• トップ
  • ニュース一覧
  • 19位に沈む横浜FM、何が問題なのか? 斜陽のアタッキングフットボール、得点力が上がらない3つの大きな理由

19位に沈む横浜FM、何が問題なのか? 斜陽のアタッキングフットボール、得点力が上がらない3つの大きな理由

カテゴリ:Jリーグ

河治良幸

2025年04月08日

個人としてもチームとしてもパワフルな攻撃ができていない

1試合未消化で暫定19位の横浜FM。トンネルからなかなか抜け出せずにいる。(C)SOCCER DIGEST

画像を見る

 スティーブ・ホーランド監督が率いる横浜F・マリノスは、開幕8試合で1勝4分け3敗の戦績で勝点7。ACLエリートの影響により1試合、消化が少ないながら、暫定19位と苦しいスタートになっている。

 やはり気になるのは、リーグ最少の4得点という数字だ。失点が6と守備は安定しているが、何しろ点が取れない。“アタッキングフットボール”を掲げて、常にトップレベルのシーズン得点数を誇ってきたチームが、ここまで様変わりしてしまったのには明確な理由がある。

 ホーランド監督は就任にあたり、昨シーズンは9位に終わったチームがリーグ3位タイの61得点を記録した一方で、4番目に多い62失点を喫していることに着目し、まず失点数を減らすことが上位進出の鍵になると主張していた。

 もちろん、そのために得点が減ってしまえば本末転倒であることは百も承知のはずだが、守備を組織的に整備することと、持ち前の攻撃力は両立できると踏んでいたのだろう。

 もともと3-4-3をベースにスタートしたが、アルビレックス新潟との開幕戦で圧倒的に押し込まれて、苦しみながらもなんとか終盤にアンデルソン・ロペスのPKで追いつき、1-1で引き分けたのを最後に、4バックに変更して守備をさらに安定させた。

 しかし、守備の整備が攻撃と噛み合わずに、チャンスも限られてしまっていることが、そのまま得点力のダウンに結びついてしまっているようだ。昨シーズンの得点王であるA・ロペスが、上記のPKによる1点しか取れていないのが象徴的だ。

 筆者の見解としては、得点力が上がらない3つの大きな理由がある。1つはボールの奪いどころが低く、高いポジションで自分たちの攻撃をスタートできていないこと。それにより相手ゴール前の距離が遠くなることに加えて、アタッカーも守備のリトリートやプレスバックにエネルギーを使ってしまっているので、個人としてもチームとしてもパワフルな攻撃ができていないのだ。
 
 ホームで0-0の引き分けに終わった東京ヴェルディとの試合で、分かりやすいシーンがあった。41分、東京Vの自陣からのビルドアップに対して、横浜FMはFWの植中朝日と右サイドハーフの井上健太が2枚で前からプレッシャーをかけて、そこにセカンドトップの天野純と左サイドハーフの遠野大弥が連動して、ボランチのジャン・クルードも引いて縦パスを受けようとするFW染野唯月をタイトにマークした。

 さらに左サイドバックの永戸勝也も右ウイングバックの宮原和也をチェックに来た。そこで3バック中央の林尚輝から横パスを受けた右センターバックの綱島悠斗が齋藤功佑にショートパスを当てて、リターンをボランチの平川怜に付けると、喜田拓也が手前から素早くチェックに入った。

 この時点で横浜FMは7人が相手陣内でプレスをかける状況だったが、平川から左センターバックの谷口栄斗にボールが出て前を向くと、そこに誰もプレスをかけることなくリトリートしてしまう。

 谷口がそのまま持ち上がる間に、永戸が下がって4バックを整え直し、ジャン、喜田、井上の3人も自陣まで下がった。その間に谷口は余裕を持って右のオープンスペースを走る宮原にサイドチェンジのパスを展開。下がりながらディフェンスラインに復帰した永戸はワイドに開き直して宮原に対応したが、右足のクロスからボックス内でFW木村勇大に合わされた。センターバックのジェイソン・キニョーネスが身体を寄せており、GK朴一圭も落ち着いたポジションを取っていたためか、木村のシュートはゴール右に外れた。

 ハイプレスがうまくハマらなかった状況で、臨機応変にリトリートして危機を逃れたようにも見えるが、見方を変えればハイプレスをかけたにもかかわらず、リトリートに帰る判断が早すぎて、谷口に簡単に前に運ばれて、そこにプレッシャーがかからないままサイドチェンジのパスを出されたことで、守備にかなりのエネルギーをかけてしまったことになる。

 こうしたシーンが、この東京V戦に関わらず多く見られることは問題点の1つだ。

【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集!
【関連記事】
「もう限界です」横浜FM、東京Vとスコアレスドローで降格圏から抜け出せず…ファンからは落胆の声「勝てるイメージが湧かない」「そろそろ言い訳できない」
「スピードが上がらずバックパスが多い」降格圏に沈む横浜FM、クラブOBの中澤佑二が攻撃の問題点を指摘!
「日々攻撃の練習はやっている」横浜FMは3戦連続無得点…指揮官が強調する懸命なトレーニングの成果を早急に示したい
3試合ノーゴールの横浜FMは、どう攻撃を仕掛けていけばいいのか。朴一圭が出した答えは?「阿吽の呼吸じゃないですけど…」
【画像】編集部が厳選! ゲームを彩るJクラブのチアリーダーを一挙紹介!

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ