思うようなマネジメントはできていない
「サッカーは選手ありき」
レアル・マドリーのシャビ・アロンソ監督は、それを思い知らされているのではないだろうか。
マドリーでは、監督として思うようなマネジメントはできていない。怒涛の如く勝利を挙げたかと思うと、あっさりと失点を繰り返して敗れる。有力選手は多くいるのだが、“個人”が強すぎることで、一つにすることが難しいのだろう。
たとえば、キリアン・エムバペの一発で勝ってしまえるし、ティボー・クルトワの神がかったセービングで敗北から救われる。しかし、それでは再現性が乏しく、波が激しく、確固たる戦術を敷くべきなのだが...。
アロンソ監督は、「世界最高」と言える陣容を持て余しているように映るが、その慧眼やマネジメント力が変わったわけではない。
現役時代からアロンソは、誰がどんな状況で、どんなキャラクターを持ち、コンディションや心理状態かを把握し、中盤に君臨していた。千里眼を使い、周りを掌握し、力を引き出した。あらゆる監督とチームメイトから絶大な信頼があった。
「将軍」
そう称せられるほどの存在感だった。
レアル・マドリーのシャビ・アロンソ監督は、それを思い知らされているのではないだろうか。
マドリーでは、監督として思うようなマネジメントはできていない。怒涛の如く勝利を挙げたかと思うと、あっさりと失点を繰り返して敗れる。有力選手は多くいるのだが、“個人”が強すぎることで、一つにすることが難しいのだろう。
たとえば、キリアン・エムバペの一発で勝ってしまえるし、ティボー・クルトワの神がかったセービングで敗北から救われる。しかし、それでは再現性が乏しく、波が激しく、確固たる戦術を敷くべきなのだが...。
アロンソ監督は、「世界最高」と言える陣容を持て余しているように映るが、その慧眼やマネジメント力が変わったわけではない。
現役時代からアロンソは、誰がどんな状況で、どんなキャラクターを持ち、コンディションや心理状態かを把握し、中盤に君臨していた。千里眼を使い、周りを掌握し、力を引き出した。あらゆる監督とチームメイトから絶大な信頼があった。
「将軍」
そう称せられるほどの存在感だった。
指導者に転向してからも、それは変わっていない。レアル・マドリーのU-14を率い、全勝優勝を記録。そのリーダーシップはカリスマ的で、世代を超えて通じた。次のシーズン、プロ選手としてデビューしたレアル・ソシエダのセカンドチームを率いると、いきなり2部昇格プレーオフに勝ち進んでいる。当時、今や世界最高の司令塔の一人であるスペイン代表MFマルティン・スビメンディ(アーセナル)に薫陶を与えた。
「選手を成長させる」
それがタイトル以外に、監督に与えられる勲章だが、アロンソ監督は二つを同時に示した。
レバークーゼンではすぐに選手の能力やキャラクターを見抜き、降格危機から救った。そして2年目で無敗のブンデスリーガ優勝を達成した。フロリアン・ヴィルツ、ジェレミー・フリンポン(リバプール)、ヨナタン・ター(バイエルン・ミュンヘン)などを筆頭に多くの選手がビッグクラブに移籍している。選手の力を引き出せたが、それは選手時代からやっていたことに近い。
では、なぜマドリーで苦しんでいるのか。
それは、ひとえにプレーメイカーの不在があるだろう。レバークーゼンでジャカがいたように、中盤でテンポを作り、起点となる選手がいない。スビメンディ獲得に失敗したことは影を落としている。アロンソ自身のようなMFがいれば、ビルドアップでノッキングするようなこともないし、守りに回ったときもポジションを取れるし、一気のカウンターも生み出せたはずだが...。
アロンソ監督が、アロンソのような選手をカードに持つことができていないことは、なんとも皮肉である。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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それは、ひとえにプレーメイカーの不在があるだろう。レバークーゼンでジャカがいたように、中盤でテンポを作り、起点となる選手がいない。スビメンディ獲得に失敗したことは影を落としている。アロンソ自身のようなMFがいれば、ビルドアップでノッキングするようなこともないし、守りに回ったときもポジションを取れるし、一気のカウンターも生み出せたはずだが...。
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