【ベガルタ戦記】渡邉晋の『日晋月歩』|まさかの濃霧試合。映像確認もままならず…

カテゴリ:連載・コラム

渡邉 晋

2017年08月07日

隙を与えて失点しまったことが悔やまれる。

鹿島対策を徹底的にトレーニングで落とし込んだ。その成果として、先制を許すまではほぼパーフェクトな試合展開だった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 仙台の渡邉晋監督による現役指揮官コラム「日晋月歩」の第19回。テーマは「アクシデント」だ。20節の鹿島戦では濃い霧が発生し、後半に2度も試合が中断。途中でカラーボールに代える措置も取られるなど、難しいゲームとなった。
 
 そんな記憶に残る一戦は、仙台&渡邉監督にとってどんな意味を持つのだろうか。中断している時間の使い方や選手への指示、審判とのやり取り、そしてスカウティングビデオに関する後日談まで、赤裸々に明かしてもらった。
 
――◆――◆――
 
[J1リーグ20節]鹿島 2-0 仙台/8月5日(土)/カシマ
 
 試合前、選手には「隙を突くか、突かれるかの勝負だ」と話していた。最大限の集中力をキックオフから発揮することが一番大事なことだ、と。奇しくも集中力を妨げられるような環境で戦うことになり、我々の力が試されるシチュエーションとなった。
 
 戦前から、「鹿島に絶対に使われたくない場所」を意識していて、それを徹底的に1週間のトレーニングで落とし込んできた。その成果もあり、先制を許すまではほぼパーフェクトに作戦を遂行できていたと思っている。だからこそ、前半終了間際の失点は悔やんでも悔やみ切れないものとなってしまった。
 
 それにしても大変な試合だった。霧でゲームが困難になるのは仙台にスタッフとして加入してから初めて。前半は「ベンチからなんとか見えるかな」という感じだったが、後半になったら逆サイドがまったく確認できない。
 
 試合前には「濃霧注意報が出ているので、カラーボールになる可能性がある」と言われていた。ベンチとしてはいろいろな情報を集めていて、このまま霧が晴れないというのは分かっていた。だからこそ、この先に起こり得ることを予測しながら動いた。中断する、再開する、あるいは再試合になる可能性だってゼロではなかった。
 
 審判団が続行を選択したので、もちろん従いはした。ただ、選手からも「見えにくい」という訴えがあったので、「やりにくさが続くようであれば、考え直す必要性もあるのではないか」という話をレフェリーには伝えた。
 
 目視しにくい状況による突発的なアクシデントを防ぎたい気持ちがあった。例えば普段であれば起こり得ないこと、なんでもない場所で交錯して怪我につながるのは、チームにとっても選手にとっても不幸な事態だろう。
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