今年はロナウジーニョがカーニバルに出演予定
ブラジル人の心を鷲掴みにして離さないものが、この世に2つある。フットボールとカーニバルだ。
4年に1度のワールドカップは、セレソンが勝つと国中が沸き立ち、夜通し勝利を祝う。そして毎年、国中のほぼすべての機能が止まる数日間がある。それがカーニバルだ。
かつて、カトリックの国ではイエス・キリストが復活したとされる日(復活祭。通常4月頃)の46日前から食事や祝宴を節制する習慣があり、その直前に羽目を外した。これがブラジルではアフリカ伝来の強烈な打楽器(生で聞いていると身体が勝手に揺れてくる)をベースとする音楽に官能的なダンスが伴うサンバが融合し、独自の発展を遂げた。
ただし、現在では宗教色はほとんどない。対照的にグラマラスな女性が全裸に近い格好で官能的にサンバを踊り、それがテレビの地上波で延々と中継されるので、カトリック関係者は「風紀を乱す」と眉をひそめる。
大都市では数万人の観客を収容する専用会場で行なわれ、パレードの完成度を競い合うトップリーグでは、数千人のメンバーからなる10前後のチームが巨大にして華美な山車を仕立て、歌い踊りながら練り歩く。単なるお祭りではなく採点競技で、順位が付けられる。優勝チームは巨額の賞金を獲得するが、下部リーグへの降格もある。
今年の日程は、2月28日から3月4日まで。ロナウジーニョが北東部サルバドールのカーニバルに出演することが、話題となっている。
30年来のサッカーファンなら、1999年、フィオレンティーナ在籍中のエジムンド(元東京ヴェルディ、元浦和レッズ)が優勝争いをしていた真っ只中に帰国し、カーニバルを楽しんで地元メディアとファンを激怒させたことを覚えているのではないか。この一件で彼はシーズン終了後の退団を余儀なくされたが、本人は「全く後悔していない」と平然としていた。
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4年に1度のワールドカップは、セレソンが勝つと国中が沸き立ち、夜通し勝利を祝う。そして毎年、国中のほぼすべての機能が止まる数日間がある。それがカーニバルだ。
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ただし、現在では宗教色はほとんどない。対照的にグラマラスな女性が全裸に近い格好で官能的にサンバを踊り、それがテレビの地上波で延々と中継されるので、カトリック関係者は「風紀を乱す」と眉をひそめる。
大都市では数万人の観客を収容する専用会場で行なわれ、パレードの完成度を競い合うトップリーグでは、数千人のメンバーからなる10前後のチームが巨大にして華美な山車を仕立て、歌い踊りながら練り歩く。単なるお祭りではなく採点競技で、順位が付けられる。優勝チームは巨額の賞金を獲得するが、下部リーグへの降格もある。
今年の日程は、2月28日から3月4日まで。ロナウジーニョが北東部サルバドールのカーニバルに出演することが、話題となっている。
30年来のサッカーファンなら、1999年、フィオレンティーナ在籍中のエジムンド(元東京ヴェルディ、元浦和レッズ)が優勝争いをしていた真っ只中に帰国し、カーニバルを楽しんで地元メディアとファンを激怒させたことを覚えているのではないか。この一件で彼はシーズン終了後の退団を余儀なくされたが、本人は「全く後悔していない」と平然としていた。
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選手のみならず、サポーターもカーニバルに熱狂する。コリンチャンスとパルメイラスのサポーターグループ(ガヴィオンエス・ダ・フィエルとマンシャ・ヴェルジ)はサンバチームを持ち、サンパウロのカーニバル(トップリーグ)の常連。前者は4度、後者は2度優勝している。
カーニバルの結果が、フットボールに決定的な影響を与えたことがある。1995年、ガヴィオンエス・ダ・フィエル(直訳すると『忠義のタカ』)が力強いがどこか哀愁の漂うメロディーに「一緒に空を駆けよう。俺たちはタカだ。優勝カップを掲げるぞ」というフレーズが印象的なオリジナル・ソングを前面に押し出してカーニバルで初優勝。サポーターは沸き立った。
カーニバル終了後、シーズンが再開されるとスタンドは超満員。カーニバルを制覇した曲を大合唱する(僕はコリンチャンス・ファンではないが、魂のこもった歌声に鳥肌が立った)。これを聞いて選手も奮い立ち、気迫に満ちた攻撃で得点を奪う。するとスタンドはさらに盛り上がり、チームも勢いづいて追加点を叩き込む――そんな勝ちパターンが生まれた。
このシーズン、コリンチャンスはコパ・ド・ブラジルで強豪を次々に撃破して優勝すると、サンパウロ州リーグでも決勝で宿敵パルメイラスを撃破。サポーターの先導で二冠を達成した印象があった。
コリンチャンスは、カーニバルで優勝した4年でブラジル全国リーグを1回、コパ・ド・ブラジルを2回、州リーグを3回制していて、パルメイラスもカーニバル優勝の2年でブラジル全国リーグを1回、州リーグを1回制覇。「サポーターがカーニバルで優勝すると、チームも好成績を残す」のが通例となっている。
1995年の快挙から30年。ガヴィオンエスとコリンチャンスはその再現を、マンシャとパルメイラスは雪辱を狙っている。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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カーニバル終了後、シーズンが再開されるとスタンドは超満員。カーニバルを制覇した曲を大合唱する(僕はコリンチャンス・ファンではないが、魂のこもった歌声に鳥肌が立った)。これを聞いて選手も奮い立ち、気迫に満ちた攻撃で得点を奪う。するとスタンドはさらに盛り上がり、チームも勢いづいて追加点を叩き込む――そんな勝ちパターンが生まれた。
このシーズン、コリンチャンスはコパ・ド・ブラジルで強豪を次々に撃破して優勝すると、サンパウロ州リーグでも決勝で宿敵パルメイラスを撃破。サポーターの先導で二冠を達成した印象があった。
コリンチャンスは、カーニバルで優勝した4年でブラジル全国リーグを1回、コパ・ド・ブラジルを2回、州リーグを3回制していて、パルメイラスもカーニバル優勝の2年でブラジル全国リーグを1回、州リーグを1回制覇。「サポーターがカーニバルで優勝すると、チームも好成績を残す」のが通例となっている。
1995年の快挙から30年。ガヴィオンエスとコリンチャンスはその再現を、マンシャとパルメイラスは雪辱を狙っている。
文●沢田啓明
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。
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