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ブライトンは9試合ぶり勝利も、三笘薫に満足感はなし。「結果を出せる選手が出るべき」と自らを奮い立たせる【現地発】

カテゴリ:海外日本人

田嶋コウスケ

2025年01月14日

ダブルマークに苦しみ、“らしさ”は見られず

ノーリッジ戦で先発復帰の三笘。見せ場は限られたが、献身的な守備で勝利に貢献した。(C)Getty Images

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 ブライトンの三笘薫に満足感は微塵もなかった。

 1月11日に行なわれたFA杯3回戦のノーリッジ戦。ブライトンは、イングランド2部で11位につけるノーリッジの本拠地キャロウ・ロードに乗り込んだ。プレミアリーグの直近2試合でベンチスタートだった三笘はこの試合で先発に復帰し、4-4-2の左MFとしてスタメンに名を連ねた。

 結論から言うと、三笘はノーリッジ戦で大きなインパクトを残せなかった。22分に左サイドからスピードに乗ったランでDFをかわし、さらにゴールライン付近までえぐってクロスボールを入れた。だが、ジョルジニオ・ルターのシュートは敵に止められる。

 その1分後には、三笘はヤシン・アヤリのスルーパスから縦のスペースにフリーラン。最終ラインの背後に抜けてゴール前にクロスを入れたが、相手にクリアされた。

 それ以外は目立つシーンがほとんどなく、むしろ三笘にボールが渡らない場面の方が目についた。対峙した相手SBのジャック・ステイシーに常にマークされ、相手のウインガーも寄せてくるダブルマークに苦しんだ事情はあるが、三笘のプレーに“らしさ”は見られなかった。

 だがチームは4-0で快勝し、公式戦で9試合ぶりの勝利を掴んだ。試合後のピッチでは三笘も笑顔を見せ、仲間たちと次々とハグを交わしていた。しかし試合終了から約35分後に行なわれた質疑応答で、三笘に笑顔はなかった。日本代表アタッカーは次のように振り返る。

「アウェーで難しい試合でしたけど、自分たちのペースに持っていけたところと、先制点を取れたのが大きかった。(記者:久しぶりの勝利で、控え室にも笑顔が戻った感じですか?)勝たないといけなかった相手ですし、勝利はノルマかなと思っています」
 
 厳しい表情で試合を振り返った三笘は、試合で守備に追われる場面が多かった。

 ノーリッジを率いるのは、弱冠35歳のデンマーク人、ヨハネス・ホフ・トールップ監督。ポゼッションサッカーを志向しているのは、アーセナルで「天才MF」として名を馳せたジャック・ウィルシャーを昨年10月にコーチとして招き入れたことでも分かる。最終ラインからのビルドアップでは、ブライトンのプレスに臆することなくショートパスを繋いだ。

 SBの攻撃参加も少なくなく、三笘は相手のランについていき自陣深くまで守備に走った。「ノーリッジの繋ぐサッカー」と「自身の守備タスク」について、27歳のアタッカーは次のように語った。

「ビルドアップがうまいチームというのは分かっていた。サイドバックも高い位置にポジションを取りますし、そこをケアしながらやっていた。そういうところで、(相手のSBとウインガーの)2人を見たりするところに難しさはありましたけど、(監督からは)まずそこを求められているので。そこをやってから、プラスとして色々なことができればいい」

 今季の三笘は、ファビアン・ヒュルツェラー監督が求める「守備タスク」をいかにこなすかが大きなポイントになっている。守備をこなしてからの攻撃。実際、ノーリッジ戦では4-0の自軍リードで迎えた後半アディショナルタイムでも、相手SBの駆け上がりに自陣深くまで守備に戻る三笘の姿があった。

 チーム視点から言えば、三笘の献身的な守備が4-0の完封勝利につながった。しかし、三笘個人の視点から評すると、攻撃面で大きな見せ場を作れなかった。

 三笘が追い求めているのは、チームの勝利はもちろんのこと、自身の攻撃面でのインパクトやゴール・アシストの結果だ。こうした理由から、ノーリッジ戦後の三笘に満足感はなかったのである。

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