[総体2回戦]高知中央 2-1 前橋育英/7月27日/JヴィレッジP2
インターハイの2回戦で大番狂わせが起こった。高円宮杯プレミアリーグEAST4位で、昨年度の選手権王者である前橋育英が、高知県リーグ1部所属の高知中央に1-2の敗戦を喫したのだ。
この試合、高知中央の守備は強固で、ただ弾くだけではなく、セカンドボールを拾ってFW三井虎翔、MF篠原仁らがキープしてからカウンターを仕掛ける。前へのベクトルを失わなかったことで、前橋育英は苦戦を強いられた。
それでも34分にCKからCB市川劉星がヘッドで先制点を挙げるが、追加点が奪えないまま後半アディショナルタイムに突入。そして後半35+1分にPKを与えて三井に決められると、3分後に2年生FW井上哲太の鮮やかなシュートで被弾。そのままタイムアップの時を迎えた。
「自分たちの甘さが出た試合だなという感想しかないです」
試合後、俯きながらチームの荷物を運んでいたMF白井誠也は、声を振り絞ってこう口にした。多くの選手がユニホーム姿のまま引き上げるなか、彼はそうではなかった。理由は、先発したこの試合で後半23分に交代を告げられていたからだ。
「本当に悔しいです。自分のところでもっと突破するプレーだったり、ラストパスを出すべきところで通し切れなかったりと、最後までやり切ること、その精度が足りませんでした」
溢れ出る後悔の念。白井と言えば、昨年度の選手権で大ブレイクした1人だ。ボールを持ったら迷わず仕掛ける。ファール気味のアプローチを受けても、倒れることなくスピードアップしてボールを運んでいく。
さらにアタッキングサードでのシュートとパスの選択肢も多彩で、チャンスメーカーとフィニッシャーとして存在感を放ち、攻撃を牽引する存在だった。
悩みながらも創意工夫を続けた
今年に入り、白井の特徴が全国的に明らかになったことで、春先から対策を練ってくるチームが増えた。複数人で縦や中を塞いでくるチームが増えたなかで、彼は悩みながらも創意工夫を続けた。
その結果、周りを使うことの技術と判断力は格段に増した。わざとワイドで受けて、相手を引きつけて中を開けてから、右サイドバックの瀧口眞大やボランチの柴野快仁、FW平林尊琉を飛び込ませる。そこにワンタッチパスやクサビのパスを打ち込んでから、受け直してドリブルを仕掛けたり、サポートに入ったりする動きでインナーを崩していく形は、今年のチームの1つの武器だ。
プレミアEASTで、左サイドハーフの2年生MF瀬間飛結が3ゴールと躍動を見せているのも、右サイドで白井が作って左を開けていることも影響しているし、白井自身も2ゴールを挙げている。
対策を練られるなかで、間違いなくプレーの引き出しを増やしている。高知中央戦でも白井がボールを持つと、2人以上が必ず応対し、縦と中のコースをブロックしてきた。
それに対し、「ガッツリ縦と中を切られていたので、今日は仕掛けるより味方をうまく使うことを考えた」と、常に突破は狙いながらも、飛び込んでくる2列目を活かし、連係をスムーズにさせ、チャンスにも絡んだ。だが、追加点が遠かった。
その結果、周りを使うことの技術と判断力は格段に増した。わざとワイドで受けて、相手を引きつけて中を開けてから、右サイドバックの瀧口眞大やボランチの柴野快仁、FW平林尊琉を飛び込ませる。そこにワンタッチパスやクサビのパスを打ち込んでから、受け直してドリブルを仕掛けたり、サポートに入ったりする動きでインナーを崩していく形は、今年のチームの1つの武器だ。
プレミアEASTで、左サイドハーフの2年生MF瀬間飛結が3ゴールと躍動を見せているのも、右サイドで白井が作って左を開けていることも影響しているし、白井自身も2ゴールを挙げている。
対策を練られるなかで、間違いなくプレーの引き出しを増やしている。高知中央戦でも白井がボールを持つと、2人以上が必ず応対し、縦と中のコースをブロックしてきた。
それに対し、「ガッツリ縦と中を切られていたので、今日は仕掛けるより味方をうまく使うことを考えた」と、常に突破は狙いながらも、飛び込んでくる2列目を活かし、連係をスムーズにさせ、チャンスにも絡んだ。だが、追加点が遠かった。