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プレミアで堂々5位。ボーンマス、なぜ強い? 戦術的成熟、移籍市場での慧眼、個の成長。3つの要素が見事に融合【現地発】

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2025年11月06日

奪われた瞬間からボール奪取に走る

10節を終えて勝点18の5位。予想外の躍進を遂げているボーンマス。(C)Getty Images

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 イングランド南部の海沿いの街、ボーンマス。長らく「堅実な中堅クラブ」「残留争いの常連」との印象が強かったこのクラブが、今季プレミアリーグで予想外の躍進を遂げている。

 シーズンの約4分の1が経過した10節終了時点で、成績は5勝3分け2敗。勝点18を積み上げ、順位は堂々の5位だ。先週末のマンチェスター・シティ戦で敗れる前までは、なんと2位につけるほどの快進撃を見せていた。

 では、なぜこの小さなクラブが世界最高峰プレミアリーグの上位争いに食い込んでいるのか。その理由は1つではない。ピッチ上の戦術的成熟、移籍市場での慧眼、そしてチームを象徴する個の成長――この3つの要素が見事に融合している。

 まず鍵となるのは、アンドニ・イラオラ監督の存在である。スペイン出身の指揮官は、ラージョ・バジェカーノ時代から一貫して「攻守の切り替え」と「ハイプレス」を軸にしたサッカーを志向してきた。ボーンマスでもその哲学は徹底され、就任3年目を迎えた今季は、チーム全体のプレッシング強度と統一感がかつてないほど高まっている。

 ピッチ上では、ボールを失った瞬間に前線の選手が一斉に守備のスイッチを入れる。奪われた瞬間からボール奪取に走り、マイボールにすれば、縦に素早く仕掛ける――それがボーンマスの生命線だ。
 
 ボールを取り戻すスピード、そして奪ってからフィニッシュまでの切り替えは、上位勢にもまったく引けを取らない。スポーツサイトの『ジ・アスレティック』が「超攻撃的な守備」と形容しているように、ハードワークと一体感が生むアグレッシブなサッカーで勝点を重ねているのだ。実際、ジョゼップ・グアルディオラ監督はこう証言している。

「最新のモダン・フットボールとは、ボーンマスやニューカッスル、ブライトン、リバプールのようなサッカーのことだ。現代のサッカーは“ポジショナル”ではない。リズムに乗らなければならないんだ」

 この戦術的成熟を下支えしているのが、クラブ経営陣の的確な補強戦略である。

 今季開幕前の下馬評は決して高くなかった。理由は明白で、主力選手の大量流出にあった。

 夏の移籍市場でCBディーン・ハイセン(→レアル・マドリー)、CBイリヤ・ザバルニー(→パリ・サンジェルマン)、左SBミロシュ・ケルケズ(→リバプール)と、最終ラインの主力を3人も失った。さらに、昨季のレギュラーGKとして君臨したケパ・アリサバラガ(→アーセナル)も退団。守備陣の中核5人のうち4人を手放す事態となり、多くの専門家が「苦戦は避けられない」と予想していた。夏の選手売却額は2億ポンドを超えていたのだ。

 しかし、蓋を開けてみればチームは失速どころか、むしろ上昇した。英紙『デーリー・テレグラフ』は「欧州サッカー界の食物連鎖の中で生き残る術を知っている」と評し、クラブの戦略を高く評価している。
 
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