「ネガティブな心や言葉を燃料にすればするほど、強く大きく燃え上がって走ります」
【不屈のストライカー特別インタビュー(4回/全10回)】
不屈の闘志で成り上がり、その左足で光と影を目定めた李忠成。ユニホームを脱いだ2023年9月からは新たなステージで挑戦を続けている。特別インタビューで胸の内に迫った。
――◆――◆――
李氏は「目標を持つ」ことは大前提として、「目標に向かって何の燃料を積むか」が重要だと考えている。その理由として、本田圭佑ら北京五輪を共に戦った仲間たちがステップアップし、メンバーに選ばれていたのに対し、自身はパブリックビューイングで画面越しに見つめていた2010年の南アフリカ・ワールドカップを振り返り、こう語った。
「僕はいつも列車に例えるんですけど、何の燃料を積むかによって、目標に行くスピードは全く変わってきます。その燃料はキラキラした『僕はこうなりたい』『楽しいことが待ってる』とかじゃなくて、『悔しい』『悲しい』『ふざけんなよ』っていう、ある意味ネガティブな心や言葉を燃料にすればするほど、強く大きく燃え上がって走ります。僕にとってその燃料が、南アフリカ・ワールドカップの日本代表ですね」
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
不屈の闘志で成り上がり、その左足で光と影を目定めた李忠成。ユニホームを脱いだ2023年9月からは新たなステージで挑戦を続けている。特別インタビューで胸の内に迫った。
――◆――◆――
李氏は「目標を持つ」ことは大前提として、「目標に向かって何の燃料を積むか」が重要だと考えている。その理由として、本田圭佑ら北京五輪を共に戦った仲間たちがステップアップし、メンバーに選ばれていたのに対し、自身はパブリックビューイングで画面越しに見つめていた2010年の南アフリカ・ワールドカップを振り返り、こう語った。
「僕はいつも列車に例えるんですけど、何の燃料を積むかによって、目標に行くスピードは全く変わってきます。その燃料はキラキラした『僕はこうなりたい』『楽しいことが待ってる』とかじゃなくて、『悔しい』『悲しい』『ふざけんなよ』っていう、ある意味ネガティブな心や言葉を燃料にすればするほど、強く大きく燃え上がって走ります。僕にとってその燃料が、南アフリカ・ワールドカップの日本代表ですね」
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
では、李氏の列車のタイプは何なのか。「各停よりも、急行、特急タイプ?」と尋ねると、思いがけず「ストライカーとエゴ」の話に繋がった。
「僕は特急ですね。ピュって行って、燃料がなくなったらずっと止まっちゃうタイプです。それは性格ですね。僕の場合は、ストライカーだけどハットトリックを達成したことがないんです。興梠慎三も10年以上ずっとなかったんですよ。僕たち2点で満足しちゃうんです。なぜかというと、自分のためではなく、チームを勝たせるためにやっているからです。2点取れば勝ちはほぼ確定なので、違う選手がもう1点取ったら3-0で勝てるってなるんです。
横にチームメイトがいて確率が高いんだったら、その選手にパスを出すのがストライカーだと思うんです。自分が点を取ることが全てじゃなくて、チームの勝利を1番に思っているストライカーが本当に強いストライカーだと思うので、その定義を変えたいですよね。
エゴは当たり前に持っているものです。でも自分がなりふり構わずシュートを打つよりも、パスを選択する。なりふり構わずバーンって打って入る時もあるけど、確率的には絶対落ちますね。100回打ったら、パスを出した方が得点する確率が高いと思います。そのエゴの中にも隣の選手、確率が高かった選手を見えているか見えていないかは、スキルレベルとまた全然違う話になってくるので、やっぱストライカーはエゴが全てではないです。
日本人だからこそ、それを言いたい。身体のスペックが違うから。大谷翔平君みたいな選手が出てきたら話はまた別ですけどね。日本人で(アーリング・)ハーランドみたいな選手が。日本人の身体のスペックを考えた時に、チームで戦わなきゃワールドカップで優勝させるストライカーにはなれないんじゃないかなと僕は思いますね」
「僕は特急ですね。ピュって行って、燃料がなくなったらずっと止まっちゃうタイプです。それは性格ですね。僕の場合は、ストライカーだけどハットトリックを達成したことがないんです。興梠慎三も10年以上ずっとなかったんですよ。僕たち2点で満足しちゃうんです。なぜかというと、自分のためではなく、チームを勝たせるためにやっているからです。2点取れば勝ちはほぼ確定なので、違う選手がもう1点取ったら3-0で勝てるってなるんです。
横にチームメイトがいて確率が高いんだったら、その選手にパスを出すのがストライカーだと思うんです。自分が点を取ることが全てじゃなくて、チームの勝利を1番に思っているストライカーが本当に強いストライカーだと思うので、その定義を変えたいですよね。
エゴは当たり前に持っているものです。でも自分がなりふり構わずシュートを打つよりも、パスを選択する。なりふり構わずバーンって打って入る時もあるけど、確率的には絶対落ちますね。100回打ったら、パスを出した方が得点する確率が高いと思います。そのエゴの中にも隣の選手、確率が高かった選手を見えているか見えていないかは、スキルレベルとまた全然違う話になってくるので、やっぱストライカーはエゴが全てではないです。
日本人だからこそ、それを言いたい。身体のスペックが違うから。大谷翔平君みたいな選手が出てきたら話はまた別ですけどね。日本人で(アーリング・)ハーランドみたいな選手が。日本人の身体のスペックを考えた時に、チームで戦わなきゃワールドカップで優勝させるストライカーにはなれないんじゃないかなと僕は思いますね」