“奇策”にも思えたが、監督には明確な意図があった
J2は最終盤に突入し、昇格争いも佳境を迎えるなかで、8位のジュビロ磐田は10月18日、ホームで4位の徳島ヴォルティスに0-4で敗れた。
2位以内に与えられる自動昇格は絶望的となり、昇格プレーオフ圏の6位・サガン鳥栖とも勝点5差に広がった。残り5試合で、何とか5位、6位に滑り込めるかという厳しい現実にあるが、チームの希望として期待される存在が倍井謙だ。
名古屋グランパスから期限付きで加入した気鋭のドリブラーは、ジョン・ハッチンソン前監督のもとで開幕から左サイドのレギュラーを張り続け、ここまで6得点・3アシスト。合計二桁にあと1つと迫る。だが、夏にジョルディ・クルークスが横浜F・マリノスへ移籍して以降、サイドの仕掛け人として期待を一身に背負うなかで、相手の対策にもあいやすく、なかなか活路を見出せていなかった。
昇格争いの大一番となった大宮戦(3-4/31節)の逆転負けを受けて、ハッチンソン監督が解任されると、それまでユースを指揮していた安間貴義監督が就任。テコ入れの一つとして、倍井の起用法に変化を加えた。
初采配となった甲府戦(1-0)ではベンチスタートで、後半から左サイドで投入。そして徳島戦では右サイドでの先発起用。慣れ親しんだ左ではなく、右でのプレーは一見“奇策”にも思えたが、監督には明確な意図があった。
2位以内に与えられる自動昇格は絶望的となり、昇格プレーオフ圏の6位・サガン鳥栖とも勝点5差に広がった。残り5試合で、何とか5位、6位に滑り込めるかという厳しい現実にあるが、チームの希望として期待される存在が倍井謙だ。
名古屋グランパスから期限付きで加入した気鋭のドリブラーは、ジョン・ハッチンソン前監督のもとで開幕から左サイドのレギュラーを張り続け、ここまで6得点・3アシスト。合計二桁にあと1つと迫る。だが、夏にジョルディ・クルークスが横浜F・マリノスへ移籍して以降、サイドの仕掛け人として期待を一身に背負うなかで、相手の対策にもあいやすく、なかなか活路を見出せていなかった。
昇格争いの大一番となった大宮戦(3-4/31節)の逆転負けを受けて、ハッチンソン監督が解任されると、それまでユースを指揮していた安間貴義監督が就任。テコ入れの一つとして、倍井の起用法に変化を加えた。
初采配となった甲府戦(1-0)ではベンチスタートで、後半から左サイドで投入。そして徳島戦では右サイドでの先発起用。慣れ親しんだ左ではなく、右でのプレーは一見“奇策”にも思えたが、監督には明確な意図があった。
「彼のドリブルが対策されている。だったら見せ方を変えればいい」
結果的に徳島戦で、倍井によるゴールもアシストもなく、素直に良さを発揮できていない状況に、もったいなさを感じる部分もある。それでも倍井自身、その起用を前向きに受け止めている。
「右は右で気づくことがすでに多いですし、左に戻る時に活かせるポイントもある。ボールを持った時の景色は似てるようで全然違うので、試行錯誤しながらやっていければと思っています」と倍井。徳島戦では、左のようにドリブルでゴールに向かうよりも、クロスを中心にチャンスメイクを意識した。
前半は右サイドからディフェンスの間を割るようなドリブルで、縦の仕掛けはもちろん、何度か可能性のあるシーンを作った。ただ、そこから周囲とうまく合わず、得点に結びつかないまま、チームは前半のうちに4失点を喫した。後半は安間監督も3枚替えなど勝負に出たが、ロングボール主体の展開となり、中盤でボールを動かす割合が減るなかで、倍井の持ち味を活かす場面は限られた。
「後半だけを見れば前半より良かったけど、そこで1点を取れるかどうか。そういうところで長いボールが増えた理由もあると思う。勝負を分けるのは、ああいう一瞬で仕留められる力だと思います」
そう振り返る倍井は、敗戦を受け入れるだけでなく、「右サイドということでクロスは求められていた部分。決定的なボールを上げられるよう意識しましたけど、相手に脅威を与えられなかった。中との呼吸を合わせる必要があるし、練習から合わせていく必要を感じました」と、自らの課題を冷静に分析していた。
結果的に徳島戦で、倍井によるゴールもアシストもなく、素直に良さを発揮できていない状況に、もったいなさを感じる部分もある。それでも倍井自身、その起用を前向きに受け止めている。
「右は右で気づくことがすでに多いですし、左に戻る時に活かせるポイントもある。ボールを持った時の景色は似てるようで全然違うので、試行錯誤しながらやっていければと思っています」と倍井。徳島戦では、左のようにドリブルでゴールに向かうよりも、クロスを中心にチャンスメイクを意識した。
前半は右サイドからディフェンスの間を割るようなドリブルで、縦の仕掛けはもちろん、何度か可能性のあるシーンを作った。ただ、そこから周囲とうまく合わず、得点に結びつかないまま、チームは前半のうちに4失点を喫した。後半は安間監督も3枚替えなど勝負に出たが、ロングボール主体の展開となり、中盤でボールを動かす割合が減るなかで、倍井の持ち味を活かす場面は限られた。
「後半だけを見れば前半より良かったけど、そこで1点を取れるかどうか。そういうところで長いボールが増えた理由もあると思う。勝負を分けるのは、ああいう一瞬で仕留められる力だと思います」
そう振り返る倍井は、敗戦を受け入れるだけでなく、「右サイドということでクロスは求められていた部分。決定的なボールを上げられるよう意識しましたけど、相手に脅威を与えられなかった。中との呼吸を合わせる必要があるし、練習から合わせていく必要を感じました」と、自らの課題を冷静に分析していた。