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多くのプロを輩出した名伯楽も太鼓判。“赤い彗星のファンタジスタ”児玉愁都が絶大な存在感。巧さだけでなく、怖さも示せるか【選手権】

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2025年01月02日

「ミドルシュートを打てよぉ」

今大会は主にジョーカーとして効果的な働きを見せている児玉。写真:鈴木颯太朗

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[高校選手権・2回戦]東福岡(福岡)1-0 阪南大高(大阪)/1月2日/駒場浦和スタジアム

 ボールを持てば、何かをやってくれそうな期待感がある。ドリブルで仕掛けると、観衆が沸いた。選手権制覇3度の東福岡で面白い選手がいる。10番を背負うMF児玉愁都だ。

 1月2日に行なわれた高校サッカー選手権の3回戦。阪南大高との一戦で東福岡は開始8分にFW伊波樹生のゴールで先制したものの、20分以降は相手に攻め込まれるシーンが増加した。

 そこで流れを変えるべく、平岡道浩監督が前半37分に動く。右サイドハーフで投入された児玉は内側にポジションを取りつつ、持ち前のテクニックで攻撃をリードする。「ドリブルで流れを変えられたらと思っていた」とは児玉の言葉。パスを受ければ、巧みなスキルで相手の懐に潜り込んで前にボールを運んでいく。

 DFに囲まれても、簡単には取られない。164センチの身体をうまく使いながらキープし、主導権を奪い返す原動力となった。後半もボールの収まりどころとして機能し、ドリブル突破からチャンスを演出。追加点は奪えなかったが、児玉が示した存在感は絶大だった。

 創造性豊かなプレーで魅了する児玉は、県内のライバル・飯塚のお膝下にあるオリエントFC U-15の出身。中学時代の同級生の多くが同校に進学するなか、児玉はあえて東福岡を選択した。

「友だちはほとんど飯塚に行ったんですけど、逆に飯塚を倒したいと思って決めた」

 確固たる決意を持って“赤い彗星”のユニホームに袖を通した男は、1年次から経験を積み、迎えた今季は、かつて本山雅志や荒木遼太郎らが背負った伝統の背番号10を継承。4-1-4-1のシャドーを任され、最もプレッシャーを受ける場所で異彩を放った。

 夏以降は右サイドハーフにポジションを移し、選手権の県予選でも主軸のひとりとして活躍。3年ぶりとなる選手権出場に貢献した。
【動画】開始8分に伊波樹生が決勝弾! 東福岡vs.阪南大高ダイジェスト
 本大会では主にジョーカーとして起用され、2回戦の正智深谷戦(2-0)で先発した以外はここまですべて途中からの出場。「メンタルはブレずにやれている」と本人が振り返った通り、与えられた場所で持ち前の技術力を発揮している。

 先述の本山や荒木に加え、長友佑都らの育成に携わってきた指導歴約50年の志波芳則コミュニケーターも、児玉の実力を高く評価している。「あいつがボールを持つと面白いんだよねぇ」。現在はベンチに入らず、スタンドからチームを見守っている名伯楽も、児玉のプレーに思わず唸るほどだ。

 だが、児玉がもうひとつ上のステージを目ざすために、求められるものがあると志波氏は言う。それがミドルシュートの重要性だ。取材中に横を通った志波氏は、児玉にこんな言葉で発破をかけた。

「ミドルシュートを打てよぉ。お前さんが点を取るのを楽しみにしているんだから」

 その真意はこうだ。ドリブルで仕掛け、チャンスメイクできるのは分かっている。あとは得点力。「本当は良い右足を持っているんですよ」と志波氏が明かしたように、ミドルシュートの破壊力は十分で、打てないわけではない。ゴールへの意識が高まれば、相手も警戒する。プレーの選択肢が広がることに繋がり、より怖い選手になれるという算段だ。

 数々の選手をプロの世界に送り出してきた志波氏からも期待をかけられている児玉。選手権を制した15年度以来、日本一から遠ざかっている名門校を国立の舞台に導けるか。準々決勝の舞台では巧さだけではなく、怖さも示してチームに勝利を届けたい。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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