８月１日、広島に新加入するキム・ジュソンの会見がエディオンピースウイング広島で行なわれた。

　先月の東アジアE-１選手権で韓国代表に名を連ねたDFを獲得できた。その喜びがとても大きなものであることは、会見に同席した栗原圭介強化部長の言葉に表われていた。

「今日、こうして正式にキム・ジュソン選手の獲得を皆さんにお伝えすることができ、本当に嬉しく思います」

　栗原強化部長は安堵の表情を浮かべた後、なぜキム・ジュソンが広島に必要だったかを力説した。

「これから４つの大会があって数多くの試合があるなかで、センターバックはずっと前から補強が必要だと思っておりました。ただ、皆さん、ご存知の通り広島のディフェンスラインはJリーグでもトップクラスで、彼らにチャレンジする、勝負するっていう思いを持ち、彼らと同じようなレベルでプレーできる選手はそんなに多くない。キム・ジュソンはその力があるということで、今回オファーをさせていただきました。

　彼の特長は空中戦の強さと、左足で長短のパスを使い分けて攻撃を組み立てられるところ。あと、守備でも鋭い読みも含めて守備範囲がとても広いところ。広島は大きなスペースを１人で守らなきゃいけないことが多くありますんで、彼はそれをしっかりできるので獲得しました。あと、４バック、３バックの両方をしっかり柔軟に対応できる戦術理解度の高さも含めて、間違いなく広島を戦力アップしてくれる存在です。本当に無事に決まって嬉しく思います」
 

　４年目を迎えているスキッベ体制をずっと支えている３選手が、素晴らしいDFであることはもう説明不要だろう。塩谷司、佐々木翔、荒木隼人は今季もハイレベルなパフォーマンスを見せており、昨季から中野就斗もディフェンスラインを務められることを示してきたなかで、彼らと肩を並べられるポテンシャルを秘めたCBを獲得できた。

　それもJクラブだけでなく欧州のクラブとの争奪戦も制して獲得できたのだから、本当に素晴らしい補強になったことは間違いない。

　まだ24歳のキム・ジュソンの経歴も期待を抱かせるに十分だ。18歳でKリーグデビューを果たし、2019年にはU-20ワールドカップに臨んでU-20韓国代表の準優勝に貢献した。そして、22年９月にA代表に初めて選出され、23年シーズンからはFCソウルのレギュラーを務めて、昨年はW杯アジア予選を戦う韓国代表のメンバーにも度々名を連ねている。

　これから大きく飛躍が期待されるなか、キム・ジュソンは初めて海外移籍するクラブに広島を選んだ理由を「まず広島さんからのオファーがあった時、実際に会いに来てくださった。それで本気度が伝わって広島に良い印象を持ちました。広島というチームから本当に学ぶことも多いと思いますし、良いステップアップをするための良い機会になると思っています」と語った。