挫折を乗り越えて勝ち取った初招集
2028年に開催されるロサンゼルス五輪での主軸候補で、今年9月のU-20ワールドカップを目ざす世代から初のA代表選手が誕生。6月5日のオーストラリア戦、10日のインドネシア戦に挑む日本代表のメンバー発表が5月23日に行われ、ファジアーノ岡山に所属する18歳、MF佐藤龍之介が初選出された。
FC東京のアカデミー出身で、中学時代から類い稀な足元の技術に定評があり、利き足ではない左足も含めて、キックの精度もハイレベル。中盤であればどこでもこなせる汎用性も魅力で、サッカーIQも抜群だった。
同世代では頭ひとつ抜けた存在で、高校2年生だった2023年8月に一足早くトップチームへ昇格を果たす。U-18チームの一員として出場した23年夏のU-18クラブユース選手権では、プロ選手に相応しいプレーでチームの準優勝に貢献した。
圧倒的なスキルと戦術眼を駆使するだけではなく、抜群の走力を生かしてピッチを奔走。トップ下で攻撃のタクトを揮いつつ、献身的かつ頭脳的な守備でチームを牽引し、ユースレベルを超えるプレーを見せて注目を集めた。
各年代の世代別代表でも常に主軸を担い、23年秋に開催されたU-17ワールドカップでは背番号10を背負ってプレー。4−4−2の右サイドハーフを任され、ベスト16入りの原動力となった。ただ、悔しさが残る大会になったのも事実で、初の国際大会で強豪国との差を痛感。ラウンド16でスペインに敗れた後、佐藤はこんな言葉を残していた。
「スペインは良い立ち位置を取り、流動的にボール動かしてきた。なかなかボール取れないと思ったし、洗練された技術を持っていた。ただ、自分も対峙してやれないことは全然なかったので、そこは自信としつつも、まだまだ足りないことが多い。そこはチームに戻って取り組んでいきたい」
初めて味わった挫折を経て、どのような成長を遂げるのか。「(ロス五輪世代を)引っ張っていくくらいの気持ちでやっていく。U-17での経験は絶対に無駄にしたくない」と意気込んだ期待の逸材だったが、ここから試練の時を過ごす。
高校3年生となった24年シーズンはトップチームの活動に専念したものの、リーグ戦の出場は3試合のみ。パリ五輪世代のチームでは、トレーニングバートナーとして本大会直前まで帯同し、大岩剛監督に「このまま連れて行きたかった」と言わしめるほどのパフォーマンスを見せても、船越優蔵監督率いるU-19日本代表(現U-20代表)で主軸として重宝されても、所属クラブでは選手層の厚さに阻まれ、なかなかピッチに立てなかった。
【画像】敵地で豪州&大阪でインドネシアと対戦!W杯アジア最終予選ラスト2試合に挑む日本代表招集メンバーを一挙紹介!
FC東京のアカデミー出身で、中学時代から類い稀な足元の技術に定評があり、利き足ではない左足も含めて、キックの精度もハイレベル。中盤であればどこでもこなせる汎用性も魅力で、サッカーIQも抜群だった。
同世代では頭ひとつ抜けた存在で、高校2年生だった2023年8月に一足早くトップチームへ昇格を果たす。U-18チームの一員として出場した23年夏のU-18クラブユース選手権では、プロ選手に相応しいプレーでチームの準優勝に貢献した。
圧倒的なスキルと戦術眼を駆使するだけではなく、抜群の走力を生かしてピッチを奔走。トップ下で攻撃のタクトを揮いつつ、献身的かつ頭脳的な守備でチームを牽引し、ユースレベルを超えるプレーを見せて注目を集めた。
各年代の世代別代表でも常に主軸を担い、23年秋に開催されたU-17ワールドカップでは背番号10を背負ってプレー。4−4−2の右サイドハーフを任され、ベスト16入りの原動力となった。ただ、悔しさが残る大会になったのも事実で、初の国際大会で強豪国との差を痛感。ラウンド16でスペインに敗れた後、佐藤はこんな言葉を残していた。
「スペインは良い立ち位置を取り、流動的にボール動かしてきた。なかなかボール取れないと思ったし、洗練された技術を持っていた。ただ、自分も対峙してやれないことは全然なかったので、そこは自信としつつも、まだまだ足りないことが多い。そこはチームに戻って取り組んでいきたい」
初めて味わった挫折を経て、どのような成長を遂げるのか。「(ロス五輪世代を)引っ張っていくくらいの気持ちでやっていく。U-17での経験は絶対に無駄にしたくない」と意気込んだ期待の逸材だったが、ここから試練の時を過ごす。
高校3年生となった24年シーズンはトップチームの活動に専念したものの、リーグ戦の出場は3試合のみ。パリ五輪世代のチームでは、トレーニングバートナーとして本大会直前まで帯同し、大岩剛監督に「このまま連れて行きたかった」と言わしめるほどのパフォーマンスを見せても、船越優蔵監督率いるU-19日本代表(現U-20代表)で主軸として重宝されても、所属クラブでは選手層の厚さに阻まれ、なかなかピッチに立てなかった。
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そんな佐藤にとって、大きな転機が訪れる。J1初参戦となった岡山に今季から期限付き移籍したことだ。
U-20アジアカップに参加した関係で開幕直後はチームから離れたものの、戻ってからは徐々に評価を高めてレギュラーポジションを獲得。最も力を発揮できる2列目ではなく、3−4−2−1の右ウイングバックを主戦場としながら、持ち前の技術と運動量を存分に発揮した。
「決めるところを自分が一番求めている」と以前から話していたように決定力も磨きがかかり、4月2日のC大阪戦からリーグ戦4試合で3発の大活躍。欠場した4月6日のFC東京戦を除けば、3戦連続ゴールであり、“巧い選手”から“怖い選手”に変貌を遂げた。
A代表のメンバーにおける現時点の立ち位置は最後尾。堂安律(フライブルク)や伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)といった面々が招集外で、あくまでラージグループの一員だ。相当なアピールをしなければ、定着はできないだろう。
クラブで起用されている右ウイングバックに加え、シャドーでの起用が想定されるなかで、佐藤はどんなプレーを見せるのか。性格的には物怖じせず、輪に入っていくメンタリティを持ち合わせており、気後れして萎縮する心配はない。思い切って今の力を出すだけ――。チャレンジャー精神を持って、積み上げてきた力を発揮できれば、次につながるのは間違いない。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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