耳を疑うような拍手がスタジアムを包んだ。

S・ラモス(左)を手玉に取り、衝撃的な2ゴールを叩き出したロナウジーニョ。このクラシコの9日後、2005年のバロンドールに輝いた。(C)Getty Images

ロナウジーニョは左ウイングで躍動。逆サイドを担った18歳のメッシは、この試合が初のクラシコだった。(C) SOCCER DIGEST
バルセロナの“ファンタジスタ”ロナウジーニョの独壇場となったのが、レアル・マドリーの本拠地サンチャゴ・ベルナベウで開催された2005年11月19日のクラシコだ。
サミュエル・エトーのゴールでバルサが1点をリードして迎えた58分だった。同点を狙うR・マドリーのデイビッド・ベッカムのクロスを、CBラファエル・マルケスがクリア。このボールを拾ったMFデコが、左サイドのロナウジーニョへ絶妙のパスを送ると、この10番が圧巻のプレーを見せる。
対峙したセルヒオ・ラモスを一瞬で抜き去ってエリア内に侵入すると、イバン・エルゲラもかわして右足を一閃。GKイケル・カシージャスのニアを抜く鮮やかなシュートを突き刺したのだ。
この追加点のリプレーを見るかのようなゴールが生まれたのは、78分だ。再び左サイドでボールを受けたロナウジーニョが軽やかなステップでS・ラモスを振り切り、そのまま持ち込んで3点目を奪うのだ。
耳を疑うような拍手がスタジアムを包んだのは、その直後だった。なんとR・マドリーのサポーターが、2得点を挙げたこのブラジル代表FWに対してスタンディングオベーションを捧げたのだ。
このクラシコから10年後の2015年、ロナウジーニョは当時を振り返り、「最大のライバルのファンからスタンディングオベーションを受けるという喜びを味わった選手は、ほとんどいないだろう」と誇らしげに語った。もっとも、「試合中は拍手に気がつかなかった」という。
宿敵のサポーターをも脱帽させたロナウジーニョの2ゴールは、今も語り草になっている。
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016年11月17日号の記事を加筆・修正
サミュエル・エトーのゴールでバルサが1点をリードして迎えた58分だった。同点を狙うR・マドリーのデイビッド・ベッカムのクロスを、CBラファエル・マルケスがクリア。このボールを拾ったMFデコが、左サイドのロナウジーニョへ絶妙のパスを送ると、この10番が圧巻のプレーを見せる。
対峙したセルヒオ・ラモスを一瞬で抜き去ってエリア内に侵入すると、イバン・エルゲラもかわして右足を一閃。GKイケル・カシージャスのニアを抜く鮮やかなシュートを突き刺したのだ。
この追加点のリプレーを見るかのようなゴールが生まれたのは、78分だ。再び左サイドでボールを受けたロナウジーニョが軽やかなステップでS・ラモスを振り切り、そのまま持ち込んで3点目を奪うのだ。
耳を疑うような拍手がスタジアムを包んだのは、その直後だった。なんとR・マドリーのサポーターが、2得点を挙げたこのブラジル代表FWに対してスタンディングオベーションを捧げたのだ。
このクラシコから10年後の2015年、ロナウジーニョは当時を振り返り、「最大のライバルのファンからスタンディングオベーションを受けるという喜びを味わった選手は、ほとんどいないだろう」と誇らしげに語った。もっとも、「試合中は拍手に気がつかなかった」という。
宿敵のサポーターをも脱帽させたロナウジーニョの2ゴールは、今も語り草になっている。
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016年11月17日号の記事を加筆・修正