U-18から大学を経由して戻ってきたのは脇坂泰斗で二人目。
“戻ってくる”ことは確信しながらも、やはり正式に発表されるまではもどかしさがある。それが川崎サポーターの心理状態だったと推察するが、ようやく、靄が晴れる思いになっただろう。
関西の雄・阪南大へ進学した脇坂泰斗が来季より川崎フロンターレに入団することが発表された。彼は川崎U-18がクラブ史上初のJユースカップ・ベスト4まで進んだ際の中心選手であり、先日のU-20ワールドカップにも出場した板倉滉と三好康児の1つ上の先輩にあたる。サポーターもトップ昇格を期待した逸材であるが、当時は昇格を見送られた。
ただ、「4年間で力をつけて戻ってきてほしい」と向島建スカウトは彼をポジティブな意味合いを込めて外へ送り出した。進学先の阪南大では1年時から主力としてチームを支え、先輩である香川勇気(山口)や松下佳貴(神戸)らとともに冬の全日本選手権(インカレ)への出場も果たす。この大会では自身もゴールという結果を残しつつ、1年生ながらピッチ上での存在感は絶大だった。
2年時には左足第五中足骨の疲労骨折を経験したが、もちろんチーム内での地位は揺るがず。着実に成長し、全日本大学選抜にもコンスタントに招集をされている。先日、京都への内定が発表された重廣卓也らとともに関西のみならず“大学サッカー”を象徴する選手のひとりと言えるだろう。
ちなみに、川崎のU-18から大学を経由してトップに戻ってきたのは脇坂が2人目だ。2014年に入団した可児壮隆が最初の選手であるのだが、同じ阪南大の先輩である可児は2年目からレンタル移籍を繰り返し、現在はJFLのFC今治でプレーをしている。彼も大学でその名を轟かせたことで、同期入団の谷口彰悟とともに、大きな期待を寄せられていた。しかし、いまだ周囲の期待に応えるまでにはいっていない。もちろん、同じポジションには中村憲剛や大島僚太、山本真希(現千葉)、森谷賢太郎らがいたことを考えると、すぐに定位置を掴むのはそう容易なことではないのだが。
いずれにせよ、同じ道を進んできた先輩は現段階では成功を掴んだとは言い難い。ポジション的にも中盤のゲームメーカーであり、可児と同じように苦しむ可能性もあるだろう。ただ、今の彼のパフォーマンスを見れば、そうした不安が杞憂に終わる可能性もまた、同時に感じるのだ。
関西学生サッカーリーグでは一つひとつのプレーにある程度の余裕があり、それに加えて技術に対する自信が質の高いプレーを生む。プレッシャーに動じずにボールをさばき、ゴールを生むその姿は、川崎のバンディエラ・中村憲剛を彷彿させるほどだ。
「スピードが速いわけでもないし、身体もそんなに強くない。だからこそ細かい技術を高めようと、考えてプレーしてきた」
この経緯も、背番号14と類似している。チームとしてもそろそろ、中村“以後”のチームについて考えなければいけない時期だ。いつまでもベテランに頼っているわけにはいかない。そういう点でも脇坂には次世代の川崎の象徴になってもらいたいと思うし、何よりもその資質と可能性を、彼は持っている。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
関西の雄・阪南大へ進学した脇坂泰斗が来季より川崎フロンターレに入団することが発表された。彼は川崎U-18がクラブ史上初のJユースカップ・ベスト4まで進んだ際の中心選手であり、先日のU-20ワールドカップにも出場した板倉滉と三好康児の1つ上の先輩にあたる。サポーターもトップ昇格を期待した逸材であるが、当時は昇格を見送られた。
ただ、「4年間で力をつけて戻ってきてほしい」と向島建スカウトは彼をポジティブな意味合いを込めて外へ送り出した。進学先の阪南大では1年時から主力としてチームを支え、先輩である香川勇気(山口)や松下佳貴(神戸)らとともに冬の全日本選手権(インカレ)への出場も果たす。この大会では自身もゴールという結果を残しつつ、1年生ながらピッチ上での存在感は絶大だった。
2年時には左足第五中足骨の疲労骨折を経験したが、もちろんチーム内での地位は揺るがず。着実に成長し、全日本大学選抜にもコンスタントに招集をされている。先日、京都への内定が発表された重廣卓也らとともに関西のみならず“大学サッカー”を象徴する選手のひとりと言えるだろう。
ちなみに、川崎のU-18から大学を経由してトップに戻ってきたのは脇坂が2人目だ。2014年に入団した可児壮隆が最初の選手であるのだが、同じ阪南大の先輩である可児は2年目からレンタル移籍を繰り返し、現在はJFLのFC今治でプレーをしている。彼も大学でその名を轟かせたことで、同期入団の谷口彰悟とともに、大きな期待を寄せられていた。しかし、いまだ周囲の期待に応えるまでにはいっていない。もちろん、同じポジションには中村憲剛や大島僚太、山本真希(現千葉)、森谷賢太郎らがいたことを考えると、すぐに定位置を掴むのはそう容易なことではないのだが。
いずれにせよ、同じ道を進んできた先輩は現段階では成功を掴んだとは言い難い。ポジション的にも中盤のゲームメーカーであり、可児と同じように苦しむ可能性もあるだろう。ただ、今の彼のパフォーマンスを見れば、そうした不安が杞憂に終わる可能性もまた、同時に感じるのだ。
関西学生サッカーリーグでは一つひとつのプレーにある程度の余裕があり、それに加えて技術に対する自信が質の高いプレーを生む。プレッシャーに動じずにボールをさばき、ゴールを生むその姿は、川崎のバンディエラ・中村憲剛を彷彿させるほどだ。
「スピードが速いわけでもないし、身体もそんなに強くない。だからこそ細かい技術を高めようと、考えてプレーしてきた」
この経緯も、背番号14と類似している。チームとしてもそろそろ、中村“以後”のチームについて考えなければいけない時期だ。いつまでもベテランに頼っているわけにはいかない。そういう点でも脇坂には次世代の川崎の象徴になってもらいたいと思うし、何よりもその資質と可能性を、彼は持っている。
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
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