選手たちが示した可能性は無限大
[U-17W杯]日本 0-1 オーストリア/11月21日/Aspire Zone-Pitch3
勝利すれば初の4強入り。カタールで開催中のU-17ワールドカップで、若き日本代表は準々決勝でオーストリアと対戦した。
結果は0-1の惜敗。圧巻のパフォーマンスを見せていたCB元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島ユース)が体調不良で欠場となったなかで、廣山望監督が率いるチームは欧州の実力国と互角に渡り合った。
相手はフィールドプレーヤーの半数が180センチ以上で、いずれもパワーとスピードを併せ持つ。大柄な選手が一斉にゴールに向かってくる迫力や、強靭なフィジカルを活かした守備は脅威だった。
それでも日本は一歩も引かず、真っ向勝負で応戦。組織的な守りで対抗し、攻撃では複数人でボールを動かしながら局面を打開して、多くの決定機を作った。だが、チャンスをモノにできない。後半開始早々にショートコーナーからミドルシュートを叩き込まれ、この失点が最後まで重くのしかかった。
試合終了の笛が鳴ると、選手たちはグラウンドに崩れ落ちた。悔しさは痛いほど伝わってくる。ただ、大会を通じて選手たちが示した可能性は無限大。胸を張れる戦いぶりだった。
勝利すれば初の4強入り。カタールで開催中のU-17ワールドカップで、若き日本代表は準々決勝でオーストリアと対戦した。
結果は0-1の惜敗。圧巻のパフォーマンスを見せていたCB元砂晏翔仁ウデンバ(鹿島ユース)が体調不良で欠場となったなかで、廣山望監督が率いるチームは欧州の実力国と互角に渡り合った。
相手はフィールドプレーヤーの半数が180センチ以上で、いずれもパワーとスピードを併せ持つ。大柄な選手が一斉にゴールに向かってくる迫力や、強靭なフィジカルを活かした守備は脅威だった。
それでも日本は一歩も引かず、真っ向勝負で応戦。組織的な守りで対抗し、攻撃では複数人でボールを動かしながら局面を打開して、多くの決定機を作った。だが、チャンスをモノにできない。後半開始早々にショートコーナーからミドルシュートを叩き込まれ、この失点が最後まで重くのしかかった。
試合終了の笛が鳴ると、選手たちはグラウンドに崩れ落ちた。悔しさは痛いほど伝わってくる。ただ、大会を通じて選手たちが示した可能性は無限大。胸を張れる戦いぶりだった。
GKの村松秀司(ロサンゼルスFC)はリーダーシップを発揮し、抜群のセーブで何度もチームを救った。U-17アジアカップ(U-17W杯のアジア最終予選)ではサブ組だった元砂は恵まれた身体能力で違いを見せ、同じく控えだったCBメンディーサイモン友(流経大柏)も速さと強さを武器に、ニューカレドニアとのグループステージ第2戦(0-0)から先発に定着した。
ボランチでは、一学年下で翌年の次回大会にも参加できるMF和田武士(浦和ユース)が躍動。アジア予選を経験せずに臨んだ大舞台でも臆さず、プレースピードにも順応して攻守の繋ぎ役を担った。前線ではFW浅田大翔(横浜FM)とFW吉田湊海(鹿島ユース)をローテーションしつつ、186センチの大型FWマギージェラニー蓮(琉球U-18)やMF平島大悟(鹿島ユース)が活躍した。
一人の選手に依存しないチームで、誰が試合に出てもクオリティが落ちなかった。短期決戦を戦う際の選手層は長らく育成年代で課題とされていたが、大きな前進があったと言えるだろう。
そうした進化の理由は、真剣勝負の場で選手たちが自信をつけたからに他ならない。その奮戦に指揮官も目を細める。
「日本全体の育成の環境や指導者の方々の努力、選手の意識の変化。オーストリア戦も先発が5人変わりましたけど、ローテーションというのではなく、本当に競争があるなかで十分に誰が出てもやれるところにかなり近づいた」
もちろん、決定力不足の改善など、やるべきことはまだまだある。だが、U-17アジア杯で大苦戦したことを考えれば、チームとしても個人としても成長したのは間違いない。U-17W杯という本気で戦える場が選手を強く逞しくさせ、世界基準にアジャストできた結果だろう。
「本当に勝った人だけが生き残る(大会)。そのために何が必要かというのに向き合えたのは、本当に素晴らしかった」(廣山監督)
カタールの地で紡いだ約1か月の物語。選手たちにとって過ごした濃密な時間は財産になるはずだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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一人の選手に依存しないチームで、誰が試合に出てもクオリティが落ちなかった。短期決戦を戦う際の選手層は長らく育成年代で課題とされていたが、大きな前進があったと言えるだろう。
そうした進化の理由は、真剣勝負の場で選手たちが自信をつけたからに他ならない。その奮戦に指揮官も目を細める。
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