[Jリーグチャンピオンシップ準決勝]川崎 ０-１ 鹿島／11月23日／等々力
 
「浦和に対していろいろと考えさせようと思っての選手交代なら、（石井正忠監督は）策士だな」
 
　ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督に続いて、等々力陸上競技場から出てきた手倉森誠日本代表コーチ。報道陣を引き連れ、車に向かって歩を進めながらニヤリと笑った。
 
「石井さんにしては交代が遅かったから。最初に遠藤（康）を代えるのかなって思って見ていたら、違ったしね」
 
　リオデジャネイロ五輪代表を率い、多くの奇策を打ってきた“策士”をして、そう呼ばせた交代劇。これがもし本当に対浦和を見据えてのことだとしたら――。
 
「鹿島の首脳陣に会った時に『いけそうな気がする』と言っていたから、『本当に決勝に進んだな』という感じ。さすが“美味しいところ”を知っている」
 
　日本のクラブで最もタイトルを獲得している“ここぞの勝負強さ”を垣間見た１戦。フロントの自信も含めて、常勝軍団の常勝軍団たる所以は、こんなところに潜んでいるかもしれない。
 
取材・文：古田土恵介（サッカーダイジェスト編集部）

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