日本代表の森保一監督が６月29日、J１第22節の東京ヴェルディ対川崎フロンターレ戦後に取材に応じ、７月に開幕するE-１選手権の選考基準についての考えを明かした。

　大会に向けたメンバー選考は最終段階にあるというが、その表情からは嬉しい悩みが尽きない様子がうかがえた。指揮官は「今年E-１があるということでさらに、コーチ陣で深堀りして、私自身もJリーグの選手をしっかり見て、選ばないといけないということで、注目して見させていただきましたけど、本当に良い選手がたくさんいるので選ぶのは難しい」と、国内組のレベルの高さに言及した。

　毎節後にコーチ陣とミーティングを重ねているなかでも、「最終段階に来ている今でも、本当に絞り切るのが難しい」と、選考の難しさを吐露した。

　そのうえで、今回の選考基準について具体的な考えを明かしている。

　まず、「Jリーグの本当にベストの選手を選んで、E-１に行くということはもちろん念頭におきながらも」と、大会で結果を求める姿勢を強調。しかし、それだけではない。チーム編成の全体像としては、「経験値として、これからJリーグを引っ張ってくれる選手たちを基本的に選びたいなと思っています」と語り、若手や経験の浅い選手たちにチャンスを与えたいという意向を示した。
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　もちろん、経験豊富な選手の力も軽視しているわけではなく、「要所要所ではベテランを選んで、ということになるかなとは思います」と、チームのバランスを考慮する構えだ。

　この選考が、E-1選手権という大会の先、ワールドカップまで見据えたものであることは、その後の言葉からも明らかだった。将来A代表で活躍するポテンシャルを持った選手を優先的に選びたいか、という問いに対して、指揮官は「そうですね」と頷き、こう続けた。

「まずはワールドカップに向けて、この１年後、さらに大きな成長が見込めるかなということは考えて、選考の基準の中にも入れているところかなとは思います」

　また、クラブワールドカップに出場した浦和レッズからは招集しないとの考えも示した。

「浦和の選手は選ばないということで考えています。クラブワールドカップを終えて、世界での経験をしてきたなかで、浦和の選手たちに合流してもらうことも考えていましたけど、この３試合をやったなかでも、かなり心身ともに疲労、疲弊があると思います。なので、そこは選手たちのコンディションを考えたなかで、ほかの選手を選ぶということで考えています」

　森保監督は、ポテンシャルを秘めた選手たちに国際舞台での経験を積ませ、日本サッカーの未来を担う新たな力の台頭に期待を寄せている。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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