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三都主アレサンドロ創設のクラブがブラジルで躍進中!「ここからが本当の勝負」“大和魂”を携えた元日本代表の挑戦【現地発】

カテゴリ:ワールド

沢田啓明

2025年07月28日

「日本で“忍耐力”と“粘り”を学んだ」

ガロ・マリンガのCEOとして充実した日々を過ごす三都主。(C)Getty Images

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「5年前に僕がゼロから立ち上げたクラブが、来年、パラナ州1部でアトレチコ・パラナエンセ、コリチーバといったブラジル有数の強豪と対戦するんだよ! 今から興奮している。最高の準備をして、ぜひとも良い成績を残したい!」

 7月19日、ブラジル南部・パラナ州リーグ2部の決勝・第2レグが行なわれ、第1レグを1-1で引き分けていたガロ・マリンガが、3-1と快勝して優勝。2020年のクラブ創設に携わり、現在はCEOを務める三都主アレサンドロは、興奮冷めやらぬ様子だった。

 ブラジルには全国リーグがセリエAからDまでの4部構成で存在する一方、それとは別に各州でリーグが行なわれる。なかでも、アトレチコPRやコリチーバといった強豪クラブが名を連ねるパラナ州リーグはレベルが高く、上位進出すればチームとしての競争力をブラジル全土に示すことができる。

「うちのクラブは、すぐにフラメンゴのようなビッグクラブにはなれない。でも、将来的に全国リーグの2部に参入できるくらいのポテンシャルはあると思っている」

 その三都主の言葉には説得力がある。三都主は1995年、16歳で日本に渡り、明徳義塾高(高知)で言葉、文化、食事の違いに苦しみながらも「絶対にプロになる」という強い意志で努力を重ねた。

 1997年に清水エスパルス入りを果たすと、左サイドのスペシャリストとして一気にブレイク。1999年にはJリーグ史上最年少(当時)の22歳でMVPを受賞し、2001年には日本国籍を取得、日の丸を背負って2002年と2006年のワールドカップに出場した。
 
 その後も浦和レッズや名古屋グランパスなどで活躍し、晩年の2014年には「プレーしている姿を両親に見てもらいたくて」生まれ故郷マリンガのスモールクラブでプレー。2016年に現役を退くと、「僕は日本で選手としても人間としても大きく成長させてもらった。今度は、優れた選手を育成し、いずれは日本を含む世界各地へ送り出したい」という思いでスクールを設立した。

 それと並行して、愛知県の企業から出資を得て2020年にマリンガでプロクラブを創設した。それが、現在のガロ・マリンガの前身である。

 2021年にパラナ州リーグ3部に参戦すると、いきなり優勝して2部昇格。2022年は州リーグ2部で準優勝し、2023年は州リーグ1部で中位に食い込んだ。しかしその年、クラブの経営母体だった日本企業が支援から撤退。突然の決定にクラブは存続の危機に直面した。

「でも、日本で学んだ“忍耐力”と“粘り”、それに“大和魂”で乗り切った」

 三都主はクラブを株式会社化し、クラブ名も「ガロ・マリンガ」へと変更。2024年は州リーグ2部からの再スタートとなったが、見事に優勝して1年で1部復帰を果たした。

「スクールのほうは、市のソーシャル・プロジェクト(社会貢献活動)に認定され、補助も受けて運営が軌道に乗ってきた。一方で、ガロ・マリンガはこれからが本当の勝負。戦力補強にスポンサー集め、アカデミーの強化など、やらなければならないことが山ほどあるけど、すごく充実した毎日を送っているよ」

 ブラジルにルーツを持つ大和魂の日本人が、地球の反対側で今日も奮闘している。

文●沢田啓明
 
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。 

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