• トップ
  • ニュース一覧
  • エジムンド帰国で何度も話題のカーニバルとフットボールの意外なつながり。時にはサンバがタイトルの行方を左右する【現地発】

エジムンド帰国で何度も話題のカーニバルとフットボールの意外なつながり。時にはサンバがタイトルの行方を左右する【現地発】

カテゴリ:ワールド

沢田啓明

2025年02月27日

今年はロナウジーニョがカーニバルに出演予定

ブラジルのカーニバル(下写真)とフットボールには意外なつながりがある。30年前の快挙の再現を狙うのがコリンチャンス(上写真)だ。 (C)Getty Images

画像を見る

 ブラジル人の心を鷲掴みにして離さないものが、この世に2つある。フットボールとカーニバルだ。
 
 4年に1度のワールドカップは、セレソンが勝つと国中が沸き立ち、夜通し勝利を祝う。そして毎年、国中のほぼすべての機能が止まる数日間がある。それがカーニバルだ。
 
 かつて、カトリックの国ではイエス・キリストが復活したとされる日(復活祭。通常4月頃)の46日前から食事や祝宴を節制する習慣があり、その直前に羽目を外した。これがブラジルではアフリカ伝来の強烈な打楽器(生で聞いていると身体が勝手に揺れてくる)をベースとする音楽に官能的なダンスが伴うサンバが融合し、独自の発展を遂げた。
 
 ただし、現在では宗教色はほとんどない。対照的にグラマラスな女性が全裸に近い格好で官能的にサンバを踊り、それがテレビの地上波で延々と中継されるので、カトリック関係者は「風紀を乱す」と眉をひそめる。
 
 大都市では数万人の観客を収容する専用会場で行なわれ、パレードの完成度を競い合うトップリーグでは、数千人のメンバーからなる10前後のチームが巨大にして華美な山車を仕立て、歌い踊りながら練り歩く。単なるお祭りではなく採点競技で、順位が付けられる。優勝チームは巨額の賞金を獲得するが、下部リーグへの降格もある。
 
 今年の日程は、2月28日から3月4日まで。ロナウジーニョが北東部サルバドールのカーニバルに出演することが、話題となっている。
 
 30年来のサッカーファンなら、1999年、フィオレンティーナ在籍中のエジムンド(元東京ヴェルディ、元浦和レッズ)が優勝争いをしていた真っ只中に帰国し、カーニバルを楽しんで地元メディアとファンを激怒させたことを覚えているのではないか。この一件で彼はシーズン終了後の退団を余儀なくされたが、本人は「全く後悔していない」と平然としていた。
【画像】絶世の美女がずらり! C・ロナウドの“元恋人&パートナー”たちを年代順に一挙公開!
 選手のみならず、サポーターもカーニバルに熱狂する。コリンチャンスとパルメイラスのサポーターグループ(ガヴィオンエス・ダ・フィエルとマンシャ・ヴェルジ)はサンバチームを持ち、サンパウロのカーニバル(トップリーグ)の常連。前者は4度、後者は2度優勝している。
 
 カーニバルの結果が、フットボールに決定的な影響を与えたことがある。1995年、ガヴィオンエス・ダ・フィエル(直訳すると『忠義のタカ』)が力強いがどこか哀愁の漂うメロディーに「一緒に空を駆けよう。俺たちはタカだ。優勝カップを掲げるぞ」というフレーズが印象的なオリジナル・ソングを前面に押し出してカーニバルで初優勝。サポーターは沸き立った。
 
 カーニバル終了後、シーズンが再開されるとスタンドは超満員。カーニバルを制覇した曲を大合唱する(僕はコリンチャンス・ファンではないが、魂のこもった歌声に鳥肌が立った)。これを聞いて選手も奮い立ち、気迫に満ちた攻撃で得点を奪う。するとスタンドはさらに盛り上がり、チームも勢いづいて追加点を叩き込む――そんな勝ちパターンが生まれた。
 
 このシーズン、コリンチャンスはコパ・ド・ブラジルで強豪を次々に撃破して優勝すると、サンパウロ州リーグでも決勝で宿敵パルメイラスを撃破。サポーターの先導で二冠を達成した印象があった。
 
 コリンチャンスは、カーニバルで優勝した4年でブラジル全国リーグを1回、コパ・ド・ブラジルを2回、州リーグを3回制していて、パルメイラスもカーニバル優勝の2年でブラジル全国リーグを1回、州リーグを1回制覇。「サポーターがカーニバルで優勝すると、チームも好成績を残す」のが通例となっている。
 
 1995年の快挙から30年。ガヴィオンエスとコリンチャンスはその再現を、マンシャとパルメイラスは雪辱を狙っている。
 
文●沢田啓明
 
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。 

【記事】「ふざけんな!」「まじでありえん」久保建英が鬼の形相でブチギレ!挑発した敵MFに非難殺到!「タケがキレるってよっぽど侮辱するようなこと言われたと思う」

【画像】日本代表を応援する「美女サポーター」を厳選!
 
【関連記事】
「ふざけんな!」「まじでありえん」久保建英が鬼の形相でブチギレ!挑発した敵MFに非難殺到!「タケがキレるってよっぽど侮辱するようなこと言われたと思う」
「絶世の美女だ!」世界一美しいWAGことジンチェンコ妻が披露した“本職キャスター”姿にファン惚れ惚れ!「カッコいいわ」「オーラが半端ない!」
「W不倫の末の結婚」が疑われるフッキが挙式を強行!しかも相手は前妻の姪…神父にも批判の声が【現地発】
「日本は米国よりも完成度が高い」「ボール扱いも上手い」世界1位アメリカ撃破、初優勝のなでしこジャパンに対戦国メディアも脱帽!ヘイズ体制で初黒星「1年ぶりに負けた」
「美しすぎる」「絵画のようなゴール」サントス復帰のネイマールが魅せた“直接CK弾”が話題沸騰!「彼の魔法が尽きることはない」

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ