世界を意識した視点があるかどうか
2026年W杯アジア最終予選、日本はバーレーンを2-0で下し、8大会連続本大会出場を“世界一番乗り”で決めた。
久保建英が救世主だった。
後半途中、久保は上田綺世からのパスを引き出し、さらに相手のタイミングを外し、鎌田大地に魔術的なパスを出した。これが閉塞した展開を突き破って、先制点になった。
終了間際にも、久保は左サイドでボールを持つと角度のないところからニアを打ち抜き、ダメ押し弾も決めた。チームとしての動きが鈍かった中、久保一人で勝負を決したとも言える。
そのプレーはワールドクラスだった。
しかしながら、「久保頼み」で勝ち抜けるほど世界は甘くはない。ファン・サポーターが「W杯出場」を喜ぶのはわからないではないが、メディアは「凡戦」に対し、もう少し慎重になるべきだろう。バーレーンを相手に、久保という個人のおかげで勝てたとしても「希望」とは言えない。
久保のゴールは確かに美しかった。直前のプレーで、カットインして右足で際どいシュートを打っていたことで、マーカーも的を絞り切れなかったのだろう。次は縦に突っ切り、GKの立ち位置を確認。GKも直前の右足シュート、もしくはクロスを警戒し、ニアを開けていた。久保は伏線を回収するように、ニアに打ち込んでいる。
ただ、世界のトップGKだったらストップできた可能性は高い。スペインやイタリアだったら、「ミス」としてGKが糾弾されるレベルだった。シュートそのものは抜け目がなく、非の打ちどころもないが、一流のGKが止められないシュートではなかったのである。
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久保建英が救世主だった。
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そのプレーはワールドクラスだった。
しかしながら、「久保頼み」で勝ち抜けるほど世界は甘くはない。ファン・サポーターが「W杯出場」を喜ぶのはわからないではないが、メディアは「凡戦」に対し、もう少し慎重になるべきだろう。バーレーンを相手に、久保という個人のおかげで勝てたとしても「希望」とは言えない。
久保のゴールは確かに美しかった。直前のプレーで、カットインして右足で際どいシュートを打っていたことで、マーカーも的を絞り切れなかったのだろう。次は縦に突っ切り、GKの立ち位置を確認。GKも直前の右足シュート、もしくはクロスを警戒し、ニアを開けていた。久保は伏線を回収するように、ニアに打ち込んでいる。
ただ、世界のトップGKだったらストップできた可能性は高い。スペインやイタリアだったら、「ミス」としてGKが糾弾されるレベルだった。シュートそのものは抜け目がなく、非の打ちどころもないが、一流のGKが止められないシュートではなかったのである。
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世界を意識した視点があるかどうか。それが今後はカギになるだろう。例えば同日に行われていたネーションズリーグ準々決勝、イタリア対ドイツは1-2で決着がついたが、両チームのGKであるジャン・ルイジ・ドンナルンマ、オリバー・バウマンはビッグセーブを連発。アジアレベルなら入っていたシュートを何度も防いでいた。
付け加えて記すなら、シュートに行くまでのプレーレベルも高い。ネーションズリーグ、クロアチアがフランスを2-0で下した一戦も、同様だろう。ルカ・モドリッチを中心にしたクロアチアの攻守の圧力は分厚かったし、フランスも前線のキリアン・エムバペ、ウスマン・デンベレも破壊力は抜群だった。一瞬でゴールに迫る緊迫感に「世界」を感じさせた。
日本対バーレーン戦がどれだけスローで、ミスが多く、精度も低かったか。
そこから目を背け、「久保が救った森保ジャパン」と称賛を送っているようでは、「世界一」など遥かな夢である。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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付け加えて記すなら、シュートに行くまでのプレーレベルも高い。ネーションズリーグ、クロアチアがフランスを2-0で下した一戦も、同様だろう。ルカ・モドリッチを中心にしたクロアチアの攻守の圧力は分厚かったし、フランスも前線のキリアン・エムバペ、ウスマン・デンベレも破壊力は抜群だった。一瞬でゴールに迫る緊迫感に「世界」を感じさせた。
日本対バーレーン戦がどれだけスローで、ミスが多く、精度も低かったか。
そこから目を背け、「久保が救った森保ジャパン」と称賛を送っているようでは、「世界一」など遥かな夢である。
文●小宮良之
【著者プロフィール】こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たし、2020年12月には新作『氷上のフェニックス』が上梓された。
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