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あれから2年。前回は新参者だった髙橋仁胡が、今回は経験者としてまとめる立場に。「アジアカップは負けたら終わり。その重要性も伝えないと」【U-20代表】

カテゴリ:日本代表

松尾祐希

2025年02月05日

心身ともに充実した状態で合流

リーダーの自覚は十分の髙橋。積極的に仲間に声をかける姿も。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 バルセロナのカンテラで育ち、現在はセレッソ大阪に所属するDF髙橋仁胡が、自身2度目のアジアの戦いを見据えてギアを上げている。

 船越優蔵監督が率いるU-20日本代表は2月1日から活動をスタートさせ、同14日に初戦を迎えるU-20アジアカップ(今年9月に開幕するU-20ワールドカップのアジア最終予選を兼ねる)に向けて精力的に汗を流している。

 ACLエリートに出場する川崎フロンターレのFW神田奏真やACL2に参戦するサンフレッチェ広島のMF中島洋太朗とFW井上愛簾は合流できていないが、その他の20名は8日まで千葉県内を拠点に調整中だ。

 参加16チーム中で上位4か国がワールドカップの出場権を手に入れられるU-20アジア杯で、まず日本は4チームで争われるグループステージで上位2か国に与えられるノックアウトステージ進出を目ざすことになる。

 準々決勝で勝利すれば、無事に世界大会への扉が開かれるが、アジアの戦いは簡単ではない。一筋縄ではいかない。その厳しさを最も知るのが、前回のU-20アジア杯とU-20W杯を飛び級で経験した髙橋だ。

 左SBを主戦場とするレフティは前回のU-20アジア杯でメンバー入りを果たし、5試合中4試合に出場。代表に招集されるようになってから日は浅かったものの、大会中に冨樫剛一監督の信頼を獲得。U-20W杯でも主力としてプレーした。

 あれから2年。今度は自分の世代でアジアの舞台に挑む。前回は新参者で必死にプレーしたが、今回は経験者としてチームをまとめる立場。与えられた役割は変わり、リーダーとして仲間を導くことが求められる。そこは本人も理解していると話す。

「前回は17歳で大会に参加して、やっぱり緊張もしていたし、プレッシャーもかかっていた。最初は結構、自分のプレーができていなかった。でも、今回は前の経験があるからうまくできると思う。今回、初めてアジアカップを戦う選手には『こういう大会だよ』というのを伝えないといけない。アジアカップは負けたら終わり。その重要性も伝えないといけない」
【画像】ワールドカップの出場権をかけてアジアカップに挑むU-20日本代表招集メンバーを一挙紹介!
 自覚は十分。今回の活動でもトレーニングや練習試合を通じて、積極的に仲間に声をかける髙橋の姿があった。

 たとえば、前回大会の自身と同じように、飛び級で参加しているMFニック・シュミットにも声をかけるなど、溶け込みやすい雰囲気作りに努めている。

 もちろん、プレー面でも引っ張る立場だ。昨夏にバルセロナのフベニールA(U-19チーム相当)からC大阪に加入。プロとして新たな一歩を踏み出した。

 昨季は公式戦に出場することは叶わなかったものの、アーサー・パパス監督が就任した今季は好調をキープ。「監督が代わって、プレーも変わった。今年はチャンスがあると感じている」と手応えを掴んでおり、「サイドバックはフリーに動いていいところもあって、面白さがある。スペースを探して入っていけるので、バルセロナでやってきたサッカーに近い」と新たな可能性を感じている。

 フィジカル面でもこの1年で体重が2キロ増加。特に筋肉量がアップし、特長のひとつであるスプリント能力にも磨きがかかった。心身ともに充実した状態でU-20日本代表に合流できたのは大きい。

 準備は整った。バルサ育ちの左SBはチームを勝利に導けるか。精神的支柱として、より逞しくなった髙橋の姿に注目したい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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