結果では生きられない。クラブの上に立つ者は何かを考えなければならないのかもしれない」と語っている。その後はサポーターの前に足を運び「次の新潟戦から連勝できなければ、私がクラブを去る」と告げたそうである。
【関連記事】
才能だけで久保建英は生まれない。元バルサ育成指導者が日本の状況に覚えた違和感とは
中村俊輔、遠藤保仁、小野伸二…を超える「最も衝撃を受けた」と鈴木啓太が引退記者会見で明かした“意外”な選手とは?
イタリアの名将がJクラブに“逆オファー”!「中国よりも日本で仕事がしたい」
【鹿島】大岩体制10戦目にして初黒星。伝統の“4バック”を捨てる大胆采配も…
【ゼロックス杯】鹿島×浦和の美女サポーターたちを一挙紹介!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 2026年7月・8月合併号
    6月3日(水)発売
    [特集]
    北中米ワールドカップへ
    日本代表展望&ガイド
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 2026年6月18日・7月2日合併号
    6月4日(木)発売
    [特集]
    2026 北中米ワールドカップ
    出場48か国コンプリートガイド
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 第104回大会 決戦速報号
    1月16日発売
    高校サッカーダイジェストvol.44
    ワールドサッカーダイジェスト2026年2月19日号増刊
    第104回全国高校サッカー選手権大会 決戦速報号

    [MATCH REPORT]
    1回戦から決勝まで全47試合を完全詳報

    [HEROES FILE]
    第104回大会を彩った”48名の逸材”を厳選
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ