GKとの1対1を冷静に制して先制弾
現状維持は衰退――。常に変化を求め、誰よりも成長するために努力を重ねてきた。新たな自分に出会うべく、広島ユースのFW井上愛簾(3年)は恵まれた環境で研鑽を積む。その成果は徐々に表われつつある。
7月22日に幕を開けた第48回クラブユース選手権(U-18)。山口県の維新みらいふスタジアムで行なわれた京都U-18とのグループステージ初戦。3-4-2-1の最前線を託された井上は、持ち前の強靭なフィジカルと推進力を武器にチャンスを創出。上々のスタートを切ると、前半15分に巡ってきた決定機をモノにする。
MF小林志紋(2年)がセカンドボールを中盤で拾うと、パスを受けたFW宗田椛生(2年)が前のスペースに蹴り出す。相手DFに当たり、チャンスは潰えたかに思われたが、ボールは井上の前に転がり込む。エリア内で収めると、GKとの1対1を冷静に制し、勝利を引き寄せる先制点をもぎ取った。
「自分の特長である(相手DFの)背後を取る動きができて、結果的に自分の前にボールが転がってきたので決めるだけでした」
冷静にゴールを分析した井上だが、以降も精力的に動いてチームを盛り立てる。球際の勝負では怯まずに競り、肉弾戦も厭わない。勢い余ってファウルになるシーンもあったが、熱いプレーで2-1の勝利に貢献した。
イランにルーツを持つ井上は昨秋のU-17ワールドカップに出場し、すでに来季のトップチーム昇格が内定しているストライカー。今季は2種登録されており、J1の舞台で2試合を経験している。
世代を代表するFWだが、昨季までは決定力不足が目立ち、守備面ではやや荒っぽさが否めなかった。だが、U-17ワールドカップでの経験やトップチームでのトレーニングを経て、変化が見られるようになりつつある。野田知監督も「シュートを外しまくっているところはある」と苦笑いしつつも、井上についてこう話す。
「強さや自信はトップに行って変わった。トップから戻ってくると変わったなというのを感じる。トップの選手と普段からバチバチやっていれば、同年代のゲームはなんとも思わなくなるので」
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MF小林志紋(2年)がセカンドボールを中盤で拾うと、パスを受けたFW宗田椛生(2年)が前のスペースに蹴り出す。相手DFに当たり、チャンスは潰えたかに思われたが、ボールは井上の前に転がり込む。エリア内で収めると、GKとの1対1を冷静に制し、勝利を引き寄せる先制点をもぎ取った。
「自分の特長である(相手DFの)背後を取る動きができて、結果的に自分の前にボールが転がってきたので決めるだけでした」
冷静にゴールを分析した井上だが、以降も精力的に動いてチームを盛り立てる。球際の勝負では怯まずに競り、肉弾戦も厭わない。勢い余ってファウルになるシーンもあったが、熱いプレーで2-1の勝利に貢献した。
イランにルーツを持つ井上は昨秋のU-17ワールドカップに出場し、すでに来季のトップチーム昇格が内定しているストライカー。今季は2種登録されており、J1の舞台で2試合を経験している。
世代を代表するFWだが、昨季までは決定力不足が目立ち、守備面ではやや荒っぽさが否めなかった。だが、U-17ワールドカップでの経験やトップチームでのトレーニングを経て、変化が見られるようになりつつある。野田知監督も「シュートを外しまくっているところはある」と苦笑いしつつも、井上についてこう話す。
「強さや自信はトップに行って変わった。トップから戻ってくると変わったなというのを感じる。トップの選手と普段からバチバチやっていれば、同年代のゲームはなんとも思わなくなるので」
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井上自身も変化を口にしており、昨秋のU-17ワールドカップに出場できたことは大きかったという。
「ワールドカップの経験をこれからどう活かしていくのかが大事。ただ、あの舞台に立って自信になった。自信がついたことで、周りも見えるようになって、やりたいこともできるようになった。アイデアもすごく増えて、サッカーを楽しくやれている」
また、トップチームでのプレーも貴重な経験になった。今夏にザルツブルクへ移籍した川村歩夢からは守備面でかなり鍛えられ、シンプルにボールを追うだけではなく、組織的なプレッシングを学んだ。
「川村選手は後ろからすごく守備時の声掛けをしてくれる。今はもういないけど、教えてくれたことは今でも意識している。この京都戦でも何回か良い形でボールを奪えるチャンスもあって、実際に奪うこともできた」
心身ともに鍛えられ、着実に成長を続けている男のポテンシャルは底知れない。「自分はライバルや凄い選手がいる方が成長していける。自分に満足せず、トップでもどんどん試合に絡んでいきたい」とは井上の言葉。自身の目標を叶えるためにも、現状に満足するつもりはない。広島の未来を担う点取り屋の挑戦はまだ始まったばかりだ。
取材・文●松尾祐希(サッカーライター)
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心身ともに鍛えられ、着実に成長を続けている男のポテンシャルは底知れない。「自分はライバルや凄い選手がいる方が成長していける。自分に満足せず、トップでもどんどん試合に絡んでいきたい」とは井上の言葉。自身の目標を叶えるためにも、現状に満足するつもりはない。広島の未来を担う点取り屋の挑戦はまだ始まったばかりだ。
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