「ボールがこぼれてくる、転がってくる」10戦11発の日本代表エースが磨き上げる“オートマティカルな感覚”。「準備ができていて噛み合ってます」【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2025年10月29日
「ゴールに関われるポジションを意識しながら、ちょっとずつポジションを変えてます」
オランダリーグは10節を終了し、上田綺世(フェイエノールト)は11ゴールと快調に得点を重ねている。かつてロナルド・クーマンは「牛をも殺すFK」と言われたほどの強烈なキックを蹴ったが、上田のシュートも速くて重い。10月23日のパナシナイコス戦(3-1の勝利)では、上田のシュートをセーブしたGKが痛みでしばらく立ち上がれず、26日のPSV戦(2-3の敗戦)では正面のシュートをGKが手で触れず、胸で弾き返した。
コンディションは良さそうだ。開幕した頃は相手CBを背負い、自分のポジションにステイしていた上田はいま、常に足を動かし続け、ゴール方面に矢印を向けた姿勢を取り続けている。最近、頻繁に見られる中盤に降りる動きも、ゴールへ向けて走る伏線のよう。ゴールからいったん遠ざかった反動を利用して、クロスに対して迫力溢れる飛び込みを見せている。
PSV戦後、上田はポジショニングの工夫を語った。
「ゴールに関われるポジションを意識しながら、ちょっとずつポジションを変えてます。ゴール前のポジションだけでなく、ゴールから離れたところでもそう。少し外にポジションを取って、ど真ん中の位置に居すぎないようにするとか。クロスの入り方も、いろいろ調整しながら、自分で(タイミングや入り方を)探して見つけて、それが噛み合ったり、噛み合わなかったりの連続ですが、少しずつシュートを打つ本数やチャンスメイクに現れている。今日はあと一歩のところまでは行けていた。決めたかったですね」
コンディションは良さそうだ。開幕した頃は相手CBを背負い、自分のポジションにステイしていた上田はいま、常に足を動かし続け、ゴール方面に矢印を向けた姿勢を取り続けている。最近、頻繁に見られる中盤に降りる動きも、ゴールへ向けて走る伏線のよう。ゴールからいったん遠ざかった反動を利用して、クロスに対して迫力溢れる飛び込みを見せている。
PSV戦後、上田はポジショニングの工夫を語った。
「ゴールに関われるポジションを意識しながら、ちょっとずつポジションを変えてます。ゴール前のポジションだけでなく、ゴールから離れたところでもそう。少し外にポジションを取って、ど真ん中の位置に居すぎないようにするとか。クロスの入り方も、いろいろ調整しながら、自分で(タイミングや入り方を)探して見つけて、それが噛み合ったり、噛み合わなかったりの連続ですが、少しずつシュートを打つ本数やチャンスメイクに現れている。今日はあと一歩のところまでは行けていた。決めたかったですね」
蘇ったのは上田十八番の、DF背後を突く走り込みだ。
2023年夏、セルクル・ブルージュ(ベルギー)からフェイエノールトに移籍した上田は、ボールを支配するチームということもあり、相手DFを背負ってプレーするポストプレーを、高いレベルで要求された。しかし、上田本来の武器は“敵DFの背後を突く動き出し”である。当時、私は彼とインタビューでこういう話をした。
――セルクル・ブルージュでも取り組んできた、ボールのないところでのプレー(=動き出し)。そこへパスを出してもらう作業をフェイエノールトでも取り組んでいくのか?
「仮にそれが求められるサッカーでなくても、動き出しが自分のスタイルなので、浸透させていく作業は絶対にどこに行ってもしないといけないと思います」
――「これでいいのかな?」と気持ちがブレることはありませんか?
「ブレる? 記者も自分のポリシーを持って仕事をしてますよね」
――はい。でも、今の時代、「自分のやり方でいいのかな?」と悩むことはあります。
「“今どきの記者”のスタイルに変えたところで、自分の戦う土俵ではなくなるじゃないですか。味方からボールが来ないから動き出しを止めたら、自分で一個、武器を捨てることになる。自分の得意なことを常にやり続けるだけ。それが選手の価値だと思う。どこに行っても、そうすることが、僕が活躍する方法です。それしかない」
2023年夏、セルクル・ブルージュ(ベルギー)からフェイエノールトに移籍した上田は、ボールを支配するチームということもあり、相手DFを背負ってプレーするポストプレーを、高いレベルで要求された。しかし、上田本来の武器は“敵DFの背後を突く動き出し”である。当時、私は彼とインタビューでこういう話をした。
――セルクル・ブルージュでも取り組んできた、ボールのないところでのプレー(=動き出し)。そこへパスを出してもらう作業をフェイエノールトでも取り組んでいくのか?
「仮にそれが求められるサッカーでなくても、動き出しが自分のスタイルなので、浸透させていく作業は絶対にどこに行ってもしないといけないと思います」
――「これでいいのかな?」と気持ちがブレることはありませんか?
「ブレる? 記者も自分のポリシーを持って仕事をしてますよね」
――はい。でも、今の時代、「自分のやり方でいいのかな?」と悩むことはあります。
「“今どきの記者”のスタイルに変えたところで、自分の戦う土俵ではなくなるじゃないですか。味方からボールが来ないから動き出しを止めたら、自分で一個、武器を捨てることになる。自分の得意なことを常にやり続けるだけ。それが選手の価値だと思う。どこに行っても、そうすることが、僕が活躍する方法です。それしかない」



















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