指導者の世代交代を象徴する存在
近年、ブラジルでは外国人監督の招聘が大流行している。ビッグクラブと括られる12クラブの監督の国籍は現在、ブラジル人が5人、ポルトガル人が4人、アルゼンチン人が3人と約60%が外国人。サンパウロ州の4大クラブ(コリンチャンス、パルメイラス、サンパウロ、サントス)に至っては、全員が外国人だ。
このような状況を招くきっかけを作ったのが、2019年から20年にかけてフラメンゴを率いたポルトガル人ジョルジュ・ジェズス(現アル・ヒラル監督)。攻撃的なプレースタイルで2019年シーズンにコパ・リベルタドーレスとブラジル全リーグの二冠を成し遂げた。
以来、強豪クラブがこぞって外国人監督を招聘するようになった。もちろん全員が成功しているわけではないが、近年、抜群の成績を収めているのはパルメイラスのポルトガル人監督アベル・フェレイラだ。
この背景には、伝統的にブラジルのフットボールが個人技を重視するあまり戦術を軽視する傾向があったこと、CBF(ブラジルサッカー連盟)による指導者養成コースの整備が遅れたことなどの問題点が横たわる。
このような流れのなか、一人の若いブラジル人監督が出現した。現役時代に左SBとしてアトレティコ・マドリー、ブラジル代表などで活躍したフィリペ・ルイス(39歳)だ。
【動画】リオ州リーグを制して喜びを爆発させるフィリペ
このような状況を招くきっかけを作ったのが、2019年から20年にかけてフラメンゴを率いたポルトガル人ジョルジュ・ジェズス(現アル・ヒラル監督)。攻撃的なプレースタイルで2019年シーズンにコパ・リベルタドーレスとブラジル全リーグの二冠を成し遂げた。
以来、強豪クラブがこぞって外国人監督を招聘するようになった。もちろん全員が成功しているわけではないが、近年、抜群の成績を収めているのはパルメイラスのポルトガル人監督アベル・フェレイラだ。
この背景には、伝統的にブラジルのフットボールが個人技を重視するあまり戦術を軽視する傾向があったこと、CBF(ブラジルサッカー連盟)による指導者養成コースの整備が遅れたことなどの問題点が横たわる。
このような流れのなか、一人の若いブラジル人監督が出現した。現役時代に左SBとしてアトレティコ・マドリー、ブラジル代表などで活躍したフィリペ・ルイス(39歳)だ。
【動画】リオ州リーグを制して喜びを爆発させるフィリペ
2023年末にフラメンゴで現役を引退すると、すぐにU-17監督に就任してチームをリオ州王者に導き、U-20の監督を経て昨年10月、トップチームの指揮官に昇格した。
守備では徹底したハイプレスとマンツーマンに近い執拗なマークでボールを奪い、攻撃では足下の技術に優れたDFを揃えて最後尾からでも丁寧にボールを繋ぎ、リレーショナル・プレーを軸として相手ゴールを陥れる。
昨年のコパ・ド・ブラジルでは、指揮を引き継いだ準決勝・第2レグから決勝第2レグまで3連勝を飾ってきなりタイトルを獲得。ブラジル全国リーグでは終盤の10試合でチームを率いて6勝3分け1敗の好成績を収め、今年はリオ州選手権で10勝1分けと無敗で優勝を飾った。監督就任後は公式戦25試合で19勝5分け1敗という驚異的な結果を叩き出している。
ブラジルでは、2002年ワールドカップを制覇した名将ルイス・フェリペ・スコラーリが昨年3月にリタイア。18年と22年のワールドカップでセレソンを率いたチッチは昨年9月末に成績不振でフラメンゴ監督を解任された。その後を引き継いだのがフィリペ・ルイスであり、指導者の世代交代を象徴する存在として注目を集めている。
3月29日、2025年シーズンのブラジル全国リーグが開幕した。1節インテルナシオナウ戦は、1-1の引き分けだった。フィリペ・ルイスが真価を問われるのはこれからだが、ブラジル人監督の人材不足が深刻な状況にあって、彼にかかる期待は極めて大きい。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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守備では徹底したハイプレスとマンツーマンに近い執拗なマークでボールを奪い、攻撃では足下の技術に優れたDFを揃えて最後尾からでも丁寧にボールを繋ぎ、リレーショナル・プレーを軸として相手ゴールを陥れる。
昨年のコパ・ド・ブラジルでは、指揮を引き継いだ準決勝・第2レグから決勝第2レグまで3連勝を飾ってきなりタイトルを獲得。ブラジル全国リーグでは終盤の10試合でチームを率いて6勝3分け1敗の好成績を収め、今年はリオ州選手権で10勝1分けと無敗で優勝を飾った。監督就任後は公式戦25試合で19勝5分け1敗という驚異的な結果を叩き出している。
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文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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