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多くの好機演出のトリガーとなった二列目の3人。開幕のアウェー神戸戦で見えた浦和の戦略と新戦力の可能性

カテゴリ:Jリーグ

河治良幸

2025年02月16日

M・サヴィオは“ヤードを稼ぐ”ドリブルができる

開幕戦は敵地で昨季王者の神戸とスコアレスドローの浦和。貴重な勝点1を持ち帰った。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

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 昨年夏に再任したマチェイ・スコルジャ監督の実質3年目となるシーズン。浦和は堅守のベースは継続しながらも、いかに攻撃を改善して、得点力をアップさせるかがキャンプからのテーマになっていた。

 その基準で見れば、開幕戦でJ1王者の神戸を相手に、堅実な守備とセカンドボールを起点とした効果的な攻撃で、前半だけで見ればシュート数10対0というスタッツを生み出せたことは非常にポジティブだ。

 そのきっかけを作ったのが、新戦力のマテウス・サヴィオ、松本泰志、金子拓郎という三枚のビッグピースだ。4-2-3-1の二列目に並んだ3人は、1トップのチアゴ・サンタナとともに、高いポジションから神戸の最終ラインとアンカーの扇原貴宏にプレッシャーをかける。ロングボールをセンターバックのマリウス・ホイブラーテンや新外国人ダニーロ・ボザが跳ね返せば、2ボランチの渡邊凌磨と安居海渡を中心にセカンドボールを回収して、主に左のM・サヴィオと右の金子に預けるという狙いが明確だった。

 理想は、高い位置で奪ってショートカウンターで仕留めることだが、この神戸戦は相手の圧力もあるなかで、自陣でボールを奪ったところから、広いエリアを使ってのロング気味のカウンターがチャンスにつながることが多かった。

 たとえば開始4分に、後方から佐々木大樹を目掛けたロングボールの流れで、関根貴大の縦パスが自陣でカットされた直後の渡邊と安居によるボール奪取から、T・サンタナが受けて前に運び、左サイドバックの荻原拓也がクロスに持ち込んだシーンは象徴的だった。

 また8分には、大迫勇也の右サイド突破からクロスで神戸のビッグチャンスになりかけたところを、ボザがダイビングヘッドでクリアし、自陣で拾ったM・サヴィオが50メートルのドリブルから右足アウトでスルーパスを通し、松本のポスト直撃の決定機につながった。
 
 大迫や前年度MVPの武藤嘉紀、そしてインサイドハーフから前線に出てくる佐々木など、神戸の攻撃圧力を抑えるのがチームのタスクにあるなかで、いかに奪ったボールをチャンスに繋げるかという共通理解がしっかりしていたことが、前線の良い流れを生んだと言える。

 そうした戦い方で多くのチャンスを生むトリガーとなったのが、やはり二列目の3人だ。

 M・サヴィオはボールを持てば相手に奪われないだけでなく、確実にボールを運んで、高い位置に起点を作ることができる。アメリカン・フットボールやラグビーに例えるならば、いわゆる“ヤードを稼ぐ”ドリブルができる。

 右サイドの金子はより縦の突破を意識したドリブルを得意としながら、ダイアゴナルランでも違いを作ることが可能だ。そして“10番”ポジションを担う松本は常に動いて相手ディフェンスに混乱を与えながら、タイミング良くゴール前に顔を出せる。

 こうしたタレントが二列目に揃っているからこそ、ボランチの2人はとにかくボールを回収して、なるべくシンプルにボールを預けることに意識を持てるわけだ。そしてどちらかと言えば、ターゲットマンのキャラクターはない1トップのT・サンタナも、基本は深みを取りながらボールに絡んで、松本と入れ替わるなど、昨シーズンと違ったオーガナイズでフィニッシュに関わる意識が見て取れた。

【画像】開幕から熱い声援を響かせる浦和レッズサポーター
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