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「脅威になり続けた」「タケが10番で輝いたのが最大の収穫」絶不調ソシエダで孤軍奮闘の久保建英に現地番記者は感服! 途中交代を疑問視「なぜかベンチに下げられた」

カテゴリ:海外日本人

ミケル・レカルデ

2024年09月25日

シルバの引退を境に採用されなくなっていたシステム

バジャドリー戦で81分までプレーした久保。(C)Getty Images

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 開幕6試合で1勝と追い込まれたレアル・ソシエダのイマノル・アルグアシル監督がバジャドリー戦で引き出しの奥にしまっていたシステムを再び持ち出した。中盤ダイヤモンド型の4-4-2だ。

 初めて導入したのは、2021-22シーズン終盤。膝の前十字靭帯断裂で戦線を離脱したミケル・オジャルサバルの不在をカバーするために考案されたが、実質、トップ下に配したダビド・シルバ中心のシステムと言っても過言ではなかった。

 実際、シルバの引退を境に、昨シーズンは採用されなくなっていた。しかしチームにはそのシルバ役を担える選手がいた。タケ・クボ(久保建英)だ。

 ひと昔前の10番は、まさに攻撃の中心だった。プレーに気品があり、クオリティはポケットからこぼれ落ちるほどに溢れていたが、同時に特権を持っていた。大抵の場合は、走ることをあまり好まず、泥臭い仕事はもっぱらチームメイトに任せていた。

 フィジカル的な要素がますます求められる現代サッカーにおいて、そうした旧来型の10番が絶滅危惧種となるのは自然な流れだった。あのリオネル・メッシですらベテランとなってピッチ上で歩く時間帯が増えると、所属チームのバルセロナはとりわけ運動量やプレー強度を要求される欧州の舞台で勝てなくなった。
 
 そんな中、トップ下のポジションで現代サッカーにマッチした10番像を見せたのがシルバだった。卓越した技術とアイデアで攻撃をリードしながら、相手にボールが渡れば、率先して守備に奔走する。そう、いつもタケが右サイドで実戦していることだ。

 タケはバジャドリー戦で10番として輝きを放った。あらゆるところに顔を出しながらボールを要求し、状況を素早く判断して左右に流れ、多くの危険を生み出した。もう少しシュートへの意識があってもよかったが、神出鬼没のゲームメイクでバジャドリーの脅威になり続けた。

 最初の見せ場は10分の縦突破からのクロス。相手GKのカール・ハインは左右に大きく振られ、オーリ・オスカールソンはほぼ無人のゴールに流し込めばよかったが、シュートは精度を欠いた。

 フィニッシュが甘く、タケのアシストがつかなかったのは28分のプレーも同じ。自陣でGKのクリアボールを拾うと、シェラルド・ベッカーの走る先のスペースへと測ったようなパスを送ったが、せっかくのGKとの1対1のチャンスも、もたついてシュートを打つのがワンテンポ遅れてしまい、セリム・アマラーのスライディングによるブロックを許した。
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