「メッシがいなくても勝てるが、いれば確率は飛躍的に上がる」

74、78、82年と3度のW杯に出場したケンペス。いずれの大会でもブラジルと対戦するも、1分け2敗と一度も勝利を奪うことはできなかった。写真は82年大会。 (C) Getty Images
アルゼンチン代表は11月10日(現地時間)、ロシア・ワールドカップ南米予選で、宿敵ブラジル代表と対戦する。現在6位に沈んでいるチームにとって、非常に重要なアウェーマッチである。
この大一番を前に、かつて70年代から80年代にかけてアルゼンチン代表でプレーし、自国開催の1978年ワールドカップでは大会MVP&得点王の活躍で母国の初世界一に貢献したマリオ・ケンペス(現在はコメンテーター)が、自身の思い出や、戦いに臨む“後輩”たちへの思いを語っている。(『UOL esporte』による)
「私自身、ブラジルには一度も勝ったことがないので、この対決はあまり好きじゃないが……」という現在62歳の“エル・マタドール(闘牛士)”は、伝統のカードについて「いつの時代にも、とても美しいゲームを展開してきた。尊敬するブラジルと対戦できたことを、とても誇りに思っている」と回顧する。
互いの意地とプライドを懸けた戦いだけに、「どの試合でも、選手にとっては非常にハードな戦いだった。それは今も変わらない。おそらく今回のベロオリゾンチでの戦いも同様だろう」と、死闘が展開されることを予想する。
ケンペスはブラジルについて、「監督がチッチに代わってから、以前のような強さを取り戻しつつある。一番良い状態でアルゼンチン戦に臨んでくるだろう」と分析するが、対して母国についてはやはり、厳しい見方をしている。
「アルゼンチンにとって今回の“クラシコ”は、非常に厳しい戦いになるはずだ。我々の代表チームはここまで、結果(4勝4分け2敗の6位)もそうだが、内容も良くない……」
ただし、あまり悲観的になるのは良いことではないとも、ケンペスは主張する。
「今のチームにとって、周囲からのプレッシャーは何の助けにもならない。大事な戦いを前にした彼らに、これ以上の刺激を与える必要はない」
「別にこの試合に負けたとしても、それで予選敗退が決まるわけではない。残り試合をモノにすれば可能性も出てくる。今回がラストチャンスではないんだ。もちろん、勝つに越したことはないがね」
「こういった苦しい状況を経験してチームは成長していく」と語るケンペスは、ブラジルとの戦い方について「おそらく、引き分けも視野に入れて臨むだろう。ここでの勝点1は大きな価値があるし、次のコロンビア戦(15日)にも繋がるものだ」と見る。
大一番でのキーマンにはディ・マリアとペレスを挙げ、「ふたりがどれだけボールを触り、プレーに絡めるかが試合の行方を左右する」と予想した。
しかし、アルゼンチンといえば、やはりメッシ、そして今夏、ナポリからユベントスへイタリア史上最高額で移籍したイグアインのことを聞かないわけにはいかない。
自身も背負った背番号10の後継者であるメッシについて、ケンペスは「彼もひとりの人間だ」と訴える。
「そのことをファンは忘れて、過剰な期待をかけてしまう。プレッシャーをかけられるのは、誰にとっても心地の良いものではない」
「アルゼンチンは優れた選手の集まりだ。メッシがいなくても、このチームは勝利を手にすることができる。ただ、メッシがいれば、勝つ確率は飛躍的に上がるのも事実だがね」
一方、イグアインについては「優れた点取り屋であることを、イタリアで存分に証明した。常に監督の期待に応えていることは、とても素晴らしい。最も重要な選手のひとりだ」と称賛している。
また、イグアインが過去、W杯やコパ・アメリカの決勝、その他の幾つかの重要な試合で決定機を逸してきたことにも触れ、「もしブラジル戦でゴールを決めれば、チームは勝利に近付き、彼自身は過去の汚名を返上できるだろう」とも語っている。
偉大なOBは、やや楽観的に、大一番に臨む後輩たちにエールを送った。果たして、その結末やいかに……。試合は日本時間の11日午前8時45分にキックオフの予定だ。
この大一番を前に、かつて70年代から80年代にかけてアルゼンチン代表でプレーし、自国開催の1978年ワールドカップでは大会MVP&得点王の活躍で母国の初世界一に貢献したマリオ・ケンペス(現在はコメンテーター)が、自身の思い出や、戦いに臨む“後輩”たちへの思いを語っている。(『UOL esporte』による)
「私自身、ブラジルには一度も勝ったことがないので、この対決はあまり好きじゃないが……」という現在62歳の“エル・マタドール(闘牛士)”は、伝統のカードについて「いつの時代にも、とても美しいゲームを展開してきた。尊敬するブラジルと対戦できたことを、とても誇りに思っている」と回顧する。
互いの意地とプライドを懸けた戦いだけに、「どの試合でも、選手にとっては非常にハードな戦いだった。それは今も変わらない。おそらく今回のベロオリゾンチでの戦いも同様だろう」と、死闘が展開されることを予想する。
ケンペスはブラジルについて、「監督がチッチに代わってから、以前のような強さを取り戻しつつある。一番良い状態でアルゼンチン戦に臨んでくるだろう」と分析するが、対して母国についてはやはり、厳しい見方をしている。
「アルゼンチンにとって今回の“クラシコ”は、非常に厳しい戦いになるはずだ。我々の代表チームはここまで、結果(4勝4分け2敗の6位)もそうだが、内容も良くない……」
ただし、あまり悲観的になるのは良いことではないとも、ケンペスは主張する。
「今のチームにとって、周囲からのプレッシャーは何の助けにもならない。大事な戦いを前にした彼らに、これ以上の刺激を与える必要はない」
「別にこの試合に負けたとしても、それで予選敗退が決まるわけではない。残り試合をモノにすれば可能性も出てくる。今回がラストチャンスではないんだ。もちろん、勝つに越したことはないがね」
「こういった苦しい状況を経験してチームは成長していく」と語るケンペスは、ブラジルとの戦い方について「おそらく、引き分けも視野に入れて臨むだろう。ここでの勝点1は大きな価値があるし、次のコロンビア戦(15日)にも繋がるものだ」と見る。
大一番でのキーマンにはディ・マリアとペレスを挙げ、「ふたりがどれだけボールを触り、プレーに絡めるかが試合の行方を左右する」と予想した。
しかし、アルゼンチンといえば、やはりメッシ、そして今夏、ナポリからユベントスへイタリア史上最高額で移籍したイグアインのことを聞かないわけにはいかない。
自身も背負った背番号10の後継者であるメッシについて、ケンペスは「彼もひとりの人間だ」と訴える。
「そのことをファンは忘れて、過剰な期待をかけてしまう。プレッシャーをかけられるのは、誰にとっても心地の良いものではない」
「アルゼンチンは優れた選手の集まりだ。メッシがいなくても、このチームは勝利を手にすることができる。ただ、メッシがいれば、勝つ確率は飛躍的に上がるのも事実だがね」
一方、イグアインについては「優れた点取り屋であることを、イタリアで存分に証明した。常に監督の期待に応えていることは、とても素晴らしい。最も重要な選手のひとりだ」と称賛している。
また、イグアインが過去、W杯やコパ・アメリカの決勝、その他の幾つかの重要な試合で決定機を逸してきたことにも触れ、「もしブラジル戦でゴールを決めれば、チームは勝利に近付き、彼自身は過去の汚名を返上できるだろう」とも語っている。
偉大なOBは、やや楽観的に、大一番に臨む後輩たちにエールを送った。果たして、その結末やいかに……。試合は日本時間の11日午前8時45分にキックオフの予定だ。