逸材FWを獲得断念のユーベ、誤算続きで強化戦略の見直しも…

カテゴリ:メガクラブ

ワールドサッカーダイジェスト編集部

2017年07月19日

シック獲得を断念する4日前にオルソリーニをアタランタに。

ユベントスはシック(写真)を貴重なバックアッパーとして期待していただけに、今夏の補強戦略に与える影響は小さくないか。(C)Getty Images

画像を見る

 セリエA6連覇中の絶対王者ユベントスが、誤算続きの夏を過ごしている。

 ユーベが今夏、早々に合意にこぎつけ正式契約間近と目されていたのが、サンプドリアで台頭したチェコ代表の逸材FWパトリック・シックだ。しかし、このほど獲得を断念。7月18日に公式発表された。交渉破談の理由までは公表していないが、現地報道によれば心臓の問題が発覚したからだという。

 シックはU-21欧州選手権に参戦中の6月22日にクラブを訪れ、メディカルチェックを実施。4年契約を結ぶ見込みと報じられていたが問題が見つかり、7月13日にはローマで再検査を受ける運びに。ところが、これもパスできなかったようだ。

 往年の名手デニス・ベルカンプを彷彿させる優雅なプレーと破格の決定力を武器に、昨シーズン後半戦に一躍移籍マーケットの注目銘柄に躍り出たシック。いち早くその新星の獲得に乗り出し合意にこぎつけたユーベは、貴重なバックアッパーとして大いに期待していた。それだけに、今回の一件により少なからずダメージを被りそうだ。

 4-2-3-1を基盤に4人のアタッカーを並べるユーベの前線は、ゴンサロ・イグアインやパウロ・ディバラといったワールドクラスを擁する一方で、欧州の頂点を狙ううえで十分な選手層とは言い難い。攻撃のバリエーション不足を露呈し、レアル・マドリーに完敗した昨シーズンのチャンピオンズ・リーグ決勝は記憶に新しい。

 バイエルンから迎えたドグラス・コスタを含めて、現時点で前線の戦力としてカウントできるのは6枚(先述の3選手に加えマリオ・マンジュキッチ、ファン・ギジェルモ・クアドラード、マルコ・ピアツァ)。そのうちピアツァは3月に痛めた膝が完治しておらず、クアドラードには移籍の噂が絶えない。

 また、冬に契約して今夏に加入した“イタリアのアリエン・ロッベン”ことリッカルド・オルソリーニをアタランタにレンタルに出したのは、シック獲得を断念する4日前。いまとなっては悔やまれる選択だ。

 首脳陣は現在、フェデリコ・ベルナルデスキの獲得に力を注いでいるが、フィオレンティーナの抵抗もあり、交渉は一筋縄ではいかなそう。実現したとしても、それに伴い出場機会の減少が予想されるクアドラードの去就はいっそう不透明になる。いずれにしても、戦力的な厚みは不十分なままだ。

 ダニエウ・アウベスの契約解除希望(パリ・サンジェルマンへ)、レオナルド・ボヌッチの退団志願(ミランへ)に続き、今夏で三度目の誤算に見舞われたユーベ。強化戦略の見直しを余儀なくされかねない状況だ。

文:ワールドサッカーダイジェスト編集部
【関連記事】
ミランのベロッティ獲得に光明!? トリノを口説く条件は…
【セリエA】決定した移籍一覧(7月19日更新)。ボヌッチを奪われたユーベが“本気モード”に!?
ボヌッチが「新聞の紙面」を買い取ってユベンティーノへ感謝と別れの挨拶
引退を“即日撤回”のカッサーノ、理由は「カミさんが…」
「ネイマールはバルサで幸せ」と残留に期待する偉大なOBリバウド

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ