表情は凛々しく、コメントも思慮深く、爽快だった
[総体3回戦]神村学園 2-0 岡山学芸館/7月29日/JヴィレッジP7・8
顔つきが変わった。試合中の集中力、気力、そして佇まいも変わった。それが岡山学芸館のMF万代大和を半年ぶりに見た印象だ。
ずば抜けたスピードとテクニックを誇るレフティドリブラーは、真夏の福島で輝きを放った。
インターハイ1回戦の聖和学園戦(2-1)。膠着状態だった試合を動かしたのは万代のドリブルだった。負傷明けのためベンチスタートとなったこの試合で、26分に早くも出番が訪れると、入りからギア全開のドリブルを披露。複数枚のマークにつかれるなかで、強気のドリブルを仕掛け、後半9分にはMF青川凌大とのワンツーから抜け出して先制弾をマークした。
2回戦の都市大塩尻戦(3-0)でスタメン復帰すると、1-0で迎えた後半15分に中央を切り裂いて強烈なシュート。これはGKにセーブされるが、こぼれたボールをMF堀口友聖が詰めて、試合を決定づける追加点を奪った。
そして3回戦の相手は、プレミアリーグWESTに所属する神村学園。これまでと変わらず、万代がボールを持つと複数枚のマークが素早くつくが、それをこじ開けるようなドリブルを仕掛けた。
だが、チーム全体の試合運びでは神村学園が上手だった。プロ注目の福島和毅と佐々木悠太のダブルボランチを軸にしたテンポの良いパス回しと、インサイドハーフの徳村楓大と日髙元の突破力を駆使して試合の主導権を握る。万代は守備に回る機会が多くなった。
30分に徳村にPKを決められると、アディショナルタイムには佐々木に追加点を許し、岡山学芸館は前半だけで2点のビハインドを背負った。
顔つきが変わった。試合中の集中力、気力、そして佇まいも変わった。それが岡山学芸館のMF万代大和を半年ぶりに見た印象だ。
ずば抜けたスピードとテクニックを誇るレフティドリブラーは、真夏の福島で輝きを放った。
インターハイ1回戦の聖和学園戦(2-1)。膠着状態だった試合を動かしたのは万代のドリブルだった。負傷明けのためベンチスタートとなったこの試合で、26分に早くも出番が訪れると、入りからギア全開のドリブルを披露。複数枚のマークにつかれるなかで、強気のドリブルを仕掛け、後半9分にはMF青川凌大とのワンツーから抜け出して先制弾をマークした。
2回戦の都市大塩尻戦(3-0)でスタメン復帰すると、1-0で迎えた後半15分に中央を切り裂いて強烈なシュート。これはGKにセーブされるが、こぼれたボールをMF堀口友聖が詰めて、試合を決定づける追加点を奪った。
そして3回戦の相手は、プレミアリーグWESTに所属する神村学園。これまでと変わらず、万代がボールを持つと複数枚のマークが素早くつくが、それをこじ開けるようなドリブルを仕掛けた。
だが、チーム全体の試合運びでは神村学園が上手だった。プロ注目の福島和毅と佐々木悠太のダブルボランチを軸にしたテンポの良いパス回しと、インサイドハーフの徳村楓大と日髙元の突破力を駆使して試合の主導権を握る。万代は守備に回る機会が多くなった。
30分に徳村にPKを決められると、アディショナルタイムには佐々木に追加点を許し、岡山学芸館は前半だけで2点のビハインドを背負った。
後半も押し込まれるシーンが多かったが、その中でも万代の目は相手ゴールに向けられていた。ボランチのラインまで落ちてボールを受けては、鋭いターンで前を向き2、3人を引き連れてボールを運んでいく。結局、チームは得点を奪えず0-2の敗戦となったが、万代は最後まで相手の脅威となり続けた。
「神村学園は個人の技術だったり、チームとしてのパワー、スピードだったりが、僕らよりも1枚も2枚も上手でした。5月に練習試合をしたのですが、その時より断然上手くなっていて、今日はもう完敗です」
試合後、こう唇を噛んだが、その表情は凛々しく、コメントも思慮深く、かつ爽快だった。この立ち振る舞いこそが、彼が大きく変わったと感じた点だった。そのことに触れると、はっきりとした口調でこう答えた。
「それは僕自身も感じています。1、2年生までの僕はモチベーションでプレーが左右されてしまう選手でした。特に昨年はスタートからチャンスをもらったのに、プレーの波がありすぎて試合に出られないこともありました。何かを変えないといけないと考えた時に、チームでずっと言われていた、挨拶をきちんとする、人と話す時に目を見るなど、人として当たり前のことを、もう一度しっかりと意識してやろうと思ったんです」
もちろん、それまでも挨拶ができる選手だった。しかし、「ちゃんと考えてやっていなかった」と口にしたように、どこか周りに流されてやっている『つもり』だった。
何かを変えないといけないと必死に自分で向き合った時に、自分を律し、率先して行動することを当たり前にするために必要な手段と捉えたのが、挨拶などの日常生活の部分だった。
「劇的に上手くなったり、人間が変わったりすることは難しい。自分がやれることを考えた時に行き着いたのがそこでした」
「神村学園は個人の技術だったり、チームとしてのパワー、スピードだったりが、僕らよりも1枚も2枚も上手でした。5月に練習試合をしたのですが、その時より断然上手くなっていて、今日はもう完敗です」
試合後、こう唇を噛んだが、その表情は凛々しく、コメントも思慮深く、かつ爽快だった。この立ち振る舞いこそが、彼が大きく変わったと感じた点だった。そのことに触れると、はっきりとした口調でこう答えた。
「それは僕自身も感じています。1、2年生までの僕はモチベーションでプレーが左右されてしまう選手でした。特に昨年はスタートからチャンスをもらったのに、プレーの波がありすぎて試合に出られないこともありました。何かを変えないといけないと考えた時に、チームでずっと言われていた、挨拶をきちんとする、人と話す時に目を見るなど、人として当たり前のことを、もう一度しっかりと意識してやろうと思ったんです」
もちろん、それまでも挨拶ができる選手だった。しかし、「ちゃんと考えてやっていなかった」と口にしたように、どこか周りに流されてやっている『つもり』だった。
何かを変えないといけないと必死に自分で向き合った時に、自分を律し、率先して行動することを当たり前にするために必要な手段と捉えたのが、挨拶などの日常生活の部分だった。
「劇的に上手くなったり、人間が変わったりすることは難しい。自分がやれることを考えた時に行き着いたのがそこでした」