6戦連発の韋駄天が快進撃を牽引。
ついに首位のシッポを捕まえた。
終盤戦にさしかかったプレミアリーグEASTで、一大旋風を巻き起こしているのが大宮アルディージャユースだ。第11節の柏レイソルU-18戦で4-2の快勝を収め、3連勝。後期がスタートしてから6戦負けなし(4勝2分け)で、この日、横浜F・マリノスユースに苦杯を舐めた首位・青森山田との勝点差を3に縮めた。残りは3試合。頂上はもう手が届くところにある。
「本当になにをやっていいのか分からなかった。前期はみんなバラバラでしたね」
そう振り返るのは、主将のボランチ、山田陸(3年)だ。昨年までは4-3-3が基本システムで、重厚なポゼッションと前線からの激しいプレスを軸とした、いわゆるバルサ型のアクションサッカーを標榜。プレミアEASTで堂々3位に食い込んだが、今季はスタイルががらりと変わった。トップチームとの連動性を重視し、同じ戦術とシステム(4-4-2)の導入を図ったのだ。
攻守のバランスを意識しながら臨機応変に守備ブロックを形成し、中盤の構成力と2トップの打開力を最大限に活かしてゴールを狙う。取り組んだのはこんなサッカーへの転換だ。当然、急激な変化に選手たちは戸惑いを隠せず、チームはドタバタのまま開幕3連敗を喫してしまう。実力伯仲の最高峰リーグで、出足の躓きは致命傷になる。まさにどん底からの再出発だ。
そんななかでも、今春から指揮を執る大塚真司監督は冷静に対応し、いっさいブレなかった。
「試合を重ねるごとに守備に粘りが出てきて、形になっていきましたね。当然高校生ですから、メンタルの浮き沈みがある。そこをうまくコントロールして自信を持たせて、試合に送り出しました。夏を過ぎたくらいでしょうか。トレーニングの姿勢や雰囲気がグッと良くなって、それがゲーム内容にも反映されるようになりました」
土曜日の柏戦。驚かされたのは、攻守両局面でのオートマティズムだ。左右対称の綺麗な4-4-2をピッチ上で具現化し、チーム全体がつねにコンパクトな陣形を保ちながら、破壊力抜群の柏アタッカー陣を巧妙に罠に誘い込む。バイタルエリア手前、あるいはタッチライン際で確実に潰してボールを奪うと、山田と長谷川元希(3年)の2ボランチがしっかりとボールを収め、彼らのスイッチの切り替えから、チームはひとつの生き物のように連動していく。速攻も遅攻も自由自在だ。この日は高質なカウンターとチェンジ・オブ・ペースをツボにはめて柏DF陣を翻弄し、68分までに4点のリードを奪った。
快進撃を牽引するのが、8月の日本クラブユース選手権で得点王に輝いたFW、小柏剛(3年)だ。後期の開始とともにゴール量産態勢に入り、柏戦でも2ゴールを挙げて6戦連発。これで通算9ゴールとなり、単独得点王に躍り出た。前線でコンビを組む後輩・奥抜侃志(2年)は、「小学校からずっと組んでるからなんでも分かる」(小柏)という間柄。兎にも角にも、この2トップが強力だ。ドリブル自慢の奥抜が守備陣形を切り崩してマークを分断し、エネルギッシュに広範囲を動き回る小柏が豪快に裏のスペースを突いて、確度の高いフィニッシュで仕留める。
押しも押されもしないエースの小柏は、謙遜しながらこう話してくれた。
「カンジ(奥抜)とはいい引き出し合いができてますし、ディフェンスが本当に上手くはまっていて、いい形でボールを獲れるから、僕ら(2トップ)も動きやすいんです。プレミアでもクラブユースでも、負けから学べたのが大きかったのかなと思います。みんなそれぞれが問題意識を持っていたし、僕自身もどう動けばチャンスになるのかを考え、答を見つけていった感じです。気づいたら得点王になってましたね(笑)」
終盤戦にさしかかったプレミアリーグEASTで、一大旋風を巻き起こしているのが大宮アルディージャユースだ。第11節の柏レイソルU-18戦で4-2の快勝を収め、3連勝。後期がスタートしてから6戦負けなし(4勝2分け)で、この日、横浜F・マリノスユースに苦杯を舐めた首位・青森山田との勝点差を3に縮めた。残りは3試合。頂上はもう手が届くところにある。
「本当になにをやっていいのか分からなかった。前期はみんなバラバラでしたね」
そう振り返るのは、主将のボランチ、山田陸(3年)だ。昨年までは4-3-3が基本システムで、重厚なポゼッションと前線からの激しいプレスを軸とした、いわゆるバルサ型のアクションサッカーを標榜。プレミアEASTで堂々3位に食い込んだが、今季はスタイルががらりと変わった。トップチームとの連動性を重視し、同じ戦術とシステム(4-4-2)の導入を図ったのだ。
攻守のバランスを意識しながら臨機応変に守備ブロックを形成し、中盤の構成力と2トップの打開力を最大限に活かしてゴールを狙う。取り組んだのはこんなサッカーへの転換だ。当然、急激な変化に選手たちは戸惑いを隠せず、チームはドタバタのまま開幕3連敗を喫してしまう。実力伯仲の最高峰リーグで、出足の躓きは致命傷になる。まさにどん底からの再出発だ。
そんななかでも、今春から指揮を執る大塚真司監督は冷静に対応し、いっさいブレなかった。
「試合を重ねるごとに守備に粘りが出てきて、形になっていきましたね。当然高校生ですから、メンタルの浮き沈みがある。そこをうまくコントロールして自信を持たせて、試合に送り出しました。夏を過ぎたくらいでしょうか。トレーニングの姿勢や雰囲気がグッと良くなって、それがゲーム内容にも反映されるようになりました」
土曜日の柏戦。驚かされたのは、攻守両局面でのオートマティズムだ。左右対称の綺麗な4-4-2をピッチ上で具現化し、チーム全体がつねにコンパクトな陣形を保ちながら、破壊力抜群の柏アタッカー陣を巧妙に罠に誘い込む。バイタルエリア手前、あるいはタッチライン際で確実に潰してボールを奪うと、山田と長谷川元希(3年)の2ボランチがしっかりとボールを収め、彼らのスイッチの切り替えから、チームはひとつの生き物のように連動していく。速攻も遅攻も自由自在だ。この日は高質なカウンターとチェンジ・オブ・ペースをツボにはめて柏DF陣を翻弄し、68分までに4点のリードを奪った。
快進撃を牽引するのが、8月の日本クラブユース選手権で得点王に輝いたFW、小柏剛(3年)だ。後期の開始とともにゴール量産態勢に入り、柏戦でも2ゴールを挙げて6戦連発。これで通算9ゴールとなり、単独得点王に躍り出た。前線でコンビを組む後輩・奥抜侃志(2年)は、「小学校からずっと組んでるからなんでも分かる」(小柏)という間柄。兎にも角にも、この2トップが強力だ。ドリブル自慢の奥抜が守備陣形を切り崩してマークを分断し、エネルギッシュに広範囲を動き回る小柏が豪快に裏のスペースを突いて、確度の高いフィニッシュで仕留める。
押しも押されもしないエースの小柏は、謙遜しながらこう話してくれた。
「カンジ(奥抜)とはいい引き出し合いができてますし、ディフェンスが本当に上手くはまっていて、いい形でボールを獲れるから、僕ら(2トップ)も動きやすいんです。プレミアでもクラブユースでも、負けから学べたのが大きかったのかなと思います。みんなそれぞれが問題意識を持っていたし、僕自身もどう動けばチャンスになるのかを考え、答を見つけていった感じです。気づいたら得点王になってましたね(笑)」