• トップ
  • ニュース一覧
  • “注文の多い国オランダ”でストライカー小川航基は完成品に仕上げられつつある。「俺はともかくゴールを取りたい。だけど…使われなくなっちゃうんでね」【現地発】

“注文の多い国オランダ”でストライカー小川航基は完成品に仕上げられつつある。「俺はともかくゴールを取りたい。だけど…使われなくなっちゃうんでね」【現地発】

カテゴリ:海外日本人

中田徹

2024年09月29日

「綺世くんも、ここに来てプレースタイルが変わった」

試合後に会話をかわす小川(左)と上田(右)。日本代表コンビは特異なサッカー文化を持つ国で切磋琢磨を続けている。(C)Getty Images

画像を見る

 オランダでも「日本人ストライカーの対決」として注目を集めた9月28日のNEC対フェイエノールト戦は1−1の引き分けに終わった。前半はフェイエノールトの上田綺世が、後半は小川航基が見せ場を作ったものの、ゴールを決めるには至らなかった。
【画像】SNSフォロワー数が1700万超! スイス女子代表のブロンド美女、アリシャ・レーマンが魅せる厳選ショット集をお届け!

 前半はフェイエノールトが試合を支配した。上田のビッグプレーは10分。ボックス左側でDFを背負った上田は、左SBスマルからのパスを右足でトラップしてから、左足で反転シュート。そのシュートも抑えの利いたものだったが、GKのセーブに遭った。上田の持つ剛と柔が一瞬で表われたシーンだった。24分にも上田はGKと1対1になる場面を迎えたが、決め切れなかった。

「自分の特徴をチームメイトが理解して、良いパスをくれたのですが、それを決めることができませんでした。それが今日の結果(引き分け)にもつながったと思います」(試合後、現地テレビ局フラッシュインタビューの上田)

 チームが守勢に回ったこともあり、前半はボールに触れなかった小川だったが、後半立ち上がりから相手にとって脅威の男になった。47分、ようやくこの日、1本目のシュートを撃った小川はその1分後、右からのマイナス気味のクロスをダイレクトで右足を振り抜いた。「完全にイメージ通りだった」という一発は惜しくも右ポストに嫌われた。

 終了直前にも小川はCKから完璧なヘッドを見舞ったが、これもポストを直撃。「決定力が自分の良さとしているなかで、仕留め切れなかった。そこは課題として残ります」と小川は悔やんだ。

 若い頃からお互い切磋琢磨し、今は日本代表のチームメイトの上田は、小川のことをこう称えた。

「彼はいい選手ですし、今日はポストプレーも(良く)、チャンスも2回ポストに当たりアンラッキーでしたがチャンスメイクをしてました。お互いにいい刺激を与えられる関係だと思ってます」(同、上田)
 
 9月の日本対中国戦、バーレーン対日本戦では先発上田→交代小川という流れがあった。3CBシステムに目を向けると谷口彰悟(STVV)、町田浩樹(ユニオン)、板倉滉(ボルシアMG)と3枚のうち2人がベルギーリーグの選手だった。もちろん、冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(バイエルン)が負傷している台所事情があった。それでもベルギーリーグには渡辺剛(ヘント)や藤井陽也(コルトレイク)といった日本人のCBたちが現地で評価を高めている。

 偶然の要素もある。それでも9月シリーズの日本代表で「攻撃サッカーの国・オランダ」からストライカーが2人、「現実的に戦う国・ベルギー」から2人のCBが試合に絡み続けたのは、すべてが偶然とも言い切れない気がする。特にストライカーに対する要求が多岐に渡るオランダでは、日本人ストライカーの成長する伸びしろを刺激する良い環境だと思うのだ。そのことを小川に訊くと「僕はベルギーリーグのことをよく知らないので」と前置きして、オランダで感じたことを話してくれた。

「ヨーロッパにはプレミアリーグという最高峰のリーグがあって、オランダ、ベルギーもそうですがどこのリーグもイングランドを目ざして真似するじゃないじゃないですか。つまり、僕がオランダに来てから求められていることは、『サッカー界が求めている』ということ。

 じゃあ、ストライカーは何を求められるか。それはやっぱり前線のポストプレーで身体を張ったりして起点になること。綺世くんも、ここに来てすごく(DFを)背負う意識が出てプレースタイルが変わったりして、それ(=オランダで取り組んできたこと)を日本代表にすごく還元していると感じます。それが、“ああいうターン(NEC戦の前半10分)”だったり、僕自身のポストプレーだったり、いい部分としてプレーに表われている」
【関連記事】
「欧州組を呼ぶ意味がよく分かった」NEC小川航基が森保ジャパンから得た“リアルな刺激”「自分も食い込んでいきたい」【現地発】
「日本人ばっかり出して」「弱いじゃないか!」ファンが不満を抱いたSTVVが100周年で挑む“ユース育成改革”の全容~立石敬之CEOに訊く【現地発】
「Jリーグに帰ることになるかと…」欧州3年目、好機を掴んだ日本人SBの存在感がベルギーで増大中! 支えてくれた“同胞レジェンド”に感謝【現地発】
「サッカーは0.1秒で世界が変わる」欧州一年目の毎熊晟矢がさっそく躍動! オランダの首位チームで冴え渡る“非凡な予測力”【現地発】
断トツ最下位だったコルトレイクを1部残留に導いた藤井陽也。指揮官も「お前はもっと上でやれる」と太鼓判を押す特大のポテンシャル【現地発】

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ