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北朝鮮の鬼気迫る煽り、強すぎるグータッチ、PK戦でも圧。U-17日本、激闘の舞台裏。“16強の壁”を乗り越え、新たなステージへ【現地発】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2025年11月19日

準々決勝の相手はオーストリア

球際で激しいバトル。まさに死闘だった北朝鮮戦を制した日本が8強に名乗り。写真:佐藤博之

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[U-17W杯]日本 1(5PK4)1 北朝鮮/11月18日/Aspire Zone-Pitch4

 勝利への執着心は凄まじい。一気に矢印を向けてゴールに突き進んでくる迫力は圧倒的。球際のインテンシティは、今までに戦ったどのチームよりも強かった。身体のぶつけ合いでは分が悪く、アフター気味にタックルが入ってくるケースも少なくない。それでも、選手たちは逞しく戦い抜いた。

 現地11月18日に行なわれたU-17ワールドカップのラウンド16。同じアジアの北朝鮮と対戦した日本は、開始6分にFWマギージェラニー蓮(琉球U-18)の大会初得点でリードを奪ったが、以降は北朝鮮の術中にハマった。

 タフな守りと縦に早い攻撃に苦戦。相手の土俵に引きずり込まれ、肉弾戦を余儀なくされた。31分に与えたPKはGK村松秀司(ロサンゼルスFC)の好セーブで事なきを得たが、67分に失点。1-1で迎えたPK戦を5-4で制し、2011年大会以来となるベスト8入りを決めたが、歓喜の瞬間を迎えるまでには壮絶な戦いがあった。

 ミックスゾーンでの囲み取材が終わった後、ポツリと廣山望監督が口にした。

「選手はやっぱり怖がっていたみたい」

 試合前から戦いが始まっており、選手たちは雰囲気に飲み込まれたかもしれない。ロッカーアウト後に日本の選手たちが気合いを入れる声を出すと、後ろから姿を見せた北朝鮮の選手たちが鬼気迫る表情で煽ってきたという。

「自分たちでしゃべって盛り上がっていたら、相手が急に叫んできた。俺たちのところに来て、なんか喧嘩が始まりそうな感じで」(マギージェラニー)
 
 さらに、ピッチ上での整列後にグータッチで挨拶を交わす際も、力強く拳を当ててくる選手がいるなど、普段の試合ではあまりない事態に。キックオフの笛が鳴っても相手のスタンスは変わらず、激しいプレーで日本に向かってきた。

「本当に嫌な相手でした。球際の部分や1個引いてしまう場面でも、そこを目がけてスライディングでもどんな形でもボールをつついてくる。そこでビビってしまうと、今日みたいなゲームになってしまう」

 MF和田武士(浦和ユース)の言葉からも、普段とは異なる心理状態に陥っていたことが透けて見える。

 後半に入っても戦況を変えられず、“らしくない”ボールロストが散見。動揺が失点やキックミスに直結してもおかしくなかった。PK戦でもプレッシャーをかけられた。

 そうした厳しい状況にも屈さず、勝ち切ったのは称賛に値する。経験値は高まったはずだ。A代表を見据えても、国際舞台では様々なことが起こりえる。人から聞いて知るのと、実際に味わったうえで理解するのでは意味合いがまるで異なる。

「どの試合でも自分たちが100%、コントロールできるわけじゃない」とは村松の言葉。北朝鮮は間違いなく強かった。本当に苦しい試合で、想定外の事象がいくつも起きた。それを乗り越えて掴んだ世界8強。「負けずに結果を出したことは本当に自信にしてほしい」と指揮官が口にしたように、北朝鮮戦で得たものはかけがえのない財産だ。

“16強の壁”を破り、新たなステージに足を踏み入れた選手たちの冒険はまだ終わらない。21日に行なわれる準々決勝の相手はオーストリア。ここで勝てば、U-17ワールドカップでは初の4強入りとなる。一戦ごとに成長している若き日本代表の戦いから今後も目が離せない。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

【動画】グータッチが強すぎる...日本vs.北朝鮮ハイライト

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