新体制のトッテナムはバランス重視のサッカーを展開。0-1で敗れたボーンマス戦で最も盛り上がったのは――“ベールに包まれた”日本人はいつデビューできるのか【現地発】
カテゴリ:海外日本人
2025年09月04日
試合後、サポーターから強烈なブーイング
プレミアリーグ第3節のトッテナム対ボーンマス戦を取材した。
主たる目的は、今夏の移籍期間で加入した日本代表DF高井幸大だった。だがチーム合流直後の7月中旬に足底腱膜を負傷したサムライ戦士は、この日もベンチ外。すべてのプレシーズンマッチに加え、開幕2試合を欠場し、プレミアリーグ第3節でも復帰できなかった。クラブ広報によると、8月下旬にトレーニングに復帰したが、まだ調整段階にあるという。
日本では高井について「すでに完成度が高いうえ、特大のポテンシャルを有している」と評価されるが、イングランドで彼のプレーを見た識者や記者はほとんどおらず、トッテナム番記者の間でもベールに包まれた存在だ。
なおクラブ公式チャンネルでは、ブラジル代表FWリシャルリソンと、クラブハウスでデザートを笑顔で楽しむ高井の姿が映し出されていた。クラブ広報によれば、高井は「まだ言語を習得中」とのことだが、チームには馴染んでいるという。本人は変に気負うことなくトレーニングに励んでいるようで、一刻も早い実戦復帰が待たれる。
今回の取材でもうひとつ確認したかったのが、トーマス・フランク監督が新たに就任したトッテナムのパフォーマンスだった。果たしてどんなサッカーを見せるのか。
トッテナムは第2節でマンチェスター・シティを2-0で下し、開幕2連勝を飾った。好スタートを切っただけに、ホームで迎えるボーンマスとの一戦には小さくない期待を抱かせたが、大苦戦を強いられた。
主たる目的は、今夏の移籍期間で加入した日本代表DF高井幸大だった。だがチーム合流直後の7月中旬に足底腱膜を負傷したサムライ戦士は、この日もベンチ外。すべてのプレシーズンマッチに加え、開幕2試合を欠場し、プレミアリーグ第3節でも復帰できなかった。クラブ広報によると、8月下旬にトレーニングに復帰したが、まだ調整段階にあるという。
日本では高井について「すでに完成度が高いうえ、特大のポテンシャルを有している」と評価されるが、イングランドで彼のプレーを見た識者や記者はほとんどおらず、トッテナム番記者の間でもベールに包まれた存在だ。
なおクラブ公式チャンネルでは、ブラジル代表FWリシャルリソンと、クラブハウスでデザートを笑顔で楽しむ高井の姿が映し出されていた。クラブ広報によれば、高井は「まだ言語を習得中」とのことだが、チームには馴染んでいるという。本人は変に気負うことなくトレーニングに励んでいるようで、一刻も早い実戦復帰が待たれる。
今回の取材でもうひとつ確認したかったのが、トーマス・フランク監督が新たに就任したトッテナムのパフォーマンスだった。果たしてどんなサッカーを見せるのか。
トッテナムは第2節でマンチェスター・シティを2-0で下し、開幕2連勝を飾った。好スタートを切っただけに、ホームで迎えるボーンマスとの一戦には小さくない期待を抱かせたが、大苦戦を強いられた。
試合序盤からまず目を奪われたのは、ボーンマスの積極的なプレスと効率的な攻め。高い位置でボールを奪い、素早く攻撃に転じる「縦に速い」サッカーでトッテナムを苦しめた。
最終ラインも、今夏の移籍市場でCBディーン・ハイセン(→レアル・マドリー)、CBイリヤ・ザルバーニ(→パリSG)、左SBミロシュ・ケルケズ(→リバプール)と主力選手を一気に失ったものの、新戦力のCBバフォデ・ディアキテ(←リール)を中心に安定していた。今季のボーンマスは、注目クラブになるかもしれない。
一方のトッテナムは開始早々の5分に失点。その後もチャンスを作れず、最初のシュートはなんと55分まで待たなければならなかった。試合は、このまま0-1で終了。試合後、トッテナムサポーターから強烈なブーイングが沸き起こったのも当然だった。
ではアンジェ・ポステコグルー前体制から、プレー方法に変化はあったのか。
守備組織の構築に定評のあるフランク監督らしく、隙のないサッカーを展開した。ポステコグルー時代は、両SBが偽SBとして中盤の中央まで進入し、さらに最前線まで駆け上がるという「超攻撃的なサッカー」を披露した。しかし前傾姿勢が強すぎるあまり成績が安定せず、昨シーズンは17位という不本意な成績で終わった。
しかしフランク新体制は、バランス重視のサッカーを展開。ディフェンスラインは、この試合ではクラシックな4バックだった。両SBは攻撃時のみタッチライン際を駆け上がり、守備になると素早く最終ラインに戻る。守備ブロックをしっかり構築してから攻撃に繰り出すという「手堅いサッカー」を見せていた。しかし攻撃がうまく噛み合わず、「枠内シュート1本」という寂しい結果に終わった(なおボーンマスは枠内シュート6本)。――
試合が最も盛り上がったのは、試合前に行なわれた新加入のシャビ・シモンズのお披露目式だった。ライプツィヒから加わったオランダ代表MFがピッチに登場すると、場内から期待の拍手が沸き起こった。今回のボーンマス戦でトッテナムに必要とされたのは、シモンズの持ち味であるクリエイティビティ。その意味でも、ボーンマス戦は皮肉な結果に終わった。
最終ラインも、今夏の移籍市場でCBディーン・ハイセン(→レアル・マドリー)、CBイリヤ・ザルバーニ(→パリSG)、左SBミロシュ・ケルケズ(→リバプール)と主力選手を一気に失ったものの、新戦力のCBバフォデ・ディアキテ(←リール)を中心に安定していた。今季のボーンマスは、注目クラブになるかもしれない。
一方のトッテナムは開始早々の5分に失点。その後もチャンスを作れず、最初のシュートはなんと55分まで待たなければならなかった。試合は、このまま0-1で終了。試合後、トッテナムサポーターから強烈なブーイングが沸き起こったのも当然だった。
ではアンジェ・ポステコグルー前体制から、プレー方法に変化はあったのか。
守備組織の構築に定評のあるフランク監督らしく、隙のないサッカーを展開した。ポステコグルー時代は、両SBが偽SBとして中盤の中央まで進入し、さらに最前線まで駆け上がるという「超攻撃的なサッカー」を披露した。しかし前傾姿勢が強すぎるあまり成績が安定せず、昨シーズンは17位という不本意な成績で終わった。
しかしフランク新体制は、バランス重視のサッカーを展開。ディフェンスラインは、この試合ではクラシックな4バックだった。両SBは攻撃時のみタッチライン際を駆け上がり、守備になると素早く最終ラインに戻る。守備ブロックをしっかり構築してから攻撃に繰り出すという「手堅いサッカー」を見せていた。しかし攻撃がうまく噛み合わず、「枠内シュート1本」という寂しい結果に終わった(なおボーンマスは枠内シュート6本)。――
試合が最も盛り上がったのは、試合前に行なわれた新加入のシャビ・シモンズのお披露目式だった。ライプツィヒから加わったオランダ代表MFがピッチに登場すると、場内から期待の拍手が沸き起こった。今回のボーンマス戦でトッテナムに必要とされたのは、シモンズの持ち味であるクリエイティビティ。その意味でも、ボーンマス戦は皮肉な結果に終わった。