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飛び級合流2か月で台頭した新星。中学3年生で鹿島ユースのスタメンを張るFW髙木瑛人は何者か

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2024年07月24日

来年のU-17W杯出場も射程圏内

堂々としたプレーで存在感を放つ髙木。写真:松尾祐希

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 とにかく面構えがいい。物怖じせず先輩にパスを要求し、自分よりも大柄なDFにも怯まずに挑む。飛び級で合流して、わずか2か月。ジュニアユースに籍を置きながら、鹿島ユースでプレーするFW髙木瑛人(中3)が飛ぶ鳥を落とす勢いで成長を続けている。

 7月22日に開幕したクラブユース選手権(U-18)。今大会からレギュレーションが変更となり、ラウンド16が廃止。4チーム中1チームのみがノックアウトステージに進出し、準々決勝を戦うフォーマットになった。

 グループステージの初戦で鹿児島U-18に4-0で勝利した鹿島ユースは、23日に京都U-18と対戦。2-0で勝利し、勝点6に伸ばして首位をキープした。グループステージでは1つの負けも許されない状況となるなか、常勝軍団に彗星のごとく現われたアタッカーが、背番号56を背負う髙木だ。今年の春に中学3年生を迎えたばかりだが、U-18のカテゴリーでプレーしても遜色ないほど完成されている。

 馬力があり、球際の勝負でも競り負けない。推進力を活かした突破とボールキープで攻撃に関わり、隙あらば自らゴールを狙う。初戦に続いて京都戦も先発で起用された逸材は、得点源として活躍するU-16日本代表のFW吉田湊海(1年)とコンビを組んで好パフォーマンスを見せた。

 30分には左サイドでラストパスを受けると、カットインして右足でシュートを放つ。惜しくもDFにブロックされたが、複数のマークを1人で外すなど、単騎で打開できる能力も目を引いた。

 今年5月には2026年のU-17ワールドカップを目ざすU-15日本代表にも選出されており、順調に成長を遂げていけば、ひと世代飛び級で来年のU-17ワールドカップ出場も射程圏内だろう。
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 振る舞いを見ても、同世代の選手たちと比較して堂々としており、自らの言葉で伝える能力にも長けている。京都戦後に話を聞いた際も、はっきりとした受け答えで言葉を紡いでいた。

「自分は中3だけど、ジュニアユースの選手で1人だけU-18のクラブユース選手権に参加させてもらっている。ジュニアユース年代では得点を奪うことは当たり前だけど、こっちのステージでも得点を取らないといけない。でも、求められていることはたくさんあって、攻守の切り替えの速さもそうですし、守備の強度もかなり必要になる。やるべきことはジュニアユースとは全然違う」

 中学2年生だった昨冬にU-15高円宮杯でレギュラーとして優勝を経験し、現在もジュニアユースの所属。そんな髙木の転機になったのが、今から2か月前だ。ユースのトレーニングに招集されると、一つ上のステージで多くの刺激を受けた。

「柳澤敦監督からは背後を取り続けろと言われました。現役の頃から裏を取るのが上手な選手だったので、参考になる。(テクニカルアドバイザーの)小笠原満男さんからは守備のところ。現役の頃から凄かったので、そういうところは色々学ばせてもらいました」

 そうしたプレーが評価されて、6月29日のU-18高円宮杯プレミアリーグEASTの第10節・前橋育英戦(0-4)で途中からピッチに立って初出場を飾り、中断前最後のゲームとなった翌週の第11節・川崎U-18戦(4-3)では初先発ながら初得点を決めて、チームの勝利に貢献した。

 確実に結果を残し、このクラブユース選手権でもスタメンの座を確保。体力面は課題でフル出場は一度も果たせていないが、身体ができ上がってくれば、さらなる飛躍が見えてくる。

 鹿島に芽吹いた新たな才能は今後どのような成長を遂げていくのか。常勝軍団の背番号56のプレーから目が離せない。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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