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【クラシコ・プレビュー】明らかな選手層の差…ポジティブな流れのマドリーと“息切れ”のバルサ

カテゴリ:連載・コラム

工藤拓

2017年04月22日

ここ2週間で行なわれた4試合のうち3試合で不発のMSN…

CLでのゴールラッシュで気分良く大一番に臨めるC・ロナウドに対し、メッシはアルゼンチン代表での長期出場停止や脱税疑惑の裁判と、最近は心を乱されることが多く……。チームだけでなく、両エースの置かれた状況も対照的である。 (C) Getty Images

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 明暗が分かれたチャンピオンズ・リーグ(CL)準々決勝の第レグでは、4月23日(現地時間)にマドリードのサンチャゴ・ベルナベウで行なわれる「エル・クラシコ」を直前に控えたバルセロナとレアル・マドリーの、対照的なチーム状態が見て取れた。
 
 ルイス・エンリケの就任以降、ハイプレスの機能不全と中盤の支配力低下を3トップの破壊力で補ってきたバルサは、老獪なユベントス守備陣の前にMSN(リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール)頼みの攻撃の限界を露呈した。
 
 これまで揃って先発に名を連ねた102試合のうち、南米トリオが揃ってゴールを決められなかった試合はわずか8戦しかない。
 
 それが、ここ2週間で行なわれた4試合のうち、3試合(リーガ・エスパニョーラのマラガ戦、ユベントスとの2試合)で不発に終わっているのは、もちろんライバルの堅守の賜物ではあるものの、代えの利かない彼らをここまで使い続けてきた代償とも言える。
 
 とはいえ、それもチームの現状を見れば仕方のないことだ。
 
 昨夏、クラブはルイス・エンリケの要望に則り、各ポジションに即戦力となるべきバックアッパーを補強した。
 
 だが、ここまで主力級のパフォーマンスを見せているのはDFサミュエル・ウンティティくらいで、ほとんどの選手は実力を示せるほど出番を与えられておらず、指揮官が執拗に起用し続けているMFアンドレ・ゴメスはバレンシア時代のプレーレベルすら取り戻せていない。
 
 唯一、ここにきて出番を与えられはじめたパコ・アルカセルが良い働きを見せているものの、エリア内を職場にしてきた生粋のストライカーをサイドFWで起用しなければならない台所事情こそ、戦力の乏しさを表わしていると言えよう。
 
 一方のマドリーは、これまで得点ペースが落ちていたクリスチアーノ・ロナウドが、バイエルンとの2試合で計5ゴールと大爆発した。
 
 大一番で大仕事をやってのけたエースに加え、第1レグはCBのペペとラファエル・ヴァランヌが不在、第2レグではさらに前線トリオの一角、ガレス・ベイルも欠きながら、出番に飢えているナチョ、イスコ、マルコ・アセンシオら若手が、しっかり役割を全うした。
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