【現地記者の英国通信】躍進するウェールズはまさに“レスター”! 奇跡の戴冠は再び起きるか!?

カテゴリ:ワールド

サッカーダイジェストWeb編集部

2016年06月29日

退屈なピッチ内とは裏腹にスタンドは英国的な雰囲気に包まれた「バトル・オブ・ブリテン」。

英国のEU離脱を案じるサポーター。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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ベイルの突進を阻もうとする北アイルランドのウォード(左)とエバンス。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

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 私にとって“バトル・オブ・ブリテン”といえば、イングランド対スコットランドであった。しかし、EURO2016の決勝トーナメント1回戦という重要な舞台で行なわれたのは、ウェールズと北アイルランドによるバトル・オブ・ブリテンだった。
 
 その日、私の家にはその一戦を見ようと友人が訪ねてきていた。そしてイングランド・ファンの友人とスコットランド・ファンの私は互いに「なぜ、この試合を見ているんだろうか?」と尋ね合いながら試合を見つめていた。
 
 この試合は互いに激しく身体をぶつけ合う、とても英国的な試合だった。私にはプレミアリーグというよりも、チャンピオンシップ(2部)のようなレベルの試合に見えた。
 
 正直に言えば見ているのが退屈な試合だったが、他のプレーヤーよりも違うレベルにあったガレス・ベイルだけは例外だった。
 
 彼は、ウェールズに勝利をもたらすための違いを生み出せる世界トップレベルのクラスタで、それはポルトガルにおけるクリスチアーノ・ロナウドと同じだ。
 
 それと強いチームスピリットを持つアーロン・ラムジーも目に付いた。
 
 試合はご存じのとおり、ウェールズが北アイルランドをオウンゴールによる1点で下し、ベルギーと準々決勝で当たることが決まった。
 
 私は、まだベイルがトップコンディションにあるとは思えない。彼がより良いプレーができるようになれば、ウェールズはどこが相手でも倒すことができるだろう。
 
 一方、このバトル・オブ・ブリテンで“らしさ”が見えたのは、試合中にスタンドに響き渡った両サポーターによるチャントの時事的な掛け合いだった。
 
 EU残留派が多数を占めた北アイルランド側から「俺たちは残留に投票した。俺たちは残留に投票した。俺たちはバカじゃない」とチャントが飛ぶと、すかさずEU離脱派が多かったウェールズ側から「お前らは変装したイングランド人だろ?」と痛烈な返しが飛んだのだ。
 
 このサポーター同士が起こした英国らしい雰囲気の試合をモノにして勢いに乗るウェールズは欧州の頂点に立つことも夢ではないはずだ。
 
 なぜなら、プレミアリーグでレスターが奇跡を起こしたようにフットボールはなにがあるか分からないスポーツ。ウェールズがEURO2016のレスターとなれるか――。大いに注目したい。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。

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