天皇杯3回戦で、東洋大学が再び波乱を巻き起こした。
2回戦でJ1上位の柏レイソルを延長戦の末に2-0で下すと、続く3回戦でJ1のアルビレックス新潟と対戦し、2-1で勝利。大学生チームとしては史上初めて2試合連続でJ1クラブを撃破するという離れ業をやってのけた。
「左ばかりが注目されますが、右も注目してほしいです」
新潟戦後のミックスゾーン。東洋大の右サイドバック・荒井涼(4年生)はこう思いを口にした。
逆サイドの左サイドバックには柏内定の山之内佑成がおり、柏戦では劇的な決勝弾を挙げるなど、注目度は高まっていた。もちろん、この試合でも山之内の存在感は際立っていたが、右の荒井の存在感も負けず劣らずの素晴らしいものがあった。
「佑成はボールを持てるし、運んだり、展開したりできる。左を経由する回数や時間は多くなるのは当然ですし、チームにとってのストロングポイントでもあります。だからこそ、彼が高い位置を取る分、右の僕が中に絞って後ろを3枚にしたり、中盤の横についてビルドアップの経由地になったりと、全体のバランスを考えてリスクマネジメントすることを心がけています」
この言葉通り、柏戦、新潟戦ともに荒井のバランス感覚がチームをかなり助けていた。
柏戦では左からのクロス対応、相手の右ウイングバックの対応や味方ボランチのケアが抜群だった。107分には、カウンターから右サイドを駆け上がって、中央へクロスを供給。これは相手にクリアされるが、こぼれ球を山之内が拾ってミドルで叩き込んだ。
「僕と匡央で右の攻撃を組み立てることは常に意識」
新潟戦では、山之内が積極的に前線に顔を出すなかで、荒井は右サイドハーフの湯之前匡央と右ボランチの鍋島暖歩をコーチングで動かしながら全体のバランスを整えて、かつ湯之前をより前に押し出して、左から崩して右で仕留める形を作り続けた。
前半アディショナルタイム2分の先制弾は、まさにその形だった。鍋島のロングフィードから左サイドを突破した山之内のグラウンダーのクロスを、ファーサイドに飛び込んだFW村上歩己がダイレクトで押し込んだ。
そして1-1で迎えた57分に、今度は右サイドのコンビネーションから値千金の決勝弾が生まれた。
GK磐井稜真がキープしてから、右サイドの荒井へ対角のフィード。これは待ち構える相手の左サイドバックの橋本健人に向かっていったが、荒井は猛ダッシュを仕掛けてから勢いをつけてジャンプして、橋本より先にボールを頭で捉えた。
ボールは相手CBの森昂大の背後に落ちると、湯之前が猛然とダッシュしてプレッシャーをかけたことで、森のパスミスを誘発。慌てて飛び出してきたGKを湯之前がワンタッチでかわして無人のゴールに流し込んだ。
「僕と匡央で右の攻撃を組み立てることは常に意識していたので、それが結果に結びついてホッとしています」
荒井の攻守に渡る“いぶし銀”の活躍で、チームは2度目の大金星を掴み取ることができた。
前半アディショナルタイム2分の先制弾は、まさにその形だった。鍋島のロングフィードから左サイドを突破した山之内のグラウンダーのクロスを、ファーサイドに飛び込んだFW村上歩己がダイレクトで押し込んだ。
そして1-1で迎えた57分に、今度は右サイドのコンビネーションから値千金の決勝弾が生まれた。
GK磐井稜真がキープしてから、右サイドの荒井へ対角のフィード。これは待ち構える相手の左サイドバックの橋本健人に向かっていったが、荒井は猛ダッシュを仕掛けてから勢いをつけてジャンプして、橋本より先にボールを頭で捉えた。
ボールは相手CBの森昂大の背後に落ちると、湯之前が猛然とダッシュしてプレッシャーをかけたことで、森のパスミスを誘発。慌てて飛び出してきたGKを湯之前がワンタッチでかわして無人のゴールに流し込んだ。
「僕と匡央で右の攻撃を組み立てることは常に意識していたので、それが結果に結びついてホッとしています」
荒井の攻守に渡る“いぶし銀”の活躍で、チームは2度目の大金星を掴み取ることができた。