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金田喜稔がメキシコ戦を斬る!「優位だったけど勝たないと圧倒したとは言えない。三笘にはもっと仕掛けてほしかった」

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2025年09月08日

メキシコ相手にここまで優位性を持てたのは記憶にない

三笘には、ボールを持ったら常にチャレンジしてほしい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/現地特派)

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[国際親善試合]日本 0-0 メキシコ/9月7日/オークランド・コロシアム

 日本代表は国際親善試合でメキシコ代表と対戦し、0-0で引き分けた。

 個人的には、非常に感慨深いものがあった。1990年代からずっと、メキシコを日本が目ざすべきサッカーのモデルだと考えてきたからだ。

 選手のサイズ感、選手同士の距離感やパスワーク。そして、ワールドカップに毎回のように出場し、常に決勝トーナメントに勝ち進む安定した実力。ブラジルやアルゼンチン、ドイツ、フランスのように優勝を争うレベルまではいかなくても、確実にグループリーグを勝ち抜いてくる。日本がお手本とすべき国だと考えていた。

 2021年に行なわれた東京オリンピックの3位決定戦で、日本はメキシコに1-3で敗れた。この試合では、相手の前線からのプレスでボールを繋げなくなり、セカンドボールをことごとく拾われ、数的優位を作られた。当時のメンバーだった田中碧が試合後、大きな力の差を見せつけられたと悔しがっていたのが、印象的だった。

 今回はどうだったか。前半の20分までに前線から強いプレッシャーをかけ、その流れで久保や堂安がチャンスを作った。後半には、南野が決定機を迎えた。これらは、強化してきた全員の高い守備意識から生まれている。強度の高いプレッシャーをかけ続け、メキシコに本来の、ボールを繋ぐサッカーをさせなかったよね。
 
 1対1の局面で負けず、ルーズボールに対する反応の速さ、回収率の高さも際立っていた。ポゼッションでも互角以上。相手の長所を完全に潰し、試合を進められた。過去、メキシコ相手にここまで優位性を持って戦えた試合は記憶にない。これは紛れもなく、日本代表の大きな成長の証だろう。

 ただ結果は引き分けだ。内容が良くても、勝たなければ圧倒したとは言えない。チャンスはあったのだから、1点でも取れていれば、勝ち切れるゲームだったはずだ。ワールドカップでベスト8以上を目ざすのであれば、こういう試合をモノにする決定力が不可欠になる。

 今の日本の強みは、世界が羨むほどの両ワイドの選手層にあると思う。三笘、中村、伊東、堂安。これだけのタレントが揃っている。ただ3-4-2-1のシステムでは、ウイングバックの彼らが守備に戻る距離が長くなり、攻撃の鋭さが削がれてしまう場面もあった。

 特に三笘に言いたいのは、もっと個で仕掛けてほしいということだ。パスを選択する場面でも、縦にえぐってクロスまで持ち込む。ボールを持ったら常にチャレンジする。所属クラブのブライトンで見せているようなプレーを、代表でもっと出してほしい。

「1対1で負けない」のではなく、「1対1で勝つ」。彼が相手の守備を切り裂くことで、相手は常に2人がかりでケアせざるを得なくなる。そうなれば、周りの選手がフリーになり、チーム全体が有利になる。個の脅威が、チームの戦術的な優位性を生む。
 
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