末怖ろしい17歳だ。

　現地時間１月15日、コパ・デル・レイ４回戦でバルセロナがベティスと対戦。12月のリーグ戦（16節）では２－２の引き分けに終わっている相手との再戦で、特大の輝きを放ったのが、17歳のラミネ・ヤマルだ。

　１点リードの27分、ペドリからパスを受けたヤマルは、抜け出したジュル・クンデへダイレクトで絶妙な浮き球のパスを送り、追加点をアシスト。さらに前半終了間際にも、右サイドでタメを作り、クンデがネットを揺らしたシーンをお膳立てする。これはクンデのオフサイドでノーゴールとなったものの、前半から圧倒的な存在感で試合を支配する。

　後半に入ってもスペイン代表アタッカーの支配力は衰えない。55分、フレンキー・デ・ヨングの浮き球のパスに抜け出すと、利き足ではない右足のダイレクトボレーでサイドネットにシュートを突き刺す。しかしVARが介入し、直前のプレーでオフサイドがあったとのことでこれも取り消しになる。

　それでも58分、コーナーキックのこぼれ球に素早く反応し、カウンターを敢行。自陣ペナルティーエリア手前から敵陣ペナルティーエリア手前まで単独で持ち運ぶと、自身のシュートはうまく足に当たらずも、そのルーズボールにラフィーニャが反応してゴールを決める。

【動画】”ヤマル無双”のベティス戦ハイライト

　さらに１点を追加して４－０で迎えた75分、フェルミン・ロペスのスルーパスに抜け出したヤマルは、見事なファーストタッチから左足でチーム５点目をゲット。一度は副審がフラッグを上げてオフサイドの判定が下されたものの、VARチェックの末に覆り、今度こそ得点が認められた。

　バルサはその後PKで１失点を喫したが、５－１で大勝。準々決勝へと駒を進めた。この試合で１ゴール・１アシストを記録し、ピッチ上で何度も違いを作り続けたヤマルに対して、スペイン紙『ムンド・デポルティボ』は「圧倒的なファンタジーを見せた」「この17歳はもはや止めるのは不可能だ」と絶賛。

　12日のスーペルコパ決勝でも、レアル・マドリー相手に巧みなドリブルから１ゴールを挙げ、今シーズンの初タイトルに貢献したヤマル。もはやこのレベルの活躍では驚かないタレントになっているが、まだ17歳。冷静になって考えると、やはり末怖ろしい。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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