「考え過ぎていた」考えることを“止めた”エムバペがついに本領を発揮【現地発】

カテゴリ:海外日本人

エル・パイス紙

2025年02月05日

脳は限界まで追い込まれると、信じられない働きをする

ゴールを量産し始めたエムバペ。(C)Getty Images

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 先日、レアル・マドリーのキリアン・エムバペが興味深いことを言った。

「僕はシャイな選手ではない。でも近年、すべてを勝ち取ったマドリーのようなチームに加入するからには、謙虚さを持っていなければならなかった。俺にパスを出せと言える立場ではなかった」と大衆受けする発言をした後のことで、見逃される結果になったが、その言葉は示唆に富んでいた。

「僕はどうやってやるべきかを考えすぎていた。スペースに入るべきか、ヴィニ(ヴィニシウス・ジュニオール)のエリアに行くべきか、ロドリゴのエリアに行くべきか……とね。考えすぎると、自分のプレーに集中できなくなってしまう」

 私はその説明を聞いて、ラファエル・ナダルだったかカルロス・アルカラスだったか忘れてしまったが、試合中、考えることができるのはポイントの間だけで、プレー中は何も考えていないというあるトップクラスのあるテニスの選手の話を思い出した。
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 確かにそうだ。ボールはものすごいスピードで飛んでくるし、身体は素早く反応するよう準備しているので、考える時間は0.1秒もない。そのような状況では、無意識的な反応と驚異的な本能に基づいて動く以外にない。

 脳は限界まで追い込まれると、信じられない働きをする。極度のプレッシャーがかかる場面では、まるで神様がくれたような能力を発揮する。しかし考え過ぎると、同じ選手がまるで世界で最も救いようのない存在に成り下がることもある。序盤のエムバペはその兆候に陥っていた。

自慢の身体能力を発揮していたが、フル回転の状態ではなかった。意欲を見せていたが、信念が足りなかった。だから決定力が低下し、自信を喪失していた。

 今頃は亡命しているかもしれないあるコラムニストは、マドリーには問題があり、それはエムバペだとまで言い切った。わずか数週間前のことだ。サッカー界の変化の速度は研究に値する。

 エムバペのオフザボールの動きには、文化があり、遺産があり、そして核爆弾がある。時にはボールが届かなくても、脅威を与えることだってできる。

 バレンシア戦(マドリーが2-1で勝利)でその典型的なプレーがあった。後半アディショナルタイムに、相手GKとの1対1のチャンスを迎えたベリンガムの背後をビュンと飛ぶように横切り、ゴールになりやすい状況を作った。ほんの一瞬の美しいダイアゴナルランだった。 
 
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