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【選手権】G大阪ユース入りを逃してたてた誓い。東海大仰星のキャプテン松井が決勝弾に込めた思いとは

カテゴリ:高校・ユース・その他

竹中玲央奈

2017年01月01日

同点ゴールを奪われてすぐに難易度の高いシュートを突き刺す。

藤枝明誠を相手に決勝点を挙げた東海大仰星の松井。熱い思いのこもったゴールだった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[選手権1回戦]東海大仰星 2-1 藤枝明誠/2016年12月31日/三ツ沢

 試合前、東海大仰星の主将であり10番を背負う松井修二は整列するチームメイト一人ひとりと固い握手を交わしていた。
「3年生にとっては最後の大会なので。負けたら終わりのゲームが続くなかで最後は全力を出し切ろうという気持ちを込めました」
 
 その思いは間違いなくチームに伝播した。開始直後から東海大仰星は強度の高いプレーを連発して攻撃自慢の藤枝明誠に思うようなプレーをさせない。藤枝明誠の選手からも「苦しかった」という声が聞こえたと同時に、「僕らの守備が完璧にはまっていた」と松井は振り返る。攻撃でも彼が中心となって敵陣に攻め込み、前半23分には絶妙なFKで相手のオウンゴールを誘発した。
 
 その後も松井は攻撃の中心となってチームをリードするも、後半になると藤枝明誠が徐々にペースを掴み、後半8分には中道慶人が絶妙な直接FKを突き刺した。押し込まれた中での失点はチームのメンタルに影響する。
 
 そんななかで東海大仰星は驚異的なリバウンドメンタリティを発揮し、藤枝の応援席がまだ歓喜に湧いている中で勝ち越し点を決める。高い位置でボールを奪った新保隼人のスルーパスに抜け出すと、ボックス内右からニア上にシュートを突き刺したのが松井だった。
 
「相手が点を決めた後というのは緩むと思うので、点を決められたあとも“落ちずに安定してやろう”というのは僕中心に声をかけていて。あのチャンスは絶対に決めてやろうという思いで振り抜いた」
 
 強い思いを乗せて決めたゴールは、難易度の高いものであったが、このエリアからのシュート練習を日々、自主的にこなしていた。だからこそ自信を持ってシュートを放ち、得点という形に結び付けられたと言う。結果的にこれが決勝点になり、松井は2得点に絡む活躍を見せ、高校生活最後の大会の初戦で好スタートを切った。
 
 G大阪の下部組織出身である彼は、ユースのセレクションに落ちたことで東海大仰星を2種年代での舞台として選んでいる。そして、その時に「大阪府代表として選手権に出る」という誓いをたてた。だが、1、2年生時は結果が出ず、最上級生となった今年、ついにその誓いを現実のものにする。だが、“出場した”"だけで満足するわけがない。
 
「選手権で優勝してやろうと思ってこの1年間を取り組んできた」
 挫折を味わった末に進んだ先で、最終学年でようやく全国への切符を掴んだ。このチャンスを、やすやすと逃す訳にはいかない。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
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