元日本代表監督のジーコ氏が主宰するチャリティーマッチ「Zico All-Star Game For Peace HIROSHIMA 80 Years」が、７月27日にエディオンピースウイング広島で開催される。

　同日、チャリティーマッチに先駆けて、ジーコ氏が息子のジュニオール氏、セードルフ氏、アルシンド氏、中田英寿氏、中田浩二氏、小野伸二氏、株式会社ダイサンの峠元幹也社長と共に、広島の平和記念公園・慰霊碑前で献花を行なった。

「ジーコ！ジーコ！」
「中田ヒデだ」
「セードルフ見れたのガチで嬉しい」

　セミの鳴き声が響き渡る真夏の午前11時。サッカー界のスーパーレジェンドたちが車から降り、平和記念公園に姿を見せると、辺りは騒然となった。ジーコ氏らは外国人観光客を含む大勢の人々に囲まれるなか、１人ずつ花を供えていった。
 

　1945年に終戦を迎えてから、節目の80年。かつて原子爆弾が落とされた地で平和への願いを込めたジーコ氏は「今、世界中で紛争などが起こっているなかで、広島を忘れてはいけない。二度と起きないようにメッセージを発信しなければいけない。今日は素晴らしい色々な国々の選手が参加しているので、平和のメッセージを伝え続けたい想いで、この献花をやらせていただきました」と語った。

「サッカーを通しての平和の形」とはどういったものなのか。“サッカーの神様”は「理解合い」と答えた。

「世界中の国々の人々が、もちろん自分の国のために戦うんですけど、話し合いの場で問題を解決していって、それで平和を広げればいいかなと思います。平和は、やっぱりお互いの尊敬、分かち合い、お互いの色んな気持ちが集まって生まれるので」

　世界平和、そして選手としてもプレーした日本に強い想いを持つジーコ氏。この日を迎えるにあたり、次のようなコメントを寄せていた。

「大きな愛を受けた日本にどのような恩返しができるだろう。そんなことをずっと、考えていました。今日も世界のどこかで銃声が鳴り響いている。銃声が止むことはなく、血を流し、傷つく人がいまも、世界中にたくさん存在している。今年は、被ばく80年。私がいま、すべきことはサッカーが持つチカラを信じ、平和の象徴である広島から世界に『平和』を発信することだと思いました。平和を祈ろう。そして、サッカーのチカラを信じよう。サッカー、そして、平和を祈ることは国籍や性別を超えたわたしたち、みんなの物語だから」

取材・文●有園僚真（サッカーダイジェストWeb編集部）

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