最終ラインで守備を引き締め、攻撃の起点にも
3月20日に行なわれたデンソーカップ日韓定期戦。全日本大学選抜において関東、関西以外の地域で唯一選出となったのが、新潟医療福祉大学のCB細井響だった。
「スタメンに呼ばれた瞬間にやらなきゃいけないという覚悟が芽生えました」
こう口にしたように、4バックの左CBで先発した細井は、持ち前の空中戦の強さと対人の強さ、左足のフィードなど強度の高いプレーを見せて1-0の完封勝利に貢献した。
細井は今月、2026シーズンの横浜FC加入内定が発表されたばかり。3年前はインカレ準優勝、昨年は総理大臣杯、インカレ共に全国準優勝を成し遂げるなど、躍進を続ける新潟医療福祉大において、細井は攻守にダイナミズムを与えられる要となっている。
183センチのサイズと精度の高い左足のキックを持つ有望株は、習志野高から佐熊裕和監督の熱心な誘いを受けて新潟にやってきた。
佐熊監督は新潟医療福祉大を全国トップレベルの強豪校に仕立てた名将で、かつて桐光学園高の監督として中村俊輔、藤本淳吾、福森晃斗ら数々の左利きの名手を育ててきた人物でもある。
佐熊監督は細井の左足のキックに惚れ込み、かつて中村たちに要求したように、「遠くを見て、対角のボールを意のままに操れるようにしろ」と細かい部分まで意識を促した。
「相手がスライドする前に早めにつけることだったり、目線を変えることだったり、常に狙いながら相手のディフェンスラインと駆け引きをすることで、相手がより背後への意識を持つことでストレスを与えることができる。そこは言われて意識するようになりました」
【画像】横浜なら最後に笑おうぜ!選手と歌う歌声を三ツ沢の丘に響かせた横浜FCサポーター
「スタメンに呼ばれた瞬間にやらなきゃいけないという覚悟が芽生えました」
こう口にしたように、4バックの左CBで先発した細井は、持ち前の空中戦の強さと対人の強さ、左足のフィードなど強度の高いプレーを見せて1-0の完封勝利に貢献した。
細井は今月、2026シーズンの横浜FC加入内定が発表されたばかり。3年前はインカレ準優勝、昨年は総理大臣杯、インカレ共に全国準優勝を成し遂げるなど、躍進を続ける新潟医療福祉大において、細井は攻守にダイナミズムを与えられる要となっている。
183センチのサイズと精度の高い左足のキックを持つ有望株は、習志野高から佐熊裕和監督の熱心な誘いを受けて新潟にやってきた。
佐熊監督は新潟医療福祉大を全国トップレベルの強豪校に仕立てた名将で、かつて桐光学園高の監督として中村俊輔、藤本淳吾、福森晃斗ら数々の左利きの名手を育ててきた人物でもある。
佐熊監督は細井の左足のキックに惚れ込み、かつて中村たちに要求したように、「遠くを見て、対角のボールを意のままに操れるようにしろ」と細かい部分まで意識を促した。
「相手がスライドする前に早めにつけることだったり、目線を変えることだったり、常に狙いながら相手のディフェンスラインと駆け引きをすることで、相手がより背後への意識を持つことでストレスを与えることができる。そこは言われて意識するようになりました」
【画像】横浜なら最後に笑おうぜ!選手と歌う歌声を三ツ沢の丘に響かせた横浜FCサポーター
中村や藤本を指導していた時、佐熊監督はこう言っていた。
「遠くは見えているからこそ、あとはキックの強度、質などを意識させて、発想は持っているからそれを出しやすいシチュエーションを作ることを大事にしている」
細井に関してはキックの強度はあるからこそ、中村たちが持っていた『見る』部分にアプローチしたのだった。
たとえば相手がスライドする前にボールを出すためには、早い段階で遠くを見て、相手の配置や身体の向きを確認しておかないといけない。そのうえで素早く速いボールや落とすボールを蹴り込んだりと、正確かつ強度もコントロールされたキックを、タイミングを見定めて出さないといけない。
正確な状況判断、予測、キックの質、そして遠くを見ながらも、その選択肢が消された時にミドルパスやショートパスに切り替える技術など、非常に多くの重要な要素が必要になる。
佐熊監督はそこを細井に落とし込んだ。結果、一昨年はボランチとして豊富な運動量と前への推進力を発揮しながら、サイドチェンジとスルーパス、強烈なミドルシュートを繰り出して攻撃に大きなアクセントを加えられるようになる。
昨年はCBとして対人や空中戦の強さ、ロングフィードや縦パスを駆使して、最終ラインで守備を引き締めながら、攻撃の起点にもなった。
着実にスケールアップしていくなかで、細井の注目度はぐんぐん上がっていき、複数のJクラブから練習参加の声がかかった。その中の1つが横浜FCで、その熱量は凄まじかったという。
「強化部の方がずっと僕を見てくれていましたし、練習やキャンプに参加した時に自分が活躍できそうなイメージを持てたんです。4枚の左CB、3枚の左CBと、どれも対応できるからこそ、持ち味を出せるのではないかと思いました」
今年はより注目度が増す。「ずっと左利きのディフェンダーという部分だけで、周りの期待値が高いことにプレッシャーを感じることが多かった。今はそこにふさわしい選手になるためにモチベーションに変えています」と笑顔で語ったように、新潟の地で磨かれた大型レフティCBは、自覚と覚悟を持って大学ラストイヤーに臨む。
取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)
【画像】ゲームを華やかに彩るJクラブ“チアリーダー”を一挙紹介!
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「遠くは見えているからこそ、あとはキックの強度、質などを意識させて、発想は持っているからそれを出しやすいシチュエーションを作ることを大事にしている」
細井に関してはキックの強度はあるからこそ、中村たちが持っていた『見る』部分にアプローチしたのだった。
たとえば相手がスライドする前にボールを出すためには、早い段階で遠くを見て、相手の配置や身体の向きを確認しておかないといけない。そのうえで素早く速いボールや落とすボールを蹴り込んだりと、正確かつ強度もコントロールされたキックを、タイミングを見定めて出さないといけない。
正確な状況判断、予測、キックの質、そして遠くを見ながらも、その選択肢が消された時にミドルパスやショートパスに切り替える技術など、非常に多くの重要な要素が必要になる。
佐熊監督はそこを細井に落とし込んだ。結果、一昨年はボランチとして豊富な運動量と前への推進力を発揮しながら、サイドチェンジとスルーパス、強烈なミドルシュートを繰り出して攻撃に大きなアクセントを加えられるようになる。
昨年はCBとして対人や空中戦の強さ、ロングフィードや縦パスを駆使して、最終ラインで守備を引き締めながら、攻撃の起点にもなった。
着実にスケールアップしていくなかで、細井の注目度はぐんぐん上がっていき、複数のJクラブから練習参加の声がかかった。その中の1つが横浜FCで、その熱量は凄まじかったという。
「強化部の方がずっと僕を見てくれていましたし、練習やキャンプに参加した時に自分が活躍できそうなイメージを持てたんです。4枚の左CB、3枚の左CBと、どれも対応できるからこそ、持ち味を出せるのではないかと思いました」
今年はより注目度が増す。「ずっと左利きのディフェンダーという部分だけで、周りの期待値が高いことにプレッシャーを感じることが多かった。今はそこにふさわしい選手になるためにモチベーションに変えています」と笑顔で語ったように、新潟の地で磨かれた大型レフティCBは、自覚と覚悟を持って大学ラストイヤーに臨む。
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