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後輩たちが青森山田を撃破。喜びもつかの間「もっと自分もやらないと」。10番の3年生エースが奮起「下を向いている暇はない」

カテゴリ:大学

安藤隆人

2025年07月12日

入学してすぐに背番号9を託される

Jクラブの練習にも参加している金津。注目度はこれからさらに上がっていくだろう。写真:安藤隆人

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 アメリカ人の父と日本人の母を持ち、屈強なフィジカルとスピード、シュートの威力は高校時代から強烈だった。

 八戸学院野辺地西高から山梨学院大に進んだ181センチのストライカー金津力輝(3年)は、関東大学リーグ2部を戦うチームを牽引している。

「高校の時は自由にやっていましたが、大学に来てから課題だった守備の部分を指摘されることが増えて、前線からのプレスのタイミング、プレスバック、サイドだったら戻ってからクロスを上げさせない守備など、多くを学びました。自分の意識の足りなさ、難しさを感じました」

 高校時代はセンターフォワードとウイングとして、スピードとパワーを攻撃面で存分に発揮していた。だが、大学に入るとサイドハーフやサイドバックも経験し、トランジションの部分も含めた運動量、そして守備から攻撃に転じる際のパワーとアイデアを求められた。

 大きな期待と苦悩。金津はその間で苦しみながら成長し続けてきた。岩渕弘幹監督は入学したての彼にいきなり背番号9を託した。ストライカーとして、サイドでのチャンスメーカーとして、チームの起爆剤として。1年目はその期待に応えてリーグ13試合に出場し、5ゴールをマークした。

 昨年は不動のレギュラーとして開幕からスタメン出場も、調子が上がらず。第5節の慶應義塾大戦で彼が背負った番号は30。9番ではなかった。

「悔しかったというより、自分が開幕から1ゴールしか決められず、1年生の時にできていた活躍ができなかった。プレッシャーもあったと思いますが、そこを跳ね返す力が足りませんでした」

 第6節以降は、4試合連続でスタメンから外れたが、気持ちが折れることなく、フィジカルを利したボールキープと突破力、周りを活かすパスに磨きをかけ続けた。

 9番を剥奪されたことを屈辱と思うのではなく、背番号30をエースナンバーにするために。努力家である自分を信じた。真摯な姿勢で努力を重ねた結果、7月の第10節・拓殖大戦で再び9番を託され、スタメン復帰を果たした。
 
 それ以降はレギュラーに定着。後期は1ゴールしか挙げられず、1年を通して2ゴールに終わったが、この2年間で磨かれた献身的な守備と攻守に渡るスプリント、そして突破からのチャンスメイクは2部残留に大きく貢献した。

 そして今年、1月にはデンソーカップチャレンジ静岡大会の関東A選抜に選ばれた。直前で負傷して辞退する結果となってしまったが、新チームでは10番を託され、正真正銘のチームのエースとなった。

「岩渕監督の大きな期待を感じます。監督はずっと僕に自覚を持てと促してくれた。もう3年生になって10番を背負うからこそ、甘えは許されないし、今年はきちんと応えないといけないと思っています」

 奮起を誓う金津に6月、驚きのニュースが届いた。母校の八戸学院野辺地西がインターハイ青森県予選決勝で、青森山田に1-1からのPK戦の末に勝利し、青森山田の25連覇(県内418連勝中)を阻止して、悲願の全国大会初出場を手にした。

「正直、びっくりしましたし、同時に本当に嬉しかった。僕らの時に果たせなかったことを後輩たちがやってくれて誇りに思いました」

 金津自身は高校3年間、すべて予選決勝で青森山田と対戦し、重い扉をこじ開けることができなかった。

 1年時からレギュラーを掴むと、1年のインターハイ予選は中止、選手権予選決勝で0-3。2年時はインターハイ予選決勝で0-5、選手権予選決勝で1-5。そして最終学年を迎えた2022年は、インターハイ予選決勝は0-3だったが、選手権予選決勝で絶対王者をギリギリまで追い詰めた。
 
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