攻撃的な4か国が集ったグループの6試合総得点は驚異の23!

このベルギー戦で早くも4得点のプラティニ。神懸かり的な活躍を見せた彼はこの後、さらに5つのゴールを挙げることになる。 (C) SOCCER DIGEST

その驚異的な攻撃力でデンマークは脚光を浴びた。中央で喜ぶのは、引退後にトッテナム、チェルシー、ハンブルクなどでディレクターとして辣腕を振るったアルネセン。 (C) SOCCER DIGEST
EURO84では、8チームが2組に分かれてグループステージを戦ったが、グループ1と2では、繰り広げられた試合の内容が実に対照的なものとなった。
スペイン、ポルトガル、西ドイツ、ルーマニアで構成されたグループ2は堅実な試合が多く、6試合の合計得点は9であり、最多でもスペインの3ゴールというもの。対するグループ1で決まったゴールの合計は、なんと倍以上の23(!)だった。
開催国フランス、デンマーク、ベルギー、ユーゴスラビアという、攻撃的なチームが揃ったとはいえ、ここまでゴールが決まるとは……。何しろ、フランスだけでグループ2の総得点と同じ数字を記録したのである。
第1節、フランスはデンマークとの白熱した開幕戦を1-0で制し、ベルギーはユーゴを2-0で下していた。
そして迎えた第2節。6月16日に行なわれたグループ1の2試合で、壮大なるゴールショーが展開された。
最初はフランス対ベルギー戦だ。口火を切ったのはミシェル・プラティニ。3分、FKからアラン・ジレスの強烈なシュートがクロスバーにはね返されたところを拾い、軽やかなステップから左足でゴール左隅に叩き込んだ。
32分にジレスのループ気味のシュート、44分にルイ・フェルナンデスのヘッドで追加点がもたらされ、前半のうちにフランスは勝利を決めてしまう。
しかし、攻撃の手を緩めず、74分にプラティニがGKジャンマリー・プファフの逆を突いたPKを決め、さらに彼は終了間際にもFKからよくコントロールされたヘディングシュートを放ち、ハットトリックを達成した。
5-0の完勝。ゴールだけでなく、試合を通してフランスの芸術的な攻撃が展開されたことで、ナントのスタジアムは大いに盛り上がった。
この試合から3時間後、ナントから600キロほど離れたリヨンでは、デンマークがユーゴ相手にゴールの山を積み重ねていく。
バロンドール受賞歴もあるエースのアラン・シモンセンを開幕戦の骨折で欠いたデンマークだが、その攻撃力が低下することはなく、開始7分、フランク・アルネセンが強引な突破を試み、角度のない位置からGKの意表突くシュートで先制点を奪った。
18分には、猛威を振るった2トップ、エルケーア・ラルセンとミカエル・ラウドルップのコンビプレーでこぼれた球を、猛然と突っ込んだクラウス・ベアグレーンが押し込んでリードを広げる。
ユーゴも反撃を見せ、何度も得点機を得るも、デンマークのGKオレ・クビストにそれらを阻まれる。後半もさらに攻勢を強めてゴールを狙ったが、逆に67分、PKを与えてしまう。これをアルネセンに決められた時点で、ほぼ勝敗は決した。
しかし、勢い付いたデンマークは止まらず、オープンな攻め合いのなかで、82分にエルケーア、その3分後にはヨーン・ラウリドセンが追加点を奪い、最終的にリードを5点に広げて大勝を収めた。
同日開催の2試合でともに5点が入るとは、そう滅多にあるものではないが、この3日後に行なわれたフランス対ユーゴ戦、デンマーク対ベルギー戦のスコアは、ともに3-2。またしても、10ゴールが生まれたのだった。
【回想】ファン・バステン(88年)、ガスコイン(96年)の美技
◎6月16日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1976年ユーゴスラビア大会
準決勝
チェコスロバキア 3(延長)1 オランダ
◇1984年フランス大会
グループステージ
フランス 5-0 ベルギー
デンマーク 5-0 ユーゴ
◇1996年イングランド大会
グループステージ
ドイツ 3-0 ロシア
クロアチア 3-0 デンマーク
◇2000年ベルギー・オランダ大会
グループステージ
フランス 2-1 チェコ
オランダ 3-0 デンマーク
◇2004年ポルトガル大会
グループステージ
ギリシャ 1-1 スペイン
ポルトガル 2-0 ロシア
◇2008年オーストリア・スイス大会
グループステージ
クロアチア 1-0 ポーランド
ドイツ 1-0 オーストリア
◇2012年ポーランド・ウクライナ大会
グループステージ
チェコ 1-0 ポーランド
ギリシャ 1-0 ロシア
※日付は全て現地時間
スペイン、ポルトガル、西ドイツ、ルーマニアで構成されたグループ2は堅実な試合が多く、6試合の合計得点は9であり、最多でもスペインの3ゴールというもの。対するグループ1で決まったゴールの合計は、なんと倍以上の23(!)だった。
開催国フランス、デンマーク、ベルギー、ユーゴスラビアという、攻撃的なチームが揃ったとはいえ、ここまでゴールが決まるとは……。何しろ、フランスだけでグループ2の総得点と同じ数字を記録したのである。
第1節、フランスはデンマークとの白熱した開幕戦を1-0で制し、ベルギーはユーゴを2-0で下していた。
そして迎えた第2節。6月16日に行なわれたグループ1の2試合で、壮大なるゴールショーが展開された。
最初はフランス対ベルギー戦だ。口火を切ったのはミシェル・プラティニ。3分、FKからアラン・ジレスの強烈なシュートがクロスバーにはね返されたところを拾い、軽やかなステップから左足でゴール左隅に叩き込んだ。
32分にジレスのループ気味のシュート、44分にルイ・フェルナンデスのヘッドで追加点がもたらされ、前半のうちにフランスは勝利を決めてしまう。
しかし、攻撃の手を緩めず、74分にプラティニがGKジャンマリー・プファフの逆を突いたPKを決め、さらに彼は終了間際にもFKからよくコントロールされたヘディングシュートを放ち、ハットトリックを達成した。
5-0の完勝。ゴールだけでなく、試合を通してフランスの芸術的な攻撃が展開されたことで、ナントのスタジアムは大いに盛り上がった。
この試合から3時間後、ナントから600キロほど離れたリヨンでは、デンマークがユーゴ相手にゴールの山を積み重ねていく。
バロンドール受賞歴もあるエースのアラン・シモンセンを開幕戦の骨折で欠いたデンマークだが、その攻撃力が低下することはなく、開始7分、フランク・アルネセンが強引な突破を試み、角度のない位置からGKの意表突くシュートで先制点を奪った。
18分には、猛威を振るった2トップ、エルケーア・ラルセンとミカエル・ラウドルップのコンビプレーでこぼれた球を、猛然と突っ込んだクラウス・ベアグレーンが押し込んでリードを広げる。
ユーゴも反撃を見せ、何度も得点機を得るも、デンマークのGKオレ・クビストにそれらを阻まれる。後半もさらに攻勢を強めてゴールを狙ったが、逆に67分、PKを与えてしまう。これをアルネセンに決められた時点で、ほぼ勝敗は決した。
しかし、勢い付いたデンマークは止まらず、オープンな攻め合いのなかで、82分にエルケーア、その3分後にはヨーン・ラウリドセンが追加点を奪い、最終的にリードを5点に広げて大勝を収めた。
同日開催の2試合でともに5点が入るとは、そう滅多にあるものではないが、この3日後に行なわれたフランス対ユーゴ戦、デンマーク対ベルギー戦のスコアは、ともに3-2。またしても、10ゴールが生まれたのだった。
【回想】ファン・バステン(88年)、ガスコイン(96年)の美技
◎6月16日に行なわれた過去のEUROの試合
◇1976年ユーゴスラビア大会
準決勝
チェコスロバキア 3(延長)1 オランダ
◇1984年フランス大会
グループステージ
フランス 5-0 ベルギー
デンマーク 5-0 ユーゴ
◇1996年イングランド大会
グループステージ
ドイツ 3-0 ロシア
クロアチア 3-0 デンマーク
◇2000年ベルギー・オランダ大会
グループステージ
フランス 2-1 チェコ
オランダ 3-0 デンマーク
◇2004年ポルトガル大会
グループステージ
ギリシャ 1-1 スペイン
ポルトガル 2-0 ロシア
◇2008年オーストリア・スイス大会
グループステージ
クロアチア 1-0 ポーランド
ドイツ 1-0 オーストリア
◇2012年ポーランド・ウクライナ大会
グループステージ
チェコ 1-0 ポーランド
ギリシャ 1-0 ロシア
※日付は全て現地時間