南雄太氏の引退試合が12月21日に開催された。南氏が在籍したクラブで共にプレーした選手で構成された「YUTA FRIENDS」と、U-20ワールドユース／U-23シドニー五輪世代を中心とした日本代表に関わるメンバーが集まった「BLUE LEGENDS」が対戦。90分で10－10と多くのゴールが生まれ、最後はPKで決着。「YUTA FRIENDS」が４－２で勝利した。

　この一戦でひとつの見せ場となったのが、最終盤のオウンゴールだ。「YUTA FRIENDS」のGK南氏は、掴んだボールを自分が守るゴールにスローインしたのだ。

　今や語り草となっているオウンゴールの再現。2004年５月の広島戦。当時は柏でプレーしていた南氏は、味方へのスローインを直前に“キャンセル”したが、誤って背後のゴールに投げ込んでしまった。

　ともすれば、触れてほしくない過去の失策かもしれないが、自らの晴れ舞台で南氏はそれを堂々と披露してみせた。どんな意図があったのか。試合後の会見で本人が明かす。

「引退試合が決まってから、いろんな人が『期待しています』と。『やりますよね』とか。これをやらないのはやっぱり、エンターテインメントとして“寒い”なと思ったので」
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　多くの人のリクエストに応えた。オウンゴール直後には、スタジアムの大型ビジョンに20年前の映像も流れる演出に観客はさらに沸いた。

「うまく盛り上がるように、演出の方と話しながら、ああいう形にして。本当に選手たちが協力してくれて、ああいうシチュエーションを作ってくれた」

　感謝を伝える南氏は「みんなで作ってくれた感じで、初めてオウンゴールをして良かったと思いました」と満面の笑顔を浮かべた。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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